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前年度に比べて、市民税や固定資産税等で増収になったものの、法人税の減収により0.39と類似団体平均よりやや下回っている。全国平均を上回る高齢化率(令和元年度末36.4%)は前年とほぼ同水準(平成30年度末36.0%)である。今後も税収の徴収率向上対策などに努め、企業誘致施策の実施などにより税収増の取組を行うなど財政基盤を強化する必要がある。
経常収支比率は92.6%で類似団体平均をやや下回っている。今後とも、事務事業の見直しを更に進めるとともに、すべての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図る。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を下回っているのは、主に人件費が要因となっている。これは主に長期間にわたり退職者不補充を実施し、職員数が削減されたためである。今後も、行財政改革の取組を通じて人件費の削減や指定管理者制度を活用してコスト削減に努める。
市人口は減少傾向にあるが、人口1,000人当たり職員数は、令和元年度において10.35人と類似団体平均と比べてほぼ同じ水準にある。今後も退職者不補充を行うなど新規採用者の抑制に努めたい。
実質公債費比率は、12.7%と類似団体平均を上回っている。主な要因としては、老朽化した公共施設の建替など大型の整備事業が集中しており、公債費が増加したことが挙げられる。今後も公債費の増加が見込まれるため、行財政改革の取組を通じて普通建設事業の見直しを行い、可能な限り公債費負担を軽減する。
将来負担比率は、94.5%と類似団体平均を上回っている。主な要因としては、公共施設等適正管理推進や一般補助施設整備等事業等に係る地方債現在高の増が挙げられる。近年は老朽化した公共施設の建替など大型の整備事業が集中しており、今後も地方債の増加が見込まれるため、行財政改革の取組を通じて普通建設事業の見直しを行い、市債の発行においては将来負担を考慮し慎重に行う。
人件費にかかる経常収支比率は、平成30年度においては退職者不補充により職員数は減となったものの給与改定及び退職者の増加により退職金が増加し、類似団体平均を上回った。同様に、令和元年度においても、退職者不補充を行っているものの、給与改定及び退職者の増加により退職金が前年度の約67%増となっていることもあり、類似団体平均を上回る水準となった。今後も行財政改革の取組を通じて人件費の削減に努める。
物件費に係る経常収支比率は、令和元年度において9.7%と類似団体平均を大きく下回っている。物件費においては前年より169,764千円増額(+8.7%)となっており、年々増加傾向にある。今後についても安易な業務委託を避け、費用対効果を検証しながら費用の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、平成30年度においては12.5%と類似団体平均を大きく上回っていたが、令和元年度においては10.2%と類似団体平均をやや上回る水準となった。、要因としては、生活保護費の減少が挙げられる。今後も資格審査等の事務を適正に行っていく。
その他に係る経常収支比率は、令和元年度において15%と類似団体平均とほぼ同水準である。後期高齢者医療特別会計への赤字補填に係る繰出金は減少しているものの、国民健康保険特別会計への赤字補填に係る繰出金等の増額により、前年度と同水準となっている。今後も、特別会計への繰出金については、繰出基準等に基づいた適正な執行に努める。また、公営企業会計においては独立採算性の原則に立ち返った経営の健全化に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、令和元年度において7.5%と類似団体平均を下回っている。今後も、各種団体や一部事務組合などへの補助金については、補助要綱の交付要件や補助基準などに基づいて適正な執行に努める。
公債費に係る経常収支比率は、平成30年度においては複合文化施設整備事業など大型事業の償還が一部始まったこともあり、償還額の増加により類似団体平均を上回る水準となった。令和元年度においても過年度で借り入れた地方債の据置期間の経過による元金の償還開始により償還額が増加し、類似団体平均を上回った。今後も公共施設建設に係る事業費が増加し、それに併せて公債費の増加が見込まれるため、行財政改革の取組を通じて普通建設事業の見直しを行い、公債費の削減に努める。
人件費及び扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているものの、物件費にかかる経常収支比率は類似団体平均を大きく下回っている。公債費以外に係る経常収支比率としては、70.6%と類似団体平均をやや下回っている。
(増減理由)令和元年度は、複合文化施設整備事業や新庁舎整備事業など複数の施設整備事業の財源として「施設等整備基金」を約143百万円取り崩したこと、南海トラフ巨大地震に備えた事業等に「防災加速化基金」を約286百万円取り崩したこと、財政調整基金を229百万円取り崩したことなどにより、基金全体としては583百万円の減となっている。(今後の方針)現在、複合文化施設整備事業や新庁舎整備事業など大型施設整備が続いており、「施設等整備基金」「塩見文化基金」が減少見込みである。また、住宅耐震対策事業など防災事業も予定されていることから、「防災加速化基金」についても減少見込みである。なお、数年後には大型施設整備に係る地方債償還のピークを迎えることが予想されるため、減債基金についても減少が見込まれることなどから、中長期的にみて基金全体が減少していく見込みである。
(増減理由)平成29~平成30については、決算剰余金を40百万円、基金利子を百万円積み立てたことにより増加している。平成30~令和1については、決算剰余金を70百万円、基金利子を約百万円積み立てたが、財源不足のため230百万円取り崩したことにより、減少している。(今後の方針)現在、複合文化施設整備事業や新庁舎整備事業など大型施設整備が続く中、今後においても大幅な財源不足が予想されるため、中長期的にみて減少していく見込みである。
(増減理由)平成29~平成30については、基金利子を約10百万円積み立てたが、償還のため140百万円を取り崩したことにより減少している。平成30~令和1については、基金利子を約2百万円積み立てたことにより増加している。(今後の方針)現在、複合文化施設整備事業や新庁舎整備事業など大型施設整備が続く中、数年度には地方債償還のピークを迎えることが予想されるため、中長期的にみて減少していく見込みである。
(基金の使途)「施設等整備基金」:市の施設等の整備に要する財源「防災対策加速化基金」:市の防災対策に関する事業等に要する財源「塩見文化基金」:文化施設整備に要する財源(増減理由)「施設等整備基金」については、令和1年度において基金利子を約百万円積み立てたが、複合文化施設整備事業や新庁舎整備事業など複数の施設整備事業の財源として約145百万円充当したため、減少している。「防災加速化基金」については、令和1年度において基金利子を約6百万円積み立てたが、南海トラフ巨大地震に備えた事業等に約292百万円充当したため、減少している。(今後の方針)短期的には、新庁舎整備など大型施設整備が複数実施予定であり、また、南海トラフ巨大地震に備えた防災対策事業も予定されていることから、「施設等整備基金」や「塩見文化基金」、「防災対策加速化基金」などが減少傾向にある。中長期的にはふるさと納税を強化することにより「まごころ応援基金」への積立額が増加していく見込みである。
当市では、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、既存施設の有効活用、施設の統合・整理を図り、施設の複合化などによって市民サービスを維持しつつ、施設総量を徐々に縮減するという目標を掲げ、計画に基づいた既存施設の維持、複合化などに取り組んでいる。有形固定資産減価償却率については、施設の複合化などの影響により、51.2%と昨年と比較し減少している。
南海トラフ対策や新庁舎建設等の大型施設事業の増加により地方債が増加しているものの、類似団体平均を下回っている。今後も新庁舎の建設などが予定されているため、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
将来負担比率が増加し、有形固定資産減価償却率が減少している。施設の複合化などによって市民サービスを維持しつつ、施設総量を徐々に縮減するという総合管理計画の目標のもと、市民会館・市民図書館・中央公民館の複合化により、有形固定資産減価償却率が減少しているが、新庁舎建設など大型事業に係る起債額が増加するため、将来負担が増加している。
将来負担比率、実質公債費比率については、類似団体平均を上回っている。防災対策に係る事業等に際し、地方債を発行したことが考えられる。今後も新庁舎の建設事業を実施するため、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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