経営の健全性・効率性について
経営状況として、①経常収支比率は106.41%と黒字となったが、一般会計繰入金の減少等により黒字幅は縮小した。⑥汚水処理原価は、処理場の維持管理費の増加等により前年度と比べると増加したが、類似団体平均値と比べて低く抑えられており、効率的な維持管理を行うことができているものと考える。⑤経費回収率は65.54%となり、汚水処理原価の増加等により前年度及び類似団体平均値と比べてやや低い値となった。農業集落排水事業においては処理区域内人口が減少傾向にあるが、使用料収入の確保及び維持管理の効率化が今後の課題となる。財政状態として、③流動比率は、流動資産の増加や翌年度償還予定の企業債が減少したこと等により前年度と比べて値が上昇し、100%を上回った。類似団体平均値と比べても余裕のある比率となっている。④企業債残高対事業規模比率は、企業債残高の全額を一般会計が負担する見込みであるため0となっている。⑦施設利用率は、処理水量の減少に伴って低下しており、類似団体平均値と比べても低い値となった。⑧水洗化率は、戸別訪問による接続促進の取り組みによって毎年上昇してきたが、類似団体平均値と比べてやや低い状況である。接続促進は、使用料収入増加のためにも重要な課題となっている。
老朽化の状況について
管渠は耐用年数を迎えていないため、修繕・更新を計画的に行っていない。しかし、平成24年度には経年による管渠の閉塞が生じ、勾配確保のため本管を一部入れ替えている。
全体総括
市内全体で7地区について事業を実施しているが、それぞれの供用開始時期に違いがある。供用開始後の年数が長い地区では、充分な水洗化率を確保しているが、処理場の老朽化に伴う更新等の必要性が生じているため、効果的、効率的な維持管理に努め、支出を抑制する必要がある。一方で、比較的新しい地区では水洗化率が伸び悩んでおり、水洗化率の向上策をより一層進めていかなければならない。このようななか、適正な使用料水準を確保するため、令和2年度に料金改定を行った。こうした課題を整理した上で、経営戦略を活用しつつ、持続的かつ安定的な経営基盤の強化に取り組んでいく。なお、平成28年度に策定した経営戦略については、令和2年度に見直しを行っており、その後も3~5年単位で定期的に見直しを行っていく。