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2014年度
2013年度
2012年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
・大規模事業所(原子力発電所)の立地により類似団体と比較すると、平均を上回る税収となっているが、その他の全体的な税収入が減少する等の要因により基準財政収入額が減少したことにより、平成21年度より普通交付税の交付団体となっている。また、震災以降、財政力指数は年々減少傾向にあり、税の減免により基準財政収入額も年々減少傾向にあったが、平成29年度から減免終了等に伴い、基準財政収入額が増加したこと等が要因となり、財政力指数は上昇傾向にあり、前年度と比較して0.2増加した。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
・地方税、地方消費税交付金、普通交付税等の増加により、経常一般財源が前年度より増加し、また、経常収支比率に係る人件費、物件費の増加が要因となり、経常経費充当の一般財源が増加したことにより、経常収支比率は前年度と比較して1.4%増加した。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
・復旧・復興に伴い新設した施設の備品購入等に要した費用が主な要因となり、人口1人当たりの人件費・物件費等は前年度と比較して66,204円増加した。震災以降続いてきた災害復旧事業は、収束の目処が立ちつつあるが、復旧復興事業に係る経費については依然として高い比率である。公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、今後の人口推移に合わせた公共施設の管理等を行い、維持管理費の削減に努めながら、費用対効果を十分に考慮した施策を展開していく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
・東日本大震災及び原子力災害により、被災者支援業務、放射線管理業務、復旧復興業務等にあたる経験豊富な任期付職員を多く採用しており、ラスパイレス指数は前年度と比較して0.6減少しているものの、類似団体平均を上回る要因となっている。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
・東日本大震災及び原子力災害により、被災者支援業務、放射線対策業務、復旧復興業務等、平時に比べ業務量が増加し、業務を円滑に進めるために必要な人材が不足した状況が続いており、早期の復興に向け町任期付職員の採用、県任期付職員の派遣、他自治体からの支援等を活用し、人材不足の解消を図っている。また、数値は前年度よりも僅かに減少しているが、現状として募集や要望に対して応募者が少ない等、慢性的な人手不足が続いている。今後、復旧復興の進捗に応じた組織、業務の見直しを図り、将来の財政運営を見据えた人員配置を行い、定員管理の適正化に努めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
・借り入れた町債を計画的に償還していることから、実質公債費比率は年々減少傾向にあり、前年度と比較して1.4%減少しており、類似団体の平均を下回っている。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
・地方債未償還残高を上回る基金を保有している為、将来負担比率は健全な状態に保たれている。今後も現在の水準を維持し、健全な財政運営に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
・東日本大震災及び原子力災害によって地方税等の経常一般財源が減少する等の要因により、人件費に係る経常収支比率が高くなっていたが、人件費の財源として基金を充当したことにより、平成27年度から数値は改善している。平成30年度における人件費の経常収支比率は前年度と比較して3.6%増加した。
物件費
物件費の分析欄
・物件費に係る経常収支比率は、復旧復興が進み町内の公共施設が再開した影響等により年々数値は増加傾向にあり、前年度と比較して0.8%増加し、前年度に引き続き類似団体平均を上回った。今後も施設維持管理費等の増加が懸念されるが、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づいて適正な管理運営を行うことにより物件費の削減に努めていく。
扶助費
扶助費の分析欄
・扶助費に係る経常収支比率は、例年大きな数値の変動はないが、類似団体と比較すると平均をやや上回っている。町条例等に基づいた独自給付等の見直しを検討し、適正化に努める。
その他
その他の分析欄
・維持補修費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.3%減少しているものの、公共施設の老朽化及び道路の維持補修等の経費は引き続き支出されることが想定される為、今後は公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、維持補修を適正に進めていく。また、繰出金の経常収支比率は、前年度と比較して1.0%減少している。
補助費等
補助費等の分析欄
・東日本大震災及び原子力災害により一時的に活動を停止していた補助団体の活動が再開し、町の復興事業に関連した補助費等の支出が増加したことにより、補助費等に係る経常収支比率は増加傾向にある。平成30年度においては前年度と比較して0.8%減少したが、今後も補助金規制委員会のもと補助金の見直しや廃止を進め、適正化に努めていく。
公債費
公債費の分析欄
・町債の借入を計画的に削減していることから、年々数値は減少傾向にある。今後も継続して適正化に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
・人件費及び物件費の増加により、公債費以外の経常収支比率は前年度と比較して2.3%増加している。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
目的別歳出の分析欄
・住民一人当たりのコストが増加傾向にある項目を取り上げると、農林水産業費は484,991円であり、農業系施設の整備が主な要因となり、前年度比370,353円(323.1%)増加となった。商工費は327,356円であり、商業施設及び産業再生エリアの整備等に伴い、前年度比17,043円(5.5%)の増加となった。教育費は444,968円であり、屋内体育施設の整備が主な要因となり、前年度比75,976円(20.6%)の増加となった。いずれも東日本大震災及び原子力災害に起因した復旧・復興に係る経費である。また、土木費は竜田駅東側開発事業、災害公営住宅整備事業等により平成28年度から減少傾向にあり、平成30年度は222,346円となり前年度比205,303円(40.1%)の減少となった。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
性質別歳出の分析欄
・歳出決算総額は、住民一人当たり2,813,156円となっている。各構成項目において、人件費は東日本大震災及び原子力災害等の対応に当たる任期付職員等の雇用により年々増加傾向にあったが、職員の退職等に伴い平成29年度から減少傾向にある。災害復旧事業費は被災箇所の大規模な復旧は落ち着いてきており、事業費も減少に向かい始めているが、平成30年度は道の駅温泉保養施設、岩沢海水浴場の災害復旧に伴い住民一人当たり62,526円(173.0%)の増となった。また、住民一人当たりのコストが増加傾向にある項目を取り上げると、補助費等については住民一人当たり249,498円であり、東日本大震災復興交付金の償還金が主な要因となり、前年度比78,455円(45.9%)増加した。普通建設事業費については住民一人当たり1,294,784円であり、前年度比307,215円(31.1%)の増となっているが、その中でも新規整備が震災以降増加傾向にあり、平成29年度は屋内体育施設建築工事、商業施設整備、産業再生エリア整備、農業系施設整備等が主な増要因となっている。また、新規整備した施設の備品購入費等が要因となり、物件費についても住民一人当たり260,625円と、前年度比60,161円(30.0%)の増となった。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄・不測の災害等に対応する為、財政調整基金に積み立てを行っている。平成30年度は平成29年度に生じた余剰金を積み立てたことにより、残高が増加している。・町単独事業の減少等の要因により、実質収支額は黒字となっているが、前年度の実質収支が多額であったことが要因となり、実質単年度収支は赤字となっている。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄・各会計ともに健全な状態を保っており、赤字額は発生していない。
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実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄町債の借入を計画的に削減している為、公債費支出は減少している。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債を利用していない。
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将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄・町債の借入を計画的に削減している為、公債費支出は減少している。・組合等の地方債残高の減少による負担見込額は年々減少傾向にある。・震災業務対応の為の任期付職員等の増加により退職手当負担見込額が増加傾向にあったが、退職等の要因により平成29からは減少傾向となっている。・特別養護老人ホームが返済不能になった場合の債務保証をしているが、同施設において計画的に返済しており、年々数値は減少している。・公共施設等総合管理基金等への積立により、充当可能基金が増加している。以上のことから、将来負担額に対し、充当可能基金を含めた充当可能財源が上回っている。※平成29及び平成30将来負担額(A)退職手当負担見込額の数値を次のとおり訂正する。平成29(誤)841→(正)571。平成30(誤)542→(正)525
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基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)・平成30年度においては、財政調整準備基金の増加が主な要因となり、基金全体の残高は前年度と比較して2,065百万円(15.4%)の増加となっている。(今後の方針)・各基金の目的に応じた適切な運用を行っていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)・平成30年度においては、実質収支額の増加が主な要因となり財政調整準備基金への積立額が増加したことにより、残高は前年度と比較して1,519百万円(45.9%)の増加となっている。(今後の方針)・復旧復興事業による基金の取り崩し、また、公共施設の維持管理等による単独費の支出増加が予測されるが、不測の災害等に対応する為に必要な基金残高に基づいた下限値を意識しながら、計画的な運用を行っていく。
減債基金
減債基金
(増減理由)・地方債については計画的に償還しており、減債基金の残高は利子による増加のみとなっており、ほぼ変動はない。(今後の方針)・現段階で新たに起債を行う予定は無く、今後も地方債の計画的な償還を続けていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・特定廃棄物埋立処分事業地域振興交付金基金:福島県内において生じた特定廃棄物の埋立処分事業の実施に伴う影響を緩和する為に必要な風評対策及び地域振興等に係る幅広い事業に要する資金を積み立てるもの。・福島再生加速化交付金(帰還環境整備)基金:福島復興再生特別措置法(平成24年法律第25号)第34条第2項に規定する帰還環境整備交付金事業等の実施に要する経費に充てる資金を積み立てるもの。(増減理由)・特定廃棄物埋立処分事業地域振興交付金基金の屋内体育施設整備、新駅整備等による取り崩しを行っている一方、福島再生加速化交付金(帰還環境整備)基金の産業再生エリア整備、農業基盤整備等による積み立てを行っており、その他特定目的基金としては546百万円(5.4%)の増加となっている。(今後の方針)・各基金の統廃合等も検討しながら、目的に応じた適切な運用を行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
東日本大震災及び原子力発電所事故により被災した建物の解体、及び、復旧復興に係る新たな施設の整備により、類似団体と比較すると有形固定資産減価償却率は低い傾向にある。平成30年度:精査中
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
地方債等の将来負担額を充当可能基金残高が上回っている。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
地方債を計画的に償還しており、新たな起債も組んでいないことから、将来負担額は年々減少傾向にあり、将来負担比率は発生していない。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は将来負担額を充当可能額が上回っていることにより、また、実質公債費比率においては新規の起債を抑制して計画的に償還していることにより、共に基準値を下回っている。今後、復興事業や公共施設の更新等に係る地方債の新規発行による将来負担額の増加、及び、基金取崩による充当可能財源の減少に伴う数値の悪化が懸念される。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
施設情報の分析欄
【認定こども園】新しい施設であることから、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して低い傾向にある。【公営住宅】東日本大震災に係る災害公営住宅の整備が進んだことにより、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較すると低い傾向にあり、一人当たり面積も多くなっている。【学校施設】新しい施設であり、東日本大震災後に旧校舎を解体したことにより、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較すると低い傾向にある。【公民館】建築年数の経った施設であることから、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較すると傾向に高いある。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
施設情報の分析欄
【体育館・プール】建築年数の経った施設であり、有形固定資産減価償却率は高くなっている。また、東日本大震災により被災した体育館を解体したことにより、一人当たりの面積は少なくなっているが、新たに屋内体育施設を整備したことにより、有形固定資産減価償却率、一人当たりの面積ともに回復が見込まれている。【庁舎】比較的建築年数の経った施設であり、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較すると高い傾向にある。
財務書類に関する情報①(2018年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等における平成29年度資産総額は、前年度末(52,804百万円)から13,356百万円(+25.3%)の増加となった。金額の変動に係る主な要因は事業用資産、基金及び未収金である。事業用資産は、東日本大震災及び原子力災害からの復旧復興に係る新たな施設の整備等による資産の取得額(6,348百万円)が、減価償却によ資産の減少を上回ったこと等から5,899百万円増加し、資産総額のうち有形固定資産の割合は58.8%となっており、これらの資産は維持管理や将来的な更新に係る費用を伴うものであることから、公共施設総合管理計画及び個別施設計画に基づき、古い施設の廃止、集約化及び長寿命化を推進し、脱炭素社会に向けたゼロエネルギー化等を検討しながら、公共施設等の適正化に努め、今後の財政運営に及ぼす影響を軽減していく必要がある。基金は、復旧復興に係る地域振興等の為の交付金を積み立てたこと等により、基金(固定資産)が2,815百万円増加したが、復旧復興に係る基金については復旧復興事業へ充当していくことから、今後は減少が見込まれる。未収金は、復旧復興に係る国県支出金が事業の繰越により収入未済となったこと等から3,048百万円増加したが、繰越事業に紐づくものであることから繰越先の年度において資産又は費用となり、減少が見込まれる。また、平成29年度負債総額は前年度末(2,123百万円)から336百万円の増加(+15.8%)となった。金額の変動に係る主な要因は地方債及び預り金である。地方債は、新たな起債をせずに順調に償還を行っていることから162百万円の減少となったが、預り金は、復旧復興事業に係る契約保証金及び義援金等により年度末の歳計外現金が増加し、526百万円の増加となった。
2.行政コストの状況
平成29年度の一般会計等においては、経常費用は6,423百万円となり、前年度(8,199百万円)から1,776百万円の減少(△21.7%)となった。経常費用の内容としては、人件費等を含む業務費用は3,658百万円、補助金等を含む移転費用は2,766百万円であり、業務費用が移転費用を上回っている。最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(2,608百万円)だが、復旧復興の進捗に伴い公共施設等の災害復旧に係る経費が減少したことにより維持補修費が減少物件費等は前年度(4,201百万円)と比較して1,593百万円(△37.9%)の減少となり、経常費用の減少要因となっている。平成29年度の全体においては、下水道事業特別会計、住宅用地造成事業特別会計、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計における一般会計繰入金を経常収益(その他)へ、下水道事業特別会計の下水道使用料を使用料及び手数料へ計上していることにより、一般会計等と比較して経常収益が313百万円多い786百万円となっている。一方、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計及び後期高齢者医療特別会計における負担金を補助金等へ計上している為、移転費用が2,457百万円多い5,454百万円となり、純行政コストは2,623百万円多い8,869百万円となっている。
3.純資産変動の状況
平成29年度の一般会計等においては、財源(18,959百万円)が純行政コスト(5,938百万円)を上回ったことから、本年度差額は13,021百万円(前年度比+7,257百万円)となり、純資産残高は13,021百万円の増額となった。特に本年度は補助金を受けて東日本大震災及び原子力災害からの復旧復興に係る新たな施設の整備を行った為、財源に当該補助金の額が計上され、国県等補助金が4,534百万円の増額となり、また、税収等においても、当該施設整備に係る震災復興特別交付税が措置されたことにより、774百万円の増額となった。一方、当該施設取得による行政コストの計上は減価償却により徐々になされる為、純資産が増加していると考えられる。平成29年度の全体においては、下水道事業特別会計、住宅用地造成事業特別会計、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計における一般会計繰入金や、保険税及び保険料が税収等に含まれることから、税収等は一般会計等と比較して1,248百万円多くなっており、また、国民健康保険特別会計及び介護保険特別会計においては、保険税及び保険料の減免に係る減収補填として災害臨時特例補助金及び特別調整交付金が交付されていることにより、国県等補助金についても一般会計と比べて1,433百万円多くなっている
4.資金収支の状況
平成29年度の一般会計等においては、業務活動収支は8,738百万円であったが、投資活動収支については、東日本大震災及び原子力災害からの復旧復興に係る新たな施設の整備事業を行ったことから、△7,514百万円となった。財務活動収支については、町の方針として新規に発行する地方債を抑制しているため地方債発行収入の計上は無く、計画的に償還を行っていることから、△177百万円となった。本年度末資金残高は前年度(5,241百万円)から1,046百万円(+20.0%)増加し、6,287百万円となった。全体的な内容として復旧復興事業に係る経費のボリュームが多く、復旧復興事業に紐づく震災復興特別交付税等を含む税収等収入及び国県等補助金収入により賄われている状況である。平成29年度の全体においては、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、下水道事業特別会計では下水道使用料収入、住宅用地造成事業特別会計では造成地の販売収入があること等から、業務活動収支は一般会計等より526百万円多い9,264百万円となっている。投資活動収支では、下水道管の工事や住宅地の造成事業を行ったことにより、△7,723百万円となっている。財務活動収支については、地方債発行収入の計上は無く、下水道事業特別会計において過年度の借入を計画的に償還していることから、△361百万円となった。本年度末資金残高は前年度(6,080百万円)から1,180百万円(+19.4%)増加し、7,268百万円となった。
財務書類に関する情報②(2018年度)
1.資産の状況
平成29年度における住民一人当たり資産額は、東日本大震災及び原子力災害からの復旧復興に係る新たな施設の整備等による資産の取得が増加していること、また、避難した町民の流出等により人口が減少していることから、前年度(724.8万円)と比較して201.4万円(+27.8%)増加し、類似団体平均を大きく上回っている。平成29年度における歳入額対資産比率は、類似団体平均値を大きく下回った。これは復旧復興に係る事業の増加に伴い、事業に紐づく財源等が増加したことによるものである。平成29年度における有形固定資産減価償却率は、震災及び原子力災害により被災した施設の解体を行ったこと、新たな施設を整備したこと等により、類似団体平均値を下回っている。平成29年度における資産は維持管理や将来的な更新に係る費用を伴うものであることから、公共施設総合管理計画及び個別施設計画に基づき、古い施設の廃止、集約化及び長寿命化を推進し、脱炭素社会に向けたゼロエネルギー化等を検討しながら、公共施設等の適正化に努め、今後の財政運営に及ぼす影響を軽減していく必要がある。
2.資産と負債の比率
平成29年度における純資産比率は、類似団体平均値と比較して上回っており、税収等の財源が純行政コストを上回ったことから純資産が増加し、前年度(90.0%)から0.3%増加している。純資産の増加は、過去及び現世代の負担により将来世代が利用可能な資源を蓄積したことを表すが、今後、復旧復興に係る事業が終息に向かって行くにつれて、国県等補助金等の財源が見込めなくなり、施設の減価償却費や維持補修費により行政コストが増加し、純資産額が減少していくことが懸念されることから、財政運営戦略に基づく経常経費の削減、及び受益者負担に基づく歳入の確保等を推進し、行政コストの削減に努めていく。平成29年度における社会資本等形成に係る将来世代等の負担程度を示す将来世代負担比率は、町の方針として新規に発行する地方債を抑制していることから、類似団体平均を大きく下回っている。今後も計画的な償還を行い、新たな地方債の発行についても交付税措置の有利な条件の起債に限定する等、将来世代の負担減少に努めていく。
3.行政コストの状況
平成29年度における住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値を下回っている。また、復旧復興の進捗に伴い公共施設等の災害復旧に係る経費が減少したことにより維持補修費が減少したこと、及び原子力災害に係る賠償金の収入があったこと等が要因となり、前年度(108.3万円)と比較しても25.2万円(△23.3%)の減少となっている。
4.負債の状況
平成29年度における住民一人当たり負債額について、地方債は、新たな起債をせずに順調に償還を行っていることから減少傾向にあるが、預り金は、復旧復興事業に係る契約保証金及び義援金等により年度末の歳計外現金が増加したことにより、前年度(29.1万円)と比較して5.3万円増加している。なお、増加要因は一過性のものであり、町の方針として新規に発行する地方債を抑制しているため、新たな地方債発行は無く、計画的に償還を行っていることから、類似団体平均値を大きく下回っており、今後は減少を見込んでいる。平成29年度における基礎的財政収支は、支払利息支出を除いた業務活動収支の黒字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を上回った為、3,706百万円となっている。業務活動収支において、復旧復興に係る国県からの補助金が臨時収入(5,125百万円)へ計上されていることが、類似団体平均値を大きく上回る要因となっている。
5.受益者負担の状況
平成29年度における受益者負担比率は、類似団体平均値を上回っている状況にある。その要因としては、町で所有する源泉の使用料に係る収入があること、また、震災以降は復旧復興事業者等への土地の貸付に係る財産収入が増加していること等が挙げられる。受益者負担の水準については、財政運営戦略に基づきながら、その公平性、公正性及び透明性の確保について議論を進めていく。
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