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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率に加え、市内に核となる大きな産業がないこと等により財政基盤が脆弱であることから、類似団体平均と比較しても、かなりの低い水準となっている。公共施設等の民間移管や学校の統合など、歳出削減のための事務事業の徹底的な見直しや、債権管理委員会による市税収納対策の一層の強化等により、財政基盤の強化に努める。
28年度は前年度を6.0ポイント上回る85.6%となったものの、依然、類似団体平均を下回っており、類似団体内順位でも上位となっている。分子においては、元利償還開始に伴い公債費が増加し、老朽化した公共施設の維持修繕費の増により物件費が増加し、分母においては、地方税のうち個人市民税及び固定資産税が増となったものの普通交付税及び臨時財政対策債が減少したことにより、全体として前年度を上回った。今後も普通交付税の減収が見込まれるとともに、し尿処理施設や公営住宅などの大型建設事業を控えているため、経常収支比率は上昇することが予想される。今後は、債権管理委員会による市税収納対策の一層の強化等により市税などの自主財源の増加を図るとともに、事務経費の削減を目指す。
市町村合併以降、類似団体平均、全国平均及び秋田県平均を上回る状況が続いている。人件費自体は期末勤勉手当や退職手当の減により減少したものの、分母となる人口が減少したことに伴い、人口1人当たりの人件費が増加した。物件費は、県内2番目の広大な面積を有しており、旧町ごとの窓口センターや公民館等の多くの公共施設における維持管理費が嵩んでいることから増加した。今後も定員適正化計画に基づき適正な職員数とすることで人件費を抑えるとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の統廃合や長寿命化を進め、物件費の抑制を図る。
比較対象である国家公務員の給与減額特例法が終了したことにより、指数値は25年度から100以下となったが、28年度は前年度と同じ97.1であった。全国市平均からは2.0ポイント、類似団体平均からは0.7ポイント下回っている状況にあるが、今後も引き続き給与水準の適正化に努める。
人口千人当たりの職員数については、単独の常備消防を有していることや、一部事務組合立病院から市立診療所への転換といった特殊事情により医師2名を含む15名が増え、さらに広い市内を網羅するため旧町毎に窓口センターや出張所を設置していることから、全国平均や秋田県平均のみならず、類似団体平均を大きく上回る水準で推移している。今後も、定員適正化計画等の着実な推進等による職員配置や事務事業の見直しにより、定員の適正化に努め、数値の改善を図る。
比率は着実に改善されてきており、類似団体平均及び秋田県平均を下回り前年度に比べて0.1ポイント改善し、9.2%となった。分子においては元利償還金の額が増加しており、分母においては標準税収入額が増加したものの普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額が減少したことから、単年度では前年度を上回っている。当該比率は3カ年平均として算出されることから、平成25年度に比べて改善しており、結果として前年度より改善した。今後は、分子である元利償還金の増加を抑えるため、新規発行地方債を厳選し、比率の上昇を抑える。
将来負担比率は57.0%となり、前年度に比べて3.8ポイント改善している。これは、充当可能財源である基金及び公営住宅使用料が減少したものの、定員適正化計画等の着実な推進による退職手当負担見込額の減少により将来負担額が減少したことによる。今後も、し尿処理施設や公営住宅などの大型建設事業が予定されており、地方債残高の増嵩が見込まれるが、新規地方債発行や公営企業債等繰入の抑制を図り、引き続き財政の健全化に努める。
人件費については、職員数は減少しているものの、給与改定及び通勤手当などの手当の改正により前年度から0.2ポイント増加の24.2%となっている。全国、秋田県及び類似団体平均値と同程度の水準であるが、今後も引き続き定員適正化計画に基づく職員の適正配置により、人件費の抑制を図る。
28年度は前年度に比べ2.3ポイント増加の16.4%となり、秋田県及び類似団体平均と比較して大きく上回っている。これは、旧町毎の庁舎や公民館をはじめとする公共施設を数多く有しており、これらの維持管理費に起因するところが大きい。さらに、28年度は電算システムの更新により経費が増加したものである。今後は公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の統廃合や集約化などを進め、物件費の削減を図る。
扶助費は、全国、秋田県及び類似団体平均のいずれの数値も下回っており、類似団体内順位についても上位に位置している。これは、児童福祉費にかかる人口一人当たりの決算額が低く、出生数の減少により保育所運営費をはじめとする児童福祉施設に関する扶助費の負担が低いことによるものである。今後も、少子化対策に取り組むとともに、高齢者、障害者及び生活保護のサービス給付に係る資格審査の徹底を図り、適正な給付に努める。
その他については、17.1%となり、前年度に比べて1.5ポイント増加し、類似団体平均よりも1.8ポイント上回った。これは、28年度は前年度に比べ降雪が多く、除排雪関連経費が77百万円増えたことと下水道事業における建設改良事業において、起債対象外となった事業があったため、繰出金が増加したことが主な要因となっている。今後は、各特別会計において、料金体系の見直しも含めて自主財源収入の増加を図ることにより、繰出金の抑制を図る。
補助費等は、前年度に比べ0.1ポイント減少の5.4%となり、類似団体の中でも上位に位置している。これは、直営で消防やごみ焼却施設を運営していることから、広域圏組合等に支出する補助費等がないことによるものと思われる。今後は、市単独補助金等の見直しを積極的に行い、補助費等の抑制を図る。
比率はここ数年連続して減少傾向にあったが、28年度は前年度に比べ1.8ポイント増加の16.7%となった。これは、し尿処理施設や公営住宅などの大型建設事業に係る地方債償還額の増加と繰上償還による一時的な公債費の増嵩によるものである。今後は、利率の高い地方債の繰上償還を計画的に実施するとともに地方債発行の抑制を行いながら、公債費負担の軽減を図る。
公債費以外の割合については、指定管理施設の単価増などによる委託料の増加や業務用パソコン、介護施設での介護ベットなどの備品購入費の増加などにより、前年度に比べて4.2ポイント増加の68.9%となった。ここ数年は、類似団体平均に比べ低く推移しているものの、今後は従来からの取組である定員適正化計画の着実な実行、公共施設の民営化と統廃合、費用対効果の低い事務事業の見直しなどの行財政改革に努める。
将来負担比率と実質公債費比率はともに低下しており、改善傾向にあるが、将来負担比率については依然として類似団体よりも高い傾向にある。本市では、平成27年度に市民ふれあいプラザ「コムコム」の建設費として6.3億円の地方債借入を行ったほか、築30年が経過した学校教育施設や市役所庁舎などの有形固定資産の更新時期が一斉に到来することが喫緊の課題になっていることから、事業の取捨選択、大型建設事業の計画的実施により、これらの比率の急激な悪化を招かぬよう努めていく。
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