経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、例年100%前後で推移しているが、総収益のうち約61%は繰入金に依存している状況である。水洗化率100%であることにより、有収水量を確保できていることから、汚水処理原価は平均値より低い水準となっており、効率的な汚水処理が実施されているが、少子高齢化の進行に伴う人口減少により、使用料収入の減少が発生しており、併せて設備の老朽化による修繕が今後発生する事が見込まれるため、総費用の増加が懸念される。今後、適正な運営を行っていくためにも経費削減等により経費回収率の向上に努めるとともに、適正な使用料の検討をはじめとする経営健全化に向けた取り組みを進めていく必要がある。企業債残高対象事業規模比率については、既に事業が完了し、順調に償還していることから、平均値よりも低くなっており、今後も比率はさらに改善していく見込みである。
老朽化の状況について
特定地域生活排水処理事業については、小型合併浄化槽での整備となっていることから管渠修繕はないが、経年劣化による設備等の修繕が今後増加していくことが予想される。
全体総括
「経営の健全性・効率性」を示す指標は類似団体と比べ、汚水処理原価・水洗化率は良好であるが、収益的収支比率が100%前後で推移していることや経費回収率も低い率で推移している。また、「老朽化の状況」の指標についても、管渠の更新・修繕は無いものの、今後施設(小型合併浄化槽)の老朽化による修繕費用の増加が見込まれていることから、計画的な修繕により経費削減を図っていくことはもちろん、併せて「適正な使用料」の検討を進めていく必要がある。