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財政力指数は横ばいで推移しており、類似団体の平均を下回っている。税収に関しては、歳入全体に占める割合が16.2%と前年度比2.0ポイント増となったが、中期財政計画における今後の見通しとしては、堅調な税収増は厳しいと予測しており、今後も持続的な行政運営ができるよう、市税等の収入未済額の縮減や貸付金の債権管理の徹底、貸付等の有効活用や有利な補助制度の活用など、安定した財源の確保を図っていく。また、経常経費の抜本的な見直し、公共施設の統廃合やサービスの民間委託の検討など、歳出の削減につながる取り組みも併せて進めていくことで、歳入に見合った歳出構造への転換に努める。
経常収支比率は、対前年度比0.8ポイント悪化している。年齢層の高い職員の退職による人件費の減や、保護者数の減に伴う生活保護扶助費の減、継続的に実施してきた繰上償還の影響による公債費の減などにより、経常的な歳出額は減となったが、それ以上に、合併算定替の段階的な縮減などによる普通交付税の減といった歳入額の減があったことが主な要因となっている。また、類似団体の平均は下回っているものの、今後更に厳しくなると懸念される財政状況を踏まえ、経常経費の削減に努めていく必要がある。
人件費については、年齢層の高い職員の退職などにより減となったが、5町村の合併による複数の保育所、幼稚園や市民館、図書館などを直営で運営していることなどにより、類似団体を上回っている状況である。物件費・維持補修費については前年度より増となったが、依然として類似団体を下回っている。今後は、適正な定員管理による人件費の削減を図るとともに、施設のあり方については、公共施設等総合管理計画に基づき、適正管理に努めるほか、指定管理者制度の導入や拡充などにより事業の委託化を検討し、経費の抑制を図っていく。
24年度までは、合併に伴う旧町村間の給与格差の調整により給与水準が上昇していたが、23年度に職務級の切替えを行い、昇格についてより厳格な運用を実施。以降、徐々に効果が現れるとともに、高齢・高給職員の早期退職及び定年退職によって改善されている。また、28年度には給与制度の総合的見直しを実施したことにより昇給が抑制され僅かであるが改善に繋がった。今後も高齢・高給職員の定年等による退職が見込まれることから、引き続き人員の刷新及び行財政運営の効率化を図り、給与水準の適正化に努める。
5町村が合併して市になったことから、職員数は類似団体の平均を当初から上回っている。行政職は定員管理計画により削減を図っているが、南海地震対策における施設整備など新たな行政課題への対応や各支所での住民サービスを維持、また保育所及び幼稚園についても直営により合併前の施設数を確保し保育サービスの充実を図っている。これらの住民サービスに対し一定の職員数が必要なことが類似団体平均を上回る要因となっている。業務量に見合った職員数の確保は必要であるが、行財政改革を引き続き推進し人員体制の改善を行い定員管理の適正化に努める。
合併前の旧団体で発行した地方債に係る償還のピークが過ぎたことや、継続的に実施してきた繰上償還の影響などにより、実質公債費比率は年々改善してきており、今年度は類似団体の平均と同率となった。しかしながら、新庁舎建設などの大型事業に係る公債費が今後増加すると見込まれるため、事業の見直しを図るとともに、他の特定財源の活用により新発債の発行抑制に努めていく。
繰上償還の実施による地方債現在高の減少や、充当可能基金の積み立てを行ったことなどから、将来負担比率は類似団体の平均を下回っている。しかしながら、新庁舎建設等の大型事業に係る公債費が今後増加すると見込まれるため、任意の繰上償還を積極的に実施するとともに、交付税措置のある有利な地方債の発行に努めていく。
年齢層の高い職員の退職などにより歳出額は減となっているが、前年度より0.2ポイント悪化し、類似団体の平均を上回っている。主な要因は、保育所や幼稚園、市民館などの施設運営を直営で行っており、5町村合併による施設数も多いことから、職員数が類似団体と比較して上回っていることによる。今後、更に財政運営が厳しくなることから、適正な定員管理を図るとともに、公共施設等総合管理計画に基づく施設管理に努めるほか、指定管理者制度の導入などの検討も行い、人件費の抑制に努めていく。
特定財源となる基金の繰入を実施したことにより前年度より0.1ポイント改善し、類似団体の平均を下回っているが、経常的な歳出額は年々増加傾向にある。合併による直営の施設が多く、職員人件費から物件費(臨時職員賃金や指定管理委託料)へ移行することに伴う増加も見込まれるため、事務事業の見直しや、公共施設等総合管理計画に基づく適正な施設管理を図ると共に、経常経費の削減に取り組んでいく。
施設型給付及び地域型保育施設負担金が増となったものの、保護者数の減に伴い生活保護扶助費が減となったことや、特定財源となる基金の繰入を実施したことにより、前年度より0.5ポイント改善したが、類似団体の平均を依然として上回っている。健診の受診率向上を目指すとともに、健康管理の推進などにより、医療費の抑制を図ることで、扶助費の抑制に今後も努めていく。
前年度より1.4ポイント悪化し、類似団体の平均を上回っている。繰出金については、後期高齢者広域連合への負担金や介護保険特別会計への繰出金が増となったこと、特定財源となる基金の繰入を実施しなかったことにより、前年度より1.2ポイント悪化、維持補修費についても、市営住宅に係る経費が増となったことにより、0.1ポイント悪化した。各特別会計においては、独立採算に向けて、使用料や保険料などの適正化に向けた検討が必要である。
前年度と増減なしで推移し、類似団体の平均を下回っている。今後も、特に市単独で実施する補助事業に対する交付にあたっては、適正な審査を行うと共に、事業の見直しについても適宜検討をしていく。
前年度より0.2ポイント改善したが、類似団体の平均を上回っている。合併前の旧団体で実施した普通建設事業に係る地方債償還のピークが過ぎたことや、継続的に実施してきた繰上償還の影響などにより、年々改善してきているものの、新庁舎建設等の大型事業に係る公債費の増加が今後見込まれるため、事業費の精査による新発債の抑制など、公債費の適正化に努めていく。
類似団体の平均を下回っているものの、前年度より1.0ポイント悪化した。また、人件費や扶助費等の項目は平均を上回っている。今後も、中期財政計画等各種計画に基づいて、経常経費の削減を図り、改善を目指していく。
本市では、平成28年度に「香南市公共施設総合管理計画」を策定し、人口減少下においても公共サービスを効率的に提供するため、施設の複合化や集約化による公共サービス機能の集積とネットワーク化を図ることとしている。現在の有形固定資産減価償却率は、51.7%と類似団体平均と比較すると少し高いが、新庁舎建設をはじめとした合併以降も存在する機能や利用目的が重複した施設の集約等も含め、計画に基づいた施設の長寿命化や統廃合、老朽施設の除却等が進んでいくにつれて、徐々に低下していくと考えられる。
有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っているが、新庁舎建設や「香南市公共施設等総合管理計画」に基づいた各施設の長寿命化や統廃合、老朽施設の除却等が進んでいくことにより、徐々に低下していく見込みである。一方、これら大型事業に係る公債費の増加が見込まれることで、現在は類似団体平均を下回っている将来負担比率は今後悪化していくことが想定されるため、任意繰上償還を継続して積極的に実施していく等、これまで以上に公債費の適正化に努めていかなければならない。
繰上償還の実施による地方債現在高の減少や、充当可能基金の積み立てを行ったことなどから、将来負担比率は類似団体の平均を下回っており、実質公債費比率においても、類似団体の平均は上回っているものの、年々改善傾向にある(過去5年間で4.3ポイント改善)。しかしながら、平成28年度より着手している新庁舎建設をはじめとする大型事業に係る地方債現在高が増加していく見込みであることから、今後も任意の繰上償還を積極的に実施するとともに、事業の見直しや交付税措置のある有利な地方債の発行に努める等、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要が高いといえる。
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