地域において担っている役割
北秋田市民病院は、過疎地の豪雪地帯で広大な面積を有する北秋田医療圏において、唯一の二次医療機関であり、利用料金制の指定管理者制度により運営している。また、地域に必要不可欠な医療を確保するため、救急告示病院やへき地医療拠点病院、災害拠点病院としても運営しているほか、小児や感染症等の不採算医療についても提供している。今後も良質な医療の提供や地域の生命・健康を守るため、圏域内唯一の二次医療機関として重要な役割を担っていく必要がある。
経営の健全性・効率性について
「①経常収支」及び「②医業収支」は、不採算医療を担っているため平均値を下回っている。前年比較では延入院患者数が前年より増加したことにより増加となっている。「③累積欠損金比率」は年々増加しているが、利用料金制の指定管理者制度を導入しているため病院事業として料金収入がなく、現金を伴う処理についてのみ一般会計から繰入を行っているため、減価償却費等の現金を伴わない処理に係る費用分が累積している。「④病床稼働率」は、許可病床数320床に対し、最大稼働病床数212床となっており、未稼働の病床があるため、利用率は平均値を下回っている。「⑤入院患者1人1日当たり収益」は、入院期間の短縮効果により増加している。「⑥外来患者1人1日当たり収益」も、検査料の増等により増加している。どちらも平均値を下回っているものの平均値と同様に増加傾向にある。「⑦職員給与費対医業収益比率」及び「⑧材料費医業収益比率」は、平均値を下回っており、効率的な運営がなされている。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」及び「③1床当たり有形固定資産」は、平均値を下回っており、健全な状態にある。「②機械備品減価償却率」は、医療機器等で法定耐用年数が近づいていることから、平均値を上回っている。今後は計画的な機器等の更新を推進する必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性については、「北秋田市新公立病院改革プラン」で示している数値目標と同等又は上回る数値で推移するなど計画通りの運営となっている。利用料金制の指定管理者制度を導入しているため、その特性等を考慮しても、現状としては一定のレベルで確保している。今後も、収益率の増加のため、医療需要の動向を踏まえながら、休床病床の解消や医療機能の充実等についても検討していく。老朽化の状況については、今後発生が予測される施設の修繕や機器更新等の状況を把握しながら、更新計画等に基づき、計画的に進めていく。今後も、指定管理者との協議を継続しながら、経営の健全化等取り組んでいく。