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財政力指数は前年度及び前々年度と同数であり、ほぼ類似団体の平均的指数と同数として推移している。しかしながら全国平均、県内平均と比較するといずれも大きく下回り、特に県平均との比較では0.12ポイントも下回ることとなる。本市の市税収入の内訳をみると、個人住民税と固定資産税との合計が市税収入全体の81%を占め、法人市民税は立地企業が極端に少ないことから全体の4%しかない状態となっている。このため、「山梨市総合戦略」においてインフラ整備を実施するとともに積極的な企業誘致を行い、新たな課税客体の創設に取り組むこととしているほか、第2次行政改革大綱に基づく集中改革プランにより、税の収納率向上対策、納税者への意識啓発及び差押えの強化等更なる収納率の向上を目指すこととしている。また、歳出においては定員適正化計画に基づく総人件費の削減、未利用財産の処分、指定管理者制度等を活用した民間委託等の推進などを推し進め、財政基盤の強化を図ることとしている。
経常収支比率は前年度数値と比較すると2.4ポイント上回ったが、全国平均値を4.4ポイント下回っている。数値が上昇した要因は、義務的経費である人件費や公債費等の減少により経常的経費は減少したが、扶助費が増加したことや経常一般財源が減少したことによる。今後も高齢化による社会保障関連経費の増加や既発債残高の増加に伴い、公債費が増加していくこと、普通交付税の減少により経常一般財源が減少していくことにより財政の硬直化が予測される。このため、税の収納率向上を推進し、平成27年度から平成31年度までの5年間で8千1百万円の効果を目標とする。また、保険料・公共施設料金の収納確保を推進し、同5年間で8千4百万円の効果を目標とする。未利用財産の処分計画においては、同5年間で2千万円の効果を目標とする。「未利用財産の処分」「指定管理者制度導入による義務的経費の削減に努める。施設運営経費削減計画では、同5年間で1千万円の効果を目標とし改善に努める。
類似団体平均額よりは下回ったものの全国平均及び県内平均よりは大きく上回る、前年度と比較すると2,040円の減額となった。人件費は,定員適正化計画により減額となった。物件費は、指定管理者制度等を活用した民間委託等の推進し、職員人件費から委託料(物件費)へシフトしているためである。一部事務組合や公営企業会計への人件費・物件費等に充てる繰出金を含めると、人口一人当たりの金額は更に増額することとなるため、これらも含めた経費削減の対策を講じる必要があると考える。また、定員適正化計画については第3次計画を策定して更に総人件費抑制対策を講じることとしているほか、直営で行っている保育所等について指定管理者制度を含めた民間委託への検討なども行うこととしている。
ラスパイレス指数は,全国市平均より低い指数となっている。定員適正化計画の職員計画数を念頭に各年齢階層の定期的な職員採用を実施するとともに各種手当の総点検を実施してより一層職員給与の適正化に努めることとする。また、地方公務員職員給与費の総合的見直しを確実に実施し公務員制度改革の動向や人事院勧告の動向等的確に見極め、市内の民間企業の平均的給与の状況を踏まえながら市民の理解と支持が得られるような給与制度と勤務条件の確立を目指すこととする。
類似団体平均よりは1.04人下回っているものの全国平均及び県内平均よりは1人以上上回っている状況である。本市の職員管理は合併直後の平成17年度に第1次定員適正化計画を策定し、計画期間内(5年間)で約17.4%(-72人)の人員削減を行った。その後、平成22年度以降は第2次定員適正化計画を策定し、更に4.6%(-18人)の人員削減を行った。多様化する財政需要、住民ニーズ及び新たな事務事業等柔軟に対応できる体制づくりと組織の連携、並びに効率性のある組織の統廃合等引き続き取り組んでいくこととする。また、コスト意識に基づいた質の高い行政サービスを堅持することを前提に、行政が行うべきことを整理した上で「民間にできることは民間へ」移行する取り組みを引き続き行うこととする。特に、保育所の指定管理者制度を含めた民間委託への検討を行っている。
実質公債費比率は対前年度比0.2ポイント下回り着実に減少傾向にあるが、未だ類似団体平均、全国平均及び県内平均より大きな指数を示している。本市は生活環境に必要な未整備地域の公共投資を継続的に行う必要があるため、実質公債費比率は高い状況となっている。しかしながら合併前の旧市町村において借り入れた地方債の償還ピークが過ぎたため、元利償還金額が減少傾向となっている。また、市債を発行する場合、新市まちづくり計画に基づく旧合併特例事業債と過疎計画に基づく過疎対策事業債を優先させ事業展開していることから、控除財源となる災害復旧等に係る基準財政需要額の割合は増加傾向になるものと考えられる。今後とも住民ニーズに即した事業の優先度を総合的に判断し、基本的には地方債償還額以上の借入を行わない方針で一般会計、特別会計及び公営企業会計のいずれにおいても公債費抑制に努めることとする。
将来負担比率は対前年度比13.4ポイント上回り、未だ類似団体平均、全国平均及び県内平均値より大きな指数を示している。数値の上昇の要因としては、将来負担額のうち、組合等負担等見込額がごみ処理施設建設費により36.6%増額したこと、大型事業実施に伴い合併特例債の地方債の現在額が12.5%増加したこと、分母である標準財政規模が減少したことによる。今後とも地方債現在高の増加や普通交付税の減少に伴う標準財政規模の減少により、将来負担比率は年々上昇していくことが予想されるが、少しでも数値の上昇を抑制し、安全領域を堅持しつつ効率的な財政運営に努めていく。
人件費経常収支比率は県内平均よりは1.4ポイント上回ったが、類似団体及び全国平均より下回り、対前年度と同ポイントであった。本市の定員適正化の推進は、第2次山梨市行政改革大綱に基づく事務事業の見直し、指定管理者制度の導入を含めた民間委託等の推進、臨時的任用職員の活用及び市民との協働事業・人材育成など効率的な職員配置を進めながら総職員数の縮減に取り組んできたところである。今後も財政的見地から総人件費の抑制を基本とする中で、多様化する行政需要に柔軟に対応できる体制づくりを行っていく考えである。
物件費経常収支比率は全国平均及び県内平均より下回ったが、類似団体平均より上回り対前年度も0.4ポイント上回る結果となった。経常経費についても微増する結果となっているが、民間委託化をしたことによるものである。
扶助費経常収支比率は類似団体及び全国平均より下回り、対前年度と同ポイントとなった。これは、福祉制度の充実や医療扶助制度の拡充などによるものである。本市は類似団体等に比べ医療機関に恵まれた条件下にあるため、医療扶助費が比較的高くなっており、特に子ども医療費助成制度については、市の重要施策として対象年齢を引き上げて実施することから児童数の縮減と反比例し今後も増加することが想定される。今後は、重症化することのない健康診査体制や健康づくり事業等積極的に実施するとともに生活困窮者に対する相談窓口を開設し、更なる給付の適正化を推進していくこととする。
その他経常収支比率は類似団体、全国平均より下回ったが、対前年度1.5はポイント上回る結果となった。これは、国民健康保険の医療給付費及び介護保険の介護給付費等、特別会計への繰出金が増加していることに起因する。今後は、公営事業会計についても更なる経費節減に努めるとともに独立採算の原則に立ち返った料金の見直しを行うこととする。また、国民健康保険事業等についても公営事業同様に医療費適正化を図る中で保険税の見直し等行うこととする。
補助費等経常収支比率は類似団体、全国平均及び県内平均のいずれより下回ったが、対前年度は、0.2ポイント上回る結果となった。補助費等の全体では、前年度と比較すると決算額において1,037百万円余減額となっている。減額となった主な要因は、雪害による被農業者支援補助金が減少したことによるものである。なお、経常経費補助費等に係る市単独助成金事業等については、補助金の整理統合を推し進め減少傾向にあるが、引き続き補助金の実施効果等を見極める中で整理・統合していく考えである。
公債費経常収支比率は類似団体、全国平均及び県内平均のいずれより上回り、対前年度0.3ポイント上回る結果となった。これは旧合併特例債・過疎対策事業債の償還金が減少したことによるものである。市債発行については、今後とも住民ニーズにあった緊急度・優先度を的確に把握し、新市まちづくり計画に即した事業の選別と実施年度の平準化を図る中で健全な財政運営に資する考えである。
公債費を除く全体の経常収支比率は類似団体、全国平均及び県内平均のいずれよりも下回ったものの、対前年度2.1ポイント上回る結果となった。これは、公債費以外の項目の中で決算額の高い金額となっている人件費及び扶助費の経常収支比率が低い指数で推移してきたことに起因するもので、特に人件費については、合併以後、平成17年度に策定された「定員適正化計画」による人員削減等の効果が大きいと考えられる。また、これらのことを総合的に判断すると、本市の経常収支比率を押し上げているのは公債費にあると考えられ、引き続き将来推計を見据えた健全な財政運営を行うこととする。
将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体と比較して高いものの、毎年度の地方債の新規発行額を抑制してきたため、将来負担比率及び実質公債費比率については毎年低下している。今後、普通建設事業の増加が見込まれ、実質公債費比率の上昇が考えられるため、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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