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2012年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
本市の指数は、前年度より0.01ポイント改善し、全国平均よりも0.07ポイント低く、長崎県平均よりも0.05ポイント、類似団体内平均よりも0.05ポイント高い水準にある。平成30年度単年度の財政力指数は、0.45で前年度より0.01ポイント改善している。その要因は、分子の基準財政収入額が市民税や地方消費税交付金などにより増加したことに加え、分母の基準財政需要額が清掃費や生活保護費などにより減少したためである。今後も徴税体制の強化などによる歳入の確保と、事務事業の見直しなどの歳出削減に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
分子の経常経費充当一般財源は、物件費や公債費などの減に伴い減額(-171百万円)したが、合併算定替縮減や清掃費の事業費補正減などによる普通交付税の大幅な減(-196百万円)に伴い分母の経常一般財源等がそれ以上に減額(-207百万円)したため、経常収支比率は0.2ポイント悪化した。しかし、県平均よりも1.6ポイント、類似団体内平均よりも2.1ポイント低く、類似団体順位も中位に位置している。地方交付税などの財源が減少している中、扶助費が年々増加しており、今後は扶助費の削減を念頭におきながら、行政改革を引き続き推進し、民間委託の推進、定員管理の適正化など、経常経費のさらなる削減に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
本市の決算額は、全国や長崎県平均、類似団体内平均よりも低い決算額となっており、類似団体内順位も上位にある。主な要因としては、廃棄物処理業務や救急・消防業務などを一部事務組合で処理していることが挙げられる。また、職員定数は、合併時に29人を削減し、その後も第4次行政改革大綱に基づく適正化により、平成31年4月1日現在で職員数は360人となっており、平成18年から68人を削減した結果、類似団体よりも低い状況となっている。今後も民間委託や事務事業の見直しなどにより、経費の削減に努める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
本市のラスパイレス指数は97.3(平成31年4月1日現在)となっており、平成30年4月1日現在と比較すると0.1ポイント増加し、県内の13市の中では下位の状況にある。本市の指数が低くなっている要因としては、資格基準での昇格年数が国と異なることが主なものである。今後も引き続き、給与の適正化を図る。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
本市の人口千人当たり職員数は全国平均及び県平均を下回り、類似団体平均との比較では3.0人と大きく下回っている状況である。職員定数は、合併時に29人を削減し、職員数についても第4次行政改革大綱に基づく適正化により、平成18年から平成30年までに68人の削減を達成した。平成31年4月1日現在の職員数は360人となっており、今後は第5次行政改革大綱に基づき、業務の民間委託や効率化を図る一方で、新たな行政課題や重点的な取り組みが必要な分野には大胆に人員配置を行い、平成29年4月1日現在の職員数を基準に適正な定員管理に努めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
本市の比率は、前年度よりも0.1ポイント悪化し、全国平均よりも2.1ポイント、長崎県平均よりも1.9ポイント、類似団体平均よりも5.6ポイント低く、類似団体内順位も上位となっている。悪化した主な要因は、分母となる標準財政規模が普通交付税の減により減額となる一方、分子となる地方債の償還金が地方特定道路整備事業や島原港避難施設整備事業などの財源として借り入れた起債償還の終了などによる減額や元利償還金等に係る普通交付税措置額の減額により、結果として分子が増額になったためである。今後の大型施設建設については、措置率の高い起債の活用を図り公債費の抑制に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
将来負担額は、退職手当負担見込額の減はあるものの、公営企業等繰入見込額及び地方債現在高の増により増額(+506百万円)となった。また、将来負担額から控除する充当可能財源等の額は、公債費等に係る基準財政需要額算入見込額が増加する一方で、充当可能特定財源見込額や充当可能基金の減により減額(-215百万円)となった。その結果、将来負担額よりも控除する充当可能財源等の額が上回ったことにより分子がマイナスとなったため、将来負担比率はなしとなっている。今後も将来負担の抑制を図り、財政の健全化に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
本市の比率は、22.6%で類似団体より1.8ポイント、全国平均よりも3.0ポイント、長崎県平均よりも0.4ポイントそれぞれ低い水準にある。比率を下げている要因として、消防業務、廃棄物処理業務を一部事務組合で行っていることや業務委託等の推進により人件費が一部事務組合負担金や委託料へシフトしていることなどが挙げられる。人口千人当たり職員数は、類似団体よりも3.0人少なくラスパイレス指数も県内で下位に位置している。人件費は、経常収支比率の中のウェイトが大きく、市民サービスの低下を招くことがないよう適正化に努める。
物件費
物件費の分析欄
本市の比率は、全国平均よりも0.2ポイント低いものの、長崎県平均よりも0.5ポイント、類似団体内平均よりも0.9ポイント、いずれも高い水準にある。比率を上げている主な要因は、行政改革大綱に基づき、民間への業務委託等に取り組んだ結果、人件費から物件費(賃金・委託料)へシフトしたことが挙げられる。今後も市民サービスの維持・向上を確保しつつ、より効果的な財政運営を行うため、事務事業の見直しを行い経費削減・効率化に努めるとともに業務の民間委託等に積極的に取り組む。
扶助費
扶助費の分析欄
本市の比率は、全国平均よりも1.9ポイント、長崎県平均よりも1.0ポイント、類似団体内平均よりも5.4ポイント、いずれも高い水準にある。特に、児童福祉費の割合が突出して高く、次いで社会福祉費の割合も高い水準にあり、子どものための教育・保育給付費や障害者自立支援給付費が年々増加傾向にある。また、人口減少対策の一環として対象者を拡大して取り組んでいる乳幼児等の福祉医療費の増なども要因の一つとして挙げられる。今後も扶助費の増加傾向が見込まれるため、引き続き資格審査等の適正化に努める。
その他
その他の分析欄
本市の比率は、全国平均よりも2.9ポイント、長崎県平均よりも2.8ポイント、類似団体内平均よりも5.0ポイント、いずれも低く、類似団体内順位も上位にある。維持補修費の比率が0.1ポイント上がった要因は、公営住宅にかかる経費の増によるものである。繰出金の比率が0.3ポイント上がった要因は、介護保険や後期高齢者医療事業、温泉給湯事業などへの繰出金の増が挙げられる。なお、繰出金については、各年度の比率が年々増加しているため、今後も安定的な事業運営を行い、普通会計の負担額を減らしていくように努める。
補助費等
補助費等の分析欄
本市の比率は、全国平均よりも3.0ポイント、長崎県平均よりも3.5ポイント、類似団体内平均よりも1.9ポイント、いずれも高い水準にある。比率を上げている主な要因は、廃棄物処理業務や消防、介護保険業務などを一部事務組合で行っているためである。今後は、団体等に対する補助金、負担金等について、公益性や妥当性など交付に当たっての明確な基準を設け、補助金の見直しや廃止を図る。
公債費
公債費の分析欄
本市の比率は、全国平均よりも0.9ポイント、長崎県平均よりも3.4ポイント、類似団体内平均よりも3.5ポイント、いずれも低い水準にある。しかしながら、今後は汚泥再生処理センター整備事業や過疎対策事業、また、平成29年度から3カ年の継続事業として取り組んでいる新庁舎整備事業の財源として活用する起債償還に伴う公債費の増加が見込まれることから、緊急度や住民ニーズを的確に把握しつつ、新発債の発行抑制に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
本市の比率は、全国平均よりも1.2ポイント低いものの、長崎県平均よりも1.8ポイント、類似団体内平均よりも1.4ポイント、それぞれ高い水準にある。比率を上げている主な要因は、扶助費の増加及び公債費の減少によるものである。扶助費は、年々増加傾向にある障害者自立支援給付費や子どものための教育・保育給付費の増によるもので、公債費は、地方特定道路整備事業(中尾川左岸堤塘線等)等の償還終了による減によるものである。今後も事業の選択と集中を図りながら、経常経費の削減に取り組む。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
目的別歳出の分析欄
平成30年度決算において、住民一人当たりのコストが類似団体内平均より高い水準にあるのは、民生費及び災害復旧費となっている。民生費については、障害者自立支援給付費の増に加え、本市の喫緊の課題である人口減少対策事業として取り組んでいる、すこやか赤ちゃん支援事業や福祉医療給付事業などの影響により類似団体内平均よりも高い水準で推移している。災害復旧費については、平成28年熊本地震により被災した本庁舎の建て替え事業によるものである。衛生費については、平成26年度から平成28年度までの3か年の継続事業として取り組んだ汚泥再生処理センター建設費の影響により平成27年度及び平成28年度は類似団体内平均よりも高い水準となっている。労働費が平成26年度まで高い水準で推移したのは、離職した失業者等の雇用機会を創出するため積極的に取り組んできた緊急雇用創出事業の影響によるものである。消防費の平成26年度については、防災行政無線整備事業に伴い一時的に高い水準を示している。その他の費目については、おおむね類似団体内平均よりも低い水準で推移している。今後も市民サービスの維持・向上を確保しつつ、より効果的な財政運営を行うため、事務事業の見直しを行い経費削減・効率化に努める。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
性質別歳出の分析欄
平成30年度決算において、住民一人当たりのコストが類似団体内平均より高い水準にあるのは、扶助費及び災害復旧事業費となっている。扶助費は、障害者自立支援給付費や子どものための教育・保育給付費の増に加え、本市の喫緊の課題である人口減少対策事業として取り組んでいる福祉医療給付事業などの影響により類似団体内平均よりも大幅に高い水準で推移しており、類似団体内順位も上位にある。災害復旧事業費は、平成28年熊本地震により被災した本庁舎の建て替え事業によるものである。一方で人件費については、類似団体内平均よりも低い水準で推移している。その要因としては、行政改革大綱に基づく職員数の適正化を図った結果や救急・消防業務や廃棄物処理業務などを一部事務組合で行っていること、業務委託等の推進により一部事務組合負担金や委託料へシフトしていることなどが挙げられる。その他の費目については、おおむね類似団体内平均よりも低い水準で推移している。今後も市民サービスの維持・向上を確保しつつ、より効果的な財政運営を行うため、事務事業の見直しを行い経費削減・効率化に努める。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄財政調整基金残高については、債券運用や預金利息の積立などで、6億6千万円程度の残高を維持している。平成30年度の実質収支(前年度比+0.05)は黒字となっているが、これは財源不足分を補うための基金繰入により対応しているためであり、実質的には赤字の状況である。この主な要因としては、高齢化等により扶助費が増加する一方で、普通交付税が合併算定替の縮減により減少が続いているためである。今後も普通交付税が人口減少や合併算定替特例措置の段階的な縮減等に伴い減少していくと見込まれるため、引き続き、事務事業の見直しを行い経費削減・効率化に努める。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄前年度に引き続き全会計において黒字となっており、各会計とも適正な財政運営が図られている。水道事業会計は、平成26年度に旧島原市と旧有明町の統一した水道料金体系に改定したことなどが主な要因で、流動資産である現金預金が増加したものである。その他の会計では、前年度と同程度で推移しているが、今後も、収納率向上、滞納額の縮減等の取り組みを行い、全会計において引き続き健全財政の維持に努めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄平成30年度の元利償還金については、地方特定道路整備事業(中尾川左岸堤塘線、県道愛野島原線負担金等)、合併振興基金造成事業、島原港避難施設整備事業等にかかる起債償還が終了したことにより減少している。組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等は、南高北部環境衛生組合の解散に伴う財産処分に関する協議書に基づく地方債償還額にかかる負担金の皆減によるものである。また、控除される算入公債費等は、平成11年度から平成13年度に借り入れた地域総合整備事業債(復興アリーナ、ひょうたん池公園など)、平成7年度から平成9年度に借り入れた地方特定道路整備事業(八幡町北門循環線等)に充てた地方債に対する事業費補正の減に伴い減額となっている。実質公債費比率については、類似団体内順位も上位にあり、今後も公債費と交付税措置とのバランスに配慮しながら健全な財政運営に努める。
分析欄:減債基金利用実績なし。
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将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄将来負担額は、職員の退職手当負担見込額は減少したものの、地方債現在高及び水道事業会計に対する公営企業繰入見込額が増加したことにより、結果として将来負担額が増額(+506百万円)となった。また、基準財政需要額算入見込額は公債費の増などにより増額となったものの、充当可能基金のうち新庁舎整備事業に伴う公共施設等整備基金取り崩しによる減などに加え、充当可能特定歳入が都市計画事業関連の地方債償還額の減などにより減額となり、、結果として充当可能財源等が減額(-215百万円)となった。その結果、将来負担額よりも控除される充当可能財源等の額が上回ったことにより分子がマイナスとなった。今後も健全財政を維持できるよう、公債費の抑制を図りながら、中長期的な視点に立った予算編成に努める。
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基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)ここ数年、歳出に対する歳入の不足分については、基金からの繰り入れにより収支バランスを図っている状況が続いており、平成30年度の決算では、新庁舎整備事業の財源として240百万円取り崩したことにより基金残高が減少した。(今後の方針)本市の基金残高については、類似団体と比較すると少額であり、特に、財政調整基金や減債基金は顕著である。今後は、持続可能な行財政運営を行っていくため、これまで以上に行財政改革に取り組み、効果的な事業の実施と経常経費の削減を図り、財政調整基金等の基金残高の確保に努める。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)基金残高については、同程度の金額で推移している。(今後の方針)財政調整基金は、突発的な災害や緊急を要する経費に備えるという本基金の性質から、更なる積立が必要である。今後も行政改革に取り組み、一般的に適正な水準とされる標準財政規模の10%程度の規模を目指すため、計画的な積立に努める。
減債基金
減債基金
(増減理由)基金残高については、同程度の金額で推移している。(今後の方針)減債基金は、経済事情の変動等により著しく財源が不足する場合において、特に公債の償還の財源に充てるために必要な財源の確保をするために設置された基金であり、地方債現在高の状況や公債費負担の今後の見通しに応じた、計画的な積立てに努める。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)公共施設等整備基金:公共施設等の整備事業に充てるため。合併振興基金:地域住民の連携の強化及び地域の振興を図るため。地域振興基金:福祉活動の促進、快適な生活環境の形成等を図るため。ふるさとしまばら応援基金:ふるさと納税者(寄附者)の思いを具現化する重要施策に充てるため。有明町下水道事業基金:有明町における下水道事業の普及を促進するため。(増減理由)公共施設等整備基金:新庁舎整備事業や小中学校施設整備費、船津地区高潮対策事業費などの財源として370百万円を充当したことにより減少。ふるさとしまばら応援基金:本市の地域づくりを応援するために寄せられた「ふるさとしまばら寄附金」を積み立てるため平成28年度に新たに基金創設。平成30年度は147百万円を積み立てたことにより増加。(今後の方針)公共施設等整備基金:平成31年度において新庁舎整備事業の財源として60百万円を活用予定。ふるさとしまばら応援基金:今後は寄附者の思いを具現化する施策の財源として活用予定。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
平成28年度から上昇傾向であり、平成30年度において類似団体内平均値と比較すると1.4ポイント高い。施設類型別にみると、最も市民生活に直結する施設である道路、橋りょうなどは類似団体内平均値より低い水準にあるが、消防施設や庁舎などは平均値より高い水準にある。平成29年度から令和元年度で新庁舎を建設しているため、今後は減価償却率の低下が見込まれる。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
平成30年度において類似団体内平均値を177.2ポイント下回っている。これは地方特定道路整備事業や合併振興基金造成事業などの大型事業に係る地方債の償還終了により将来負担額が減少したことが要因である。また、前年度と比較すると、比率が47.1ポイント上昇しているが、これは新庁舎建設事業の財源として多額の地方債を発行したことに伴い将来負担額が増加したためである。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
本市の将来負担比率は0%以下であるため、この項目は数値がない。将来負担比率が0%以下であるのは、地方債現在高に対する普通交付税措置見込額が大きいことがその要因であるが、近年、庁舎建設事業などの財源として多額の地方債を発行したことや充当可能基金の減少により、将来負担比率の算出式の分子部分は増加傾向にある。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
本市の将来負担比率は0%以下であるため、この項目は数値がない。実質公債費比率は、類似団体内平均値と比較すると低い水準にある。近年、地方債の償還額が減少傾向にあることやその交付税措置額が比較的大きいことがその要因である。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
施設情報の分析欄
道路や橋りょうについては、類似団体内平均値よりも低い水準にあり、新規建設や改修など早めに老朽化対策に取り組んでいると言える。港湾・漁港においては、湯江漁港、大三東漁港といった比較的大きな漁港の減価償却率が低いこと、また、平成23年度から令和元年度にかけて実施した三会漁港海岸保全事業の影響により全体の減価償却率が低い。保育所の減価償却率が極端に高いのは、施設の民営化を進めたことで個別施設計画上将来廃止する方針の施設が残ったためである。児童館についても個別施設計画上将来廃止する施設である。なお、保育所と児童館の資産額は比較的少ないため、全体の減価償却率にほとんど影響はない。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
施設情報の分析欄
一般廃棄物処理施設の数値が前年度比で大きく低下しているのは、新たにし尿処理施設を建設したことによるものである。消防施設の数値が高いのは、資産額の6割以上を占める防火水槽について、その多くが昭和50年度以前に建設されたものであり、償却額が大きいためである。庁舎については、類似団体内平均を大きく上回っているが、平成29年度から令和元年度にかけて新庁舎を建設しているため、今後は減価償却率の低下が見込まれる。全体的に見て、一人当たりの面積が類似団体内平均よりも低いのは、効率的な施設運営ができていると捉えられる反面、住民に対する行政サービスの低下を招く怖れがあるため、この点に留意して資産管理を行っていく。
財務書類に関する情報①(2018年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、固定資産と流動資産合わせて624億9,500万円の資産を形成しているが、そのうち603億6,800万円は固定資産である。固定資産は、土地、建物などの有形固定資産や無形固定資産、投資その他の資産に分けられ、有形固定資産が固定資産の9割近くを占めている。基金はその性質により固定資産と流動資産に分けられており、合わせて70億8,700万円である。一方、負債は238億8,100万円あり、その多くを占めるのは地方債で214億2,900万円ある。地方債の中には全額地方交付税措置がある臨時財政対策債等が81億9,700万円含まれている。前年度と比較すると、資産は3億2,900万円増加した。その要因は、庁舎建設などに伴う基金取り崩しにより基金が2億300万円減少したものの、事業用資産が新庁舎整備事業の支出などにより5億4,400万円増加したためである。また、負債は4億4,000万円増加した。その要因は、災害復旧事業債や臨時財政対策債など多額の地方債発行が地方債償還額を上回り、地方債が7億3,000万円増加したためである。大型事業である新庁舎建設事業が令和元年度で最終年のため、次年度まで有形固定資産と地方債が増加する見込みである。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用が200億3,200万円で、そのうち人件費や物件費などの業務費用が82億3,100万円、補助金や他会計繰出金などの移転費用が118億100万円である。経常収益が6億8,900万円のため、純経常行政コストは193億4,300万円となった。また、純経常行政コストから臨時損失、臨時利益を差し引いた純行政コストは188億5,900万円となった。前年度と比較すると、国民健康保険特事業特別会計への繰出金が減少したことにより移転費用の他会計への繰出金が減少、一方で農業振興事業経費に係る補助金が増加したことにより移転費用の補助金等が増加したため、結果として純経常行政コストは2億100万円増加した。また、臨時利益として東京学生寮の土地、建物の売却分を計上したため、純行政コストは4,900万円減少した。次年度以降、庁舎建設にかかる物品購入や仮事務所からの移転経費など、純行政コストが増加する要因があるため、今後も事業の見直しやコスト削減に努める。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、平成29年度末純資産残高が387億2,400万円で、平成30年度においては財源(187億7,200万円)が純行政コスト(188億5,900万円)を下回り、本年度差額は△8,700万円となり、無償所管換等を加減した結果、平成30年度末純資産残高は386億1,400万円となった。前年度と比較すると、地方交付税等の減少により財源が減少したため、本年度差額の財源不足が拡大し、さらに無償所管換等で減額した結果、純資産変動額は△1億1,100万円となった。連結会計の純資産変動額がマイナスに転じているのは、一般会計等がマイナスであることに加え、連結会計である長崎県後期高齢者医療広域連合会計の純資産変動額による影響である。財源の大きな割合を占める地方交付税については特例の廃止や人口減少などの要因で今後さらに減少する見込みであるため、ほかの財源確保や行政コスト削減などに取り組み、財政健全化に努める。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支が8,700万円の黒字に対し、投資活動収支は8億1,800万円の赤字、財務活動収支は7億3,000万円の黒字となっている。前年度と比較すると、投資活動支出が15億6,400万円増加していることと財務活動収入が10億1,800万円増加していることが特徴だが、これは新庁舎建設事業に伴い支出が増加したことと財源として地方債発行額が増加したことによるものである。また、地方交付税の減少などにより業務活動収支が悪化した。多額の投資活動支出に対して基金取り崩しと地方債の発行でその資金を確保している状況であるが、事業費が大きい新庁舎建設事業が終了する次年度まではこの傾向が続く見込みである。今後も、行政サービスの質を落とすことなくコスト削減を図るとともに、投資活動収入をより多く確保できるように取り組み、さらなる財政の健全化に努める。
財務書類に関する情報②(2018年度)
1.資産の状況
前年度と比較すると、住民一人当たり資産額は微増、歳入額対資産比率は微減となっているが、いずれも当該値が類似団体平均値を下回っている。この要因は、有形固定資産減価償却率が類似団体平均値と同程度であることから、資産の老朽化によるものではなく、所有資産自体が少ないことによるものだと考えられる。財政規模に対して、資産が少ないことは、効率的な財政運営を行うことができていると捉えられる反面、住民に対する行政サービスの低下を招く恐れがあるため、この点に留意しながら資産の形成を行っていく。
2.資産と負債の比率
前年度と比較すると、純資産比率は微減、将来世代負担比率は微増であるが、類似団体平均値と比較すると純資産比率は当該値が下回っており、将来世代負担比率は当該値が上回っている。この要因は、資産を形成するにあたり、地方債等の負債に頼る部分が大きく、基金をはじめとした金融資産が少ないことによるものだと考えられる。今後は、これらの点も考慮しながら資産の形成を行っていく。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、前年度と比較すると微増となっているが、類似団体平均と比較すると当該値が下回っている。この要因の一つは、職員削減や指定管理の導入など行財政改革を進めてきたことにより、経常費用で大きな割合を占める、人件費、物件費、補助金等の割合が類似団体平均値より小さいためだと考えられる。今後も行政の効率化に向けて取り組む。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、前年度と比較すると微増となっているが、この要因は地方債の増加によるものである。また、類似団体平均と比較すると当該値が下回っているが、住民一人当たりの資産額も類似団体平均値を下回っていることから、バランスは取れているものの、純資産比率や将来世代負担比率等を考慮すれば、負債の割合が少し大きいと思われる。基礎的財政収支は、前年度の黒字から赤字となり、類似団体平均値を下回った。その要因は投資活動収支の赤字拡大によるもので、新庁舎建設事業や船津地区高潮対策事業など大型事業の影響により、投資活動支出が増加したためである。今後も大型事業の実施により、基礎的財政収支の赤字化が想定されるため、投資活動収入を最大限確保するよう努める。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、前年度と比較すると微減となっているが、経常費用の増加がその要因である。類似団体平均値と比較すると当該値が下回っているが、今後、施設の老朽化による維持補修費の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の削減や長寿命化を実施するなど、経常経費の削減に努める。
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