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財政基盤が脆弱で地方交付税等の依存財源割合が高い本市においては、人口減少や少子高齢化、また長引く景気低迷等の影響を受け、財政力指数は0.29と全国平均、類似団体平均を大きく下回っている。基幹産業である施設園芸農業の振興やコールセンター等の企業誘致による税収増への取り組みを積極的に行うとともに、市税等徴収体制の強化対策を継続して実施し、自主財源の確保に努める。
経常収支比率は前年度より2.8ポイント悪化して83.8%となっている。分子側では、平成28年1月から開始した小中学校完全給食の平年化に伴う物件費の増や、社会保障関連の繰出金の増などがあるものの、市債発行の抑制と平成19年度から継続して実施している任意繰上償還の効果により公債費が減少したことで、経常経費充当一般財源は減少している。しかしながら、国勢調査人口の減少や公債費の減による普通交付税の大幅減や、地方消費税交付金等各種交付金の減などにより、歳入経常一般財源が対前年174百万円減となったことが、同比率を悪化させる要因となっている。行政サービスの拡充等により、経常経費は年々増加傾向にあることから、今後も市債繰上償還や人件費の抑制など行財政改革の取り組みを通じて義務的経費の削減に努め、現在の水準を維持していく。
行政面積が広く人口規模が小さい上に人口減少も進行していることから、一人当たりの決算額は全国平均、類似団体平均をともに上回っている。平成28年1月から開始した小中学校完全給食の平年化等、行政サービス拡充に伴って物件費が対前年49百万円増となっていることが、一人当たり決算額を押し上げる大きな要因となっている。今後も中長期的な財政推計に基づいた行財政改革に継続して取り組み、歳出抑制に努めていく。
定員管理適正化計画による職員数削減により、平成22年度以降は250名体制で推移しているが、依然として全国平均、類似団体平均を上回っている。今後も同計画に基づき、適正な定員管理に努めていく。
平成2~平成10年頃にかけ、国の景気対策と連動する形で立ち遅れていた多くの生活基盤整備を積極的に実施し多額の市債を発行したことで公債費が増大、平成20年度決算において早期健全化団体となったが、平成15年度から取り組んできた行財政改革の効果により、翌平成21年度決算において同団体を脱却した。以降も実質公債費比率は着実に改善しているが、近年、南海地震対策や大型事業により市債発行額が増大したことで、平成34年度決算で同比率が上昇に転じることが見込まれている。また、今後も喫緊の課題である市庁舎建替えや小中学校移転統合事業などが見込まれており、同比率は16%台まで上昇することが推計されている。今後も繰上償還を継続して実施するとともに、中長期的な財政シミュレーションを踏まえ、同比率の適正かつ安定的な管理に努める。
平成15年度に策定した安芸市緊急財政健全化計画(アクションプラン)に基づく市債発行額の抑制や繰上償還の実施により、市債残高はピーク時の平成14年度末239.5億円から着実に減少し、平成28年度末では130.7億円となっている。また、今後見込まれている大型事業への対応として、施設整備基金への積み立ても継続して行っており、将来負担比率は改善傾向にある。今後も公債費負担適正化計画に基づく適正な市債管理を行い、将来負担の抑制と財政の健全化に取り組んでいく。
退職者の増(7名→9名)による退職手当の増や、事業費支弁分の減等による職員給の増により、人件費全体で対前年度32百万円の増となったことで、人件費の経常収支比率は1.1ポイント上昇した。経常収支比率は類似団体平均とほぼ同水準で推移しており、今後も定員管理適正化計画等により、職員数の適正化と人件費の抑制に努めていく。
物件費については、平成28年1月から開始された小中学校完全給食の平年化等に伴い、経常経費充当一般財源が73百万円増となり、経常収支比率を1.5ポイント押し上げているが、全国平均・類似団体平均との比較では、低水準を維持している。近年、行政全般におけるサービス拡充が進み、電算セキュリティ対策や教育分野などの経常経費が年々増加していることから、今後も歳出抑制に向けた取り組みを継続して実施していく。
年金生活者等臨時福祉給付金や幼稚園施設型給付費の増により、扶助費全体では対前年度91百万円の増となり、扶助費に対する経常一般財源は対前年度で8百万円増加し、経常収支比率は0.5ポイント上昇している。長引く景気低迷や雇用情勢の不安定感から、今後も扶助費の増加が見込まれており、引き続き医療費の適正化や就労支援による生活保護費の抑制等を図る。
その他の経常収支比率は、類似団体平均とほぼ同水準となっているが、国民健康保険事業特別会計や介護保険事業等への繰出金に対する経常一般財源が対前年度49百万円増となり、同比率を悪化させる要因となっている。
全国平均・類似団体平均と比較して低い水準を維持している。アクションプランに基づく行財政改革の一環として補助金の適正化に努めてきた他、定期的に補助金検討委員会を行い(直近では平成29年開催)、補助団体の決算状況をチェックするなど、継続した取り組みを行っている。
平成2~平成10年頃にかけ、国の景気対策と連動する形で立ち遅れていた多くの生活基盤整備を積極的に実施し多額の市債を発行したことで公債費が増大したが、平成15年度から取り組んできたアクションプランの効果により、公債費は着実に減少し、類似団体平均とほぼ同水準となった。今後も新規発行債の抑制と繰上償還の継続により、公債費の適正な管理に努める。
人件費、扶助費、物件費、繰出金に対する経常一般財源が増大し、比率を上昇させている。しかしながら、類似団体平均・全国平均を大きく下回っており、今後も緊縮財政を堅持して経常経費の抑制に努める。
実質公債費比率及び将来負担比率は、近年、類似団体と比較して共に高い水準で推移してきたが、平成15年度から継続して取り組んでいる市債発行額の抑制や任意繰上償還など行財政改革の効果により、両比率は改善傾向にある。しかしながら、今後の大型事業として、市庁舎建替えや小中学校移転統合事業が見込まれており、両比率の悪化が危惧されることから、これまで以上に市債発行額及び公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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