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歳入の根幹である市民税や固定資産税など安定した財源が確保されており、とりわけ県下有数の湖南工業団地などの優良企業が、法人市民税や固定資産税の歳入を支えていることが、類似団体に比して財政力指数が高い水準で推移している要因である。しかし、近年は社会保障関連経費の増加により低下傾向であるため、今後も課税客体の的確な把握や徴収強化等により、税収の確保に努める。
合併以降両町の均衡ある発展に資する事業および義務教育施設の耐震化事業等を積極的に実施してきたことによる公債費の増、障害福祉サービスや高齢福祉サービス利用の増加による扶助費の増など、社会保障関連経費をはじめとする経常的支出額が増加し比率が高い水準にあったが、令和元年度は普通交付税および臨時財政対策債の増による経常一般財源の増や、経費節減の効果により前年度より少し高い数値となった。長期財政計画では最終年度である令和9年度決算まで90.7%以下を期間中の目標に定めているため、今後も現在の水準の維持に努める。
人口1人当たりの金額が類似団体平均と比較し低くなっている要因として、ごみ処理業務や消防業務などを一部事務組合で行っていることが挙げられる。長期財政計画の最終年度である令和9年度決算まで128,000円以下を期間中の目標に定めているため、事務事業の見直しや、公共施設等総合管理計画に基づく施設ごとの個別管理計画を策定し総量縮減を行い、現在の水準の維持に努める。
退職や国の年齢階層人員が多い階層での異動が多かったことにより、職員分布が変動した。国の水準を下回っているが、類似団体平均より上回る99.7となっている。引き続き、年齢階層など職員構成の適正化を図り、また、職員育成人事考課反映などにより、国の水準以下となるよう努めていく。
平成26年度まで指定管理制度の導入や定年退職者の不補充により職員数の削減に努め、平成27年4月に策定した定員管理計画では6年間で15名の職員削減を目標とし職員数の調整を行ってきた。また、令和2年度より公立保育園の一部を民営化したことにより保育職を退職不補充としたことから目標値を達成し、類似団体の平均値以下まで削減することとなった。今後は現職員数を維持する方針である。
合併以降両町の均衡ある発展に資する事業および懸案事項であった義務教育施設の耐震化事業等を積極的に実施してきたことによる起債の償還により、比率は類似団体を上回っている。今後実施する投資的事業においては、後年に過度の負担とならないよう費用対効果、事業手法等を再検討し、基金などの財源を確保しつつ、起債に依存しない手法により事業を実施することで比率の改善に努める。
合併以降、義務教育施設の耐震化をはじめとする大型投資事業の財源を地方債に依存してきたことから、一般会計地方債残高が増加し、類似団体平均を大幅に上回っていたが、財政調整基金や庁舎整備基金等の積み立てによる充当可能基金の増加や、下水道事業会計において地方債元金残高が減少したこと等により公営企業等に対する繰入見込額が改善されたため、全体として比率が減少した。今後においては石部駅周辺整備事業等の比率に大きく影響を及ぼす大きな事業も控えていることから、実施事業の平準化を図り財政の健全化に努める。
職員の削減や、ワークライフバランスの実現のため時間外勤務の削減等に取り組んだことにより、類似団体の平均値を下回った。しかし、住民サービスの水準を保つには、これ以上の職員削減は難しいため、今後は時間外勤務の削減や職員構成の平準化に加えて、RPAやAIの導入を図るなどし人件費の抑制に努める。
固定資産税評価替委託やプレミアム付き商品券事業、石部駅周辺整備に係る委託料の増加などにより、類似団体と比較して高い比率となっていたが、合併特例債を活用して積み立てた振興基金を一部繰り入れて充当したことにより、比率が低下することとなった。
類似団体の平均値を下回っているものの毎年増加傾向であり、私立保育園等の施設型給付費や障がい福祉事業においては顕著な伸びを示している。また、湖南市特有の人口構成により急激に高齢化率が上昇することから、扶助費については今後も増加することが見込まれるため市単独事業の見直しを行い、事業の重点化に努める。
類似団体と比較して低い比率となっている要因としては、他会計への繰出金において、介護保険特別会計および後期高齢者医療特別会計への繰出金は増加しているが、平成28年度から下水道事業会計が企業会計へ移行したことにより、繰出金で支出していた一部が補助金および負担金での支出になったためと考える。今後も、受益者負担の原則による料金改定などにより適正な一般会計からの繰出を原則とし比率の改善に努める。
甲賀病院組合負担金の見直しによる減はあるものの、下水道事業会計への負担金の増や甲賀広域行政組合の車両更新に伴う増などにより比率は増加し、また類似団体と比較しても高い比率となっている。一部事務組合の事業内容の精査などによる負担金の適正化を図ることや、市単独補助金の必要性を精査し縮減に努める。
平成16年の合併以降、義務教育施設の耐震化事業をはじめとする大型投資事業を実施してきたことに加え、臨時財政対策債の償還が増加していることにより、類似団体平均を上回っている。今後は石部駅周辺整備事業や市内橋りょう改修整備など地方債に依存する事業を進めていくことから、他の事業との年度間調整、事業規模の見直し、また基金などの活用等により、後年に過度の負担とならないよう調整を行い平準化に努める。
合併特例債を活用して積み立てた振興基金を、繰り入れて充当したことにより類似団体の平均値を大きく下回ることとなった。しかし、一部事務組合への負担金や補助交付金が多額であることに加え、社会保障関連経費の増加が見込まれるため、今後も、事業内容の精査などによる負担金の適正化を図ることや、市単独事業の必要性を精査し縮減に努める。
(増減理由)地方創生推進関連事業および市民の連携の強化、地域振興を図る事業の財源とするため振興基金を341百万円取り崩した一方、決算剰余金等を財政調整基金に65百万円積み立て、庁舎整備事業の財源とするために庁舎整備基金に220百万円積み立てたこと等により基金全体として15百万円の減となった。(今後の方針)施設整備が予定されている事業においては単年度に負担がかからないよう、計画的に積立てを行っていく。
(増減理由)決算剰余金を積み立てたことに加え、令和元年度は普通交付税が増加したことにより、取り崩しを回避することができたため増加した。(今後の方針)財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%確保を目標とし取り組むこととしている。
(増減理由)積み立ておよび取り崩しを行っていないため、同額で推移している(今後の方針)石部駅周辺整備事業などの財源を地方債に依存する事業が控えており、今後公債費の増が見込まれることから、計画的に積み立てるよう努める。
(基金の使途)振興基金:市民の連携の強化および地域振興を図るための施策の推進。庁舎整備基金:庁舎整備に必要となる財源公共公益施設等整備基金:保健衛生施設、教育施設、文化施設、環境衛生施設等の設置および施設の整備。(増減理由)振興基金:地方創生推進関連事業および市民の連携の強化、地域振興を図る事業の財源とするため341百万円取り崩したことによる減少。庁舎整備基金:庁舎整備事業の財源とするために220百万円積み立てたことによる増加。公共公益施設等整備基金:今後予定している甲賀広域行政組合衛生センターごみ処理施設整備の財源とするため83百万円積み立てたことによる増加。(今後の方針)減債基金:元利償還金の平準化を図るため減債基金を積立予定公共公益施設等整備基金:令和3より甲賀広域行政組合衛生センターごみ処理施設整備の財源として活用予定
有形固定資産減価償却率は、類似団体より高い水準にある。これは、昭和50年~60年代に建設又は整備された施設等が多くあり、そのような施設等の老朽化が進んでいるためである。今後、公共施設については、公共施設等総合管理計画で廃止又は統廃合の方向性を示している施設についての個別施設計画に沿って、施設の総量削減に向けた取り組みを進めていく。
債務償還比率は、類似団体より高い水準にある。これは近年、甲西中学校・石部小学校・学校給食センター・浄苑・市民産業交流促進施設などの大型施設の建替えや新設をおこなったことにより、地方債の発行額が多くなったことが原因だと考えられる。ただ、前年数値と比較すると地方債現在高の減少や振興基金の取り崩しを行った財政運営であったため、比率が小さくなった。今後は、公共施設等総合管理計画で示した方向性に基づいた個別施設計画に沿って、施設の総量削減に取り組む。
有形固定資産減価償却率については、類似団体より高い水準となっており、これは、昭和50年~60年代に建設又は整備された施設等が多くあり、そのような施設等の老朽化が進んでいることが要因であると考えられる。公共施設については、公共施設等総合管理計画で廃止又は統廃合の対象となっている施設を先行して個別施設計画を策定し、施設の総量削減に向けた取り組みを進めている。また、将来負担比率については、地方債現在高の減少や振興基金の取り崩しを行った財政運営であったため、大幅に改善したように見えるが、類似団体より依然高い水準となっており厳しい財政状況に変わりなく、引き続き公共施設等総合管理計画に基づき、施設の総量削減に取り組むことで地方債の発行を抑制し、将来負担比率及び有形固定資産減価償却率を抑制していく。
将来負担比率及び実質公債費比率ともに類似団体より高い水準となっており、将来負担比率については、投資的事業の財源を地方債に依存していることに加え、財政調整基金等の充当可能基金が少ないことが要因であると考えられる。また、実質公債費比率は、近年減少傾向にあるものの、前年数値と比較すると公営企業債の元利償還金に対する繰入金が増加したため若干上昇することとなった。今後、公共事業で発行した地方債の償還が始まることもあり、数値が上昇することが十分考えられるため、これまで以上に公債費の適正化に取り組む必要がある。
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