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前年度と比べて、企業立地促進事業等により法人税が増収(昨年対比+55%)したものの、市民税の減収等により若干指数が上がり、類似団体平均と同水準となった。しかし、全国平均を上回る高齢化率(平成30年度末36.0%)は前年とほぼ同水準(平成29年度35.8%)である。今後も税収の徴収率向上対策等に努め、企業誘致施策の実施等により税収増の取組を行う等、財政基盤強化に努める。
経常収支比率は91.3%で類似団体平均を下回っている。今後とも、事務事業の見直しを進めるとともに、すべての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図る。
人件費、物件費等の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を下回っているのは、主に人件費が要因となっている。これは主に長期間にわたり退職者不補充を実施し、職員数が削減されたためである。今後も、行財政改革の取組を通じて人件費の削減や指定管理者制度を活用してコスト削減に努める。
市人口は減少傾向であるため、人口1,000人当たり職員数は、平成30年度において10.16人と類似団体平均より若干高くなっている。今後も退職者不補充を行う等、新規採用者の抑制に努めたい。
実質公債費比率は、12.3%と類似団体平均を上回っている。主な要因としては、前年度から交付税措置のない普通建設事業費に係る市債についても発行したことが挙げられる。近年は老朽化した公共施設の建替等、大型の整備事業が集中しており、今後も公債費の増加が見込まれるため、行財政改革の取組を通じて普通建設事業の見直しを行い、可能な限り公債費負担を軽減する。
将来負担比率は、66.9%と類似団体平均を上回っている。主な要因としては、公営住宅建設事業や公共施設等適正管理推進事業等に係る地方債現在高の増加が挙げられる。近年は老朽化した公共施設の建替等、大型の整備事業が集中しており、今後も地方債の増加が見込まれるため、行財政改革の取組を通じて普通建設事業の見直しを行い、市債の発行においては将来負担を考慮し慎重に行う。
人件費にかかる経常収支比率は、平成29年度においては退職者不補充により職員数は減となったものの給与改定等の影響もあり、人件費が増加し、類似団体平均を上回った。同様に、平成30年度においても、退職者不補充を行っているものの、給与改定及び退職者の増加により退職金が前年度の約80%増となっていることもあり、類似団体平均を上回る水準となった。今後も行財政改革の取組を通じて人件費の削減に努める。
物件費に係る経常収支比率は、平成30年度において8.5%と類似団体平均を大きく下回っている。物件費においては職員数、人件費の抑制に加え、嘱託・臨時職員についても削減も行い、全体として減額となっている。しかし、委託料等、年々増加傾向にある費用もあるため、今後についても安易な業務委託を避け、費用対効果を検証しながら費用の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、平成30年度において12.5%と類似団体平均を大きく上回っており、要因としては、生活保護費が挙げられる。今後も資格審査等の事務を適正に行っていく。
その他に係る経常収支比率は、平成30年度において15.0%と類似団体平均を若干下回っている。国民健康保険特別会計への赤字補填にかかる繰出金等の増額により、前年度より高い水準となっている。今後も、特別会計への繰出金については、繰出基準等に基づいた適正な執行に努める。また、公営企業会計においては独立採算制の原則に立ち返った経営の健全化に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、平成30年度において8.2%と類似団体平均を下回っている。今後も、各種団体や一部事務組合などへの補助金については、補助要綱の交付要件や補助基準などに基づいて適正な執行に努める。
公債費に係る経常収支比率は、平成29年度においては過年度で借り入れた地方債の据置期間の経過による元金の償還開始や終了などにより全体として減額となったこともあり類似団体平均と同水準であった。しかし、平成30年度においては複合文化施設整備事業など大型事業の償還が一部始まったこともあり、償還額の増加により類似団体平均を上回る水準となった。今後も公共施設建設に係る事業費が増加し、それに併せて公債費の増加が見込まれるため、行財政改革の取組を通じて普通建設事業の見直しを行い、公債費の削減に努める。
人件費及び扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているものの、物件費にかかる経常収支比率は類似団体平均を大きく下回っている。公債費以外に係る経常収支比率としては70.4%と類似団体平均を下回っている。
(増減理由)平成30年度は、複合文化施設整備事業や新庁舎整備事業など複数の施設整備事業の財源として「施設等整備基金」を約420百万円取り崩したこと、南海トラフ巨大地震に備えた事業等に「防災加速化基金」を約141百万円取り崩したこと、減債基金を地方債の償還に約130百万円取り崩したことにより、基金全体として605百万円の減となっている。(今後の方針)現在、複合文化施設整備事業や新庁舎整備事業などの大型施設整備が続いており、「施設等整備基金」「塩見文化基金」が減少見込みである。また、住宅耐震対策事業など防災事業も予定されていることから、「防災加速化基金」についても減少見込みである。なお、数年後には大型施設整備に係る地方債償還のピークを迎えることが予想されるため、減債基金についても減少が見込まれることなどから、中長期的にみて基金全体が減少していく見込みである。
(増減理由)平成28~平成29については、基金利子を約2百万円積み立て、財源不足のため200百万円取り崩したことにより、減少している。平成29~平成30については、決算剰余金を40百万円、基金利子を百万円積み立てたことにより増加している。(今後の方針)現在、複合文化施設整備事業や新庁舎整備事業など大型施設整備が続く中、今後においても大幅な財源不足が予想されるため、中長期的にみて減少していく見込みである。
(増減理由)平成28~平成29については、基金利子を約3百万円積み立てたことにより増加している。平成29~平成30については、10百万円を積み立てたが、償還のため140百万円を取り崩したことにより減少している。(今後の方針)現在、複合文化施設整備事業や新庁舎整備事業など大型施設整備が続く中、今後においても大幅な財源不足が予想されるため、中長期的にみて減少していく見込みである。
(基金の使途)「施設等整備基金」:市の施設等の整備に要する財源「防災対策加速化基金」:市の防災対策に関する事業等に要する財源「塩見文化基金」:文化施設整備に要する財源(増減理由)「施設等整備基金」については、平成30年度において基金利子を約2百万円積み立てたが、複合文化施設整備事業や新庁舎整備事業など複数の施設整備事業の財源として約422百万円充当したため、減少している。「防災対策加速化基金」については、平成30年度において基金利子や県の交付金を約62百万円積み立てたが、南海トラフ巨大地震に備えた事業等に約203百万円充当したため、減少している。(今後の方針)短期的には、複合文化施設整備や新庁舎整備等、大型施設整備が複数実施予定であり、また、南海トラフ巨大地震に備えた防災対策事業も予定されていることから、「施設等整備基金」や「塩見文化基金」、「防災対策加速化基金」などが減少傾向にある。中長期的にはふるさと納税を強化することにより「まごころ応援基金」への積立額が増加していく見込みである。
当市では、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、既存施設の有効活用、施設の統合・整理を図り、施設の複合化などによって市民サービスを維持しつつ、施設総量を徐々に縮減するという目標を掲げ、計画に基づいた既存施設の維持、複合化などに取り組んでいる。有形固定資産減価償却率については、上昇傾向にはあるものの、施設の複合化などの完了後には効果が表れてくると考えている。
南海トラフ対策や新庁舎、複合文化施設等の大型施設事業の増加により地方債が増加しているものの、類似団体平均を下回っている。今後も新庁舎の建設などが予定されているため、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに増加傾向である。施設の複合化などによって市民サービスを維持しつつ、施設総量を徐々に縮減するという総合管理計画の目標のもと、市民会館・市民図書館・中央公民館の複合化を進めており、今後建設に係る起債額が増加するため、将来負担が増加するが、公共施設の維持管理に要する経費が減少することが見込まれる。
将来負担比率、実質公債費比率については、類似団体平均を上回っている。防災対策に係る事業等に際し、地方債を発行したことが考えられる。今後も複合文化施設や新庁舎の建設事業を実施するため、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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