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類似団体平均は上回っているものの、人口が減少していることや高齢化率(令和2年4月1日現在34.5%)が高いこと、また、市内に中核となる企業がないこと等から財政基盤が弱いため、県平均を大幅に下回る数値となっている。このため、市税を中心に、給食費等の確実な徴収・収納、未利用市有地の売却、使用料・手数料の見直し等によって自主財源の確保に努める。
合併算定替の縮減率増加により普通交付税・臨時財政対策債が大幅に減少したこと等により経常一般財源が約1億3,500万円減少したことに加え、物件費や公債費等の増加により経常経費充当一般財源が約1億5,200万円増加したため、前年度より2.8ポイント悪化して94.5%となり、全国平均、県平均、類似団体平均のいずれも上回ることとなった。歳入に占める依存財源の割合が大きいことから、今後も自主財源の確保と経常的経費の削減に努める。
類似団体平均と比較して人件費・物件費等の決算が小さい要因として、ごみ処理業務や消防業務等を一部事務組合で行っていることが挙げられる。一部事務組合の人件費・物件費等に充てる負担金を加味した場合、人口1人当たりの人件費・物件費等の決算額は大幅に増加することとなる。今後は、これらの経費の抑制に努めていく。
ラスパイレス指数は、全国市平均、類似団体平均と比べ高い水準で推移となっている。今後も管理職手当、特殊勤務手当の抑制等、第4次行政改革大綱に基づき職員給与の適正化に努める。
これまで定員適正化計画に基づき職員数を削減してきており、人口1,000人当たり職員数は全国平均、類似団体平均を下回る水準での推移となっている。今後も、令和5年度までを計画期間として策定を予定している第4次定員適正化計画に基づき、職員数の適正化に努める。
普通交付税額や臨時財政対策債発行可能額の減少により分母が減少した一方、元利償還金の額等の増加により分子が増加した結果、単年度の実質公債費比率は増加したが、3ヵ年平均で見ると前年度と同じ値となっている。全国平均、県平均、類似団体平均のいずれも下回っているが、今後も地方債の新規発行の抑制と、発行に当たっては交付税算入率の高い市債を選択するように努める。
地方債の現在高や退職手当負担見込額の減少により将来負担額は減少したが、それ以上に充当可能財源等が減少することとなった。その結果、将来負担比率は1.2ポイント上昇したが、全国平均、県平均、類似団体平均との比較ではいずれも下回っている。今後も市債の新規発行は極力抑制し、財政の健全化を図っていく。
定員適正化計画に基づく職員数の適正化や行政改革による給与の適正化に取り組んでおり、人件費に係る経常収支比率は平成30年度と同じ数値となった。全国平均、県平均、類似団体平均のいずれをも下回っており、今後も定員管理、給与の適正化に努めていく。
令和元年度の物件費に係る経常収支比率は、学校給食調理業務委託料やシステム利用料(住民情報系等)の増加により、前年度に比べて1.2ポイント上昇している。全国平均、県平均、類似団体平均を下回っているが、今後も施設の維持管理費等の抑制に努めていく。
令和元年度は施設型給付事業の減少等により、扶助費が減少した。扶助費に係る経常収支比率は全国平均、県平均は下回っているものの、類似団体平均と比較すると0.5ポイント上回っている。
その他の令和元年度の経常収支比率は、介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計への繰出金が増加したこと等により、前年度に比べ0.3ポイント上昇し、全国平均、県平均を上回っている。今後も普通会計の負担を減らしていくように努める。
令和元年度の補助費等に係る経常収支比率は、前年度に比べ0.7ポイント上昇し、全国平均、県平均、類似団体平均を上回る高い水準での推移となっている。要因としては、ごみ処理や消防業務を一部事務組合で行っており、それらの負担金や病院事業会計への補助金等が多額になっていることが挙げられる。今後も補助金の交付について適正な金額を検討し、抑制に努める。
令和元年度の公債費は、合併特例債や臨時財政対策債の元金償還額の増等により前年度に比べて増加となった。公債費に係る経常収支比率は類似団体平均は下回っているものの、全国平均、県平均を上回る数値となっている。今後も合併特例債や臨時財政対策債を借り入れる見込みであり、公債費の増加は後年度の財政運営に多大な影響を及ぼすことから、市債の新規発行を極力抑制し、健全な財政運営に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は県平均を下回っているものの、全国平均、類似団体平均を上回っている。今後、特に増加が見込まれる費用については、様々な観点から見直し等を行うことで、健全な財政運営に努める。
(増減理由)積み立てたことにより残高が増加した基金がある一方、それ以上に財政調整基金や地域振興基金の取崩しが増えたことで、基金全体としては3億5,000万円の減少となった。(今後の方針)平成30年度までは財政調整基金や地域振興基金の積立により増加傾向にあったが、今後は財源不足による取り崩しが見込まれ、減少していくことが予想される。
(増減理由)合併算定替の縮減率の増加により普通交付税及び臨時財政対策債の総額が大きく減少した一方、災害復旧に係る臨時的な歳出や、物件費・公債費等の経常的な歳出が増加し、基金の取崩しが増加した。(今後の方針)合併算定替が令和2年度をもって終了することから、今後はさらに財源が不足していくことが見込まれる。その際に取崩しをする予定のため、減少していくことが予想される。
(増減理由)基金の運用益を積み立てたことにより、表示単位未満で増加している。(今後の方針)経済事情の変動等による市債の償還財源の不足、市債の繰上償還の財源に充てる場合等に備えて残高を維持していく。
(基金の使途)地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興の推進ふるさと振興基金:歴史、伝統、文化、産業等を活かした地域づくりの推進社会福祉振興基金:高齢社会に対応した在宅福祉の向上、健康対策、ボランティア活動その他の地域福祉の推進スポーツ推進基金:市民の生涯スポーツの推進森林環境整備基金:間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進(増減理由)地域振興基金:地域振興の推進に資する事業の財源とするために取り崩したことによる減少ふるさと振興基金:ふるさと納税寄付金を積み立てたことによる増加森林環境整備基金:森林環境譲与税を積み立てたことによる増加(今後の方針)地域振興基金:市民の連帯強化及び地域振興の推進に資する事業の財源として取り崩して使用していく予定。ふるさと振興基金:地域づくりの推進に資する事業の財源として取り崩して使用していく予定。
令和元年度の有形固定資産減価償却率は61.4%であり、平成30年度から1.8%上昇した。類似団体内平均よりわずかに低いが、ほぼ同水準である。庁舎等の有形固定資産減価償却率が平均よりも高くなっているが、学校施設や体育館・プールにおいて改修が終わったことから、施設全体の減価償却率が平均を下回っていると思われる。今後も施設の老朽化が進み、有形固定資産減価償却率の上昇が見込まれるため、公共施設総合管理計画等に基づき、適切に管理、改修等を行うことが必要である。
債務償還比率は639.3%であり、平成30年度から39.9%上昇したが、類似団体内平均を76.3%下回っている。経常一般財源等の減少、経常経費充当財源等の増加により平成30年度から上昇しているが、定員適正化計画に基づいた職員数の削減により、職員数が類似団体よりも低い水準で推移していることが要因であると思われる。今後も地方債の新規発行を抑制し、財政の健全化や定員適正化計画に基づく職員数の適正化に努める。
令和元年度において、将来負担比率及び有形固定資産減価償却率はどちらも平成30年度よりも上昇しているが、類似団体内平均と比較すると低い水準である。有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあり、今後も庁舎を始めとする施設の老朽化により上昇が見込まれる。施設整備のために地方債の借入れをすることとなると将来負担比率を増加させる要因となるため、施設の更新や統廃合、長寿命化を計画的に行う必要がある。
令和元年度において将来負担比率は21.2%、実質公債費比率は5.7%であり、将来負担比率は平成30年度よりも1.2%上昇しているが、類似団体内平均と比較するとどちらも低い水準である。地方債の新規発行を抑制し、地方債の発行にあたっては交付税参入率の高い地方債を選択することで実質公債費率や将来負担比率が低い水準となるよう努める。
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