松崎町
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松崎町
地方公営企業の一覧
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農業集落排水施設
収集されたデータの年度
2023年度
2022年度
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2017年度
2016年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2023年度)
財政力
財政力指数の分析欄
前年度の0.27から0.01低下し0.26となり、減少傾向が続いている。人口減少、少子高齢化(令和5年度末高齢化率50.7%、+0.8%)に加え、主要産業の観光業の低迷、土地価格の下落などが続き、町税等自主財源に乏しく、地方交付税や国県支出金に大きく依存していることから類似団体内平均値を大きく下回っている。限られた財源を有効活用しながら、町税等の自主財源の確保に努め、財政基盤強化を図っていく。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
前年度の83.8%から2.5%増加し、86.3%となった。分子の経常経費充当一般財源は人件費、維持補修費等の減少があったものの、物価高騰の影響により光熱水費、委託料等の物件費や一部事務組合負担金等の補助費等の増加により、前年度比33百万円増加し、分母の経常一般財源収入は地方交付税等の減少により、前年度比23百万円減少したことが要因である。人口減少による税収の減、保険事業への繰出金の増等、比率上昇の要因は多分にあるため、財政構造の硬直化が懸念される。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
令和4年8月豪雨災害関連による維持補修費は減少しているものの、人件費及び焼却施設等の光熱水費、焼却施設清掃点検、観光施設指定管理等の委託料、電算関連使用料など物件費が増加し、年々の人口減少と合わせ人口1人当たり人件費・物件費等決算額は前年度比20,749円増の283,658円となった。類似団体内平均値を下回っているが、引き続き、適正かつ計画的な対応により、人件費、物件費等の適正化を図っていく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
ラスパイレス指数は前年度比1.9減、類似団体内平均値より0.4上回っている。定員管理計画(計画期間:平成17年度~平成21年度)において職員削減を実施したが組織編成の改革まで進まず、係長職への昇給が早まっていること等によるものと考えられる。今後も給与を含め組織全体の適正化に努めていく。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
人口の減少数が大きい状況であるが、職員数も減少しており、1,000人当たりの職員数は減少している。そのため、類似団体内平均値には届いていない状況である。職員採用においては新卒採用だけではなく、中途採用の随時募集などを実施し、職員確保に努めているが、中途退職等により想定どおりの職員の確保ができていない。今後においても少しでも定員管理計画数に達するよう人員確保に努めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
実質公債比率は5.3%と類似団体内平均値を大きく下回っているものの、前年度比0.4%上昇した。一般会計分は減少するものの、公営企業や組合等の地方債に対する負担分の増加により前年度比11百万円となり、普通交付税等の減少により充当財源が前年度比20百万円減となったことが要因である。今後も学校給食共同調理場建設工事や一部事務組合により広域ごみ処理施設建設事業等大型起債事業が予定されているため、計画的な財政運営を図っていく必要がある。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
一般会計においては、令和5年度に令和4年8月豪雨災害による災害復旧債や学校給食共同調理場実施設計委託にかかる過疎対策事業債等で新たに82百万円を借入れたが、地方債残高は前年度比259百万円減となった。財政調整基金を始めとする充当可能基金残高は198百万円減、基準財政需要額算入見込額も178百万円減となり、充当可能財源も大きく減少したが、前年度同様、数値のマイナスは維持されている。当町の財政規模を考慮すると、数億円規模の事業実施(起債)により、数値が悪化する懸念があり、引き続き適正な財政運営を図っていく必要がある。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費は、定員管理計画より少ない状況が続いている中、職員数の減(前年度比-1人)などにより前年度比5百万円減となったが、割合としては0.2%増の21.4%となった。今後も引き続き、事務の効率化、見直しを図りながら税収や財政規模に合わせた適正な定員管理に努める。
物件費
物件費の分析欄
物件費は前年度比60百万円増、割合として2.6%増となった結果、20.2%となり、以前として類似団体内平均値を上回っている。増加の要因は物価高騰の影響による焼却施設の清掃点検費、光熱水費や電算関連の使用料等の増加によるものである。今後も、物価高騰の影響により、委託費や光熱水費、燃料費などの増加が見込まれるため、各経費に注視しつつ、適正な行政運営に取り組んでいく。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費は前年度比5百万円減、割合として0.1%減となった。その要因は児童手当、こども医療費助成、重度障害者(児)医療費が減少したことによる。高齢化率は0.8%増の50.7%となり、今後も人口減少と合わせ高齢者の人口も減少するが、高齢化率は増加が見込まれるため、事業の運営に当たっては、受益者負担も含め精査に努める。
その他
その他の分析欄
維持修繕費や繰出金等は前年度比29百万円減、割合は1.0%減の14.2%となった。要因は、介護保険や後期高齢者医療特別会計への繰出金は前年度比4百万円増加したものの、道路や河川の修繕等維持管理費が前年度比30百万円減少したことによる。介護保険事業などは高齢化率の上昇に伴う給付費、事業費等の繰出金負担、また老朽施設等の維持管理費の増加は重要な課題であるため、各事業に対応した財政運営が必要である。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等は前年度比16百万円増、割合は0.8%増となったが、前年度同様に類似団体内平均値を下回っている。広域ごみ処理施設建設を1市3町により進める南伊豆地域清掃施設組合負担金や下田地区消防組合負担金、社会福祉協議会運営費補助金が増加したことが要因である。補助事業の積極的な活用を促すことが、各施策の振興・対策強化につながるため、既存事業の見直しに取り組んでいく。
公債費
公債費の分析欄
公債費は前年度比4百万円減の348百万円となり、割合は13.3%と同様で、類似団体内平均値を下回っている。令和元年度起債の旧依田邸温泉施設整備改修事業等にかかる過疎対策事業債等の元金償還が始まったが、平成14年度起債の松崎港湾改修事業にかかる一般公共事業債等の償還終了分が上回ることで公債費が減少している。しかし、類似団体内平均値を下回っているものの、今後も学校給食共同調理場建設事業等の大型事業が予定されていることから、今後、公債費の増加が見込まれる。引き続き計画的な財政運営を図っていく必要がある。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外の一般財源等にかかる経常経費の総額は1,903百万円で前年度比37百万円増となり、割合は2.5%増により類似団体内平均値を上回ることとなった。令和5年度においては、扶助費、維持補修費等その他では減少しているが、人件費、物件費、補助費等が増えており、物件費等は物価高騰の影響により、今後も増加が見込まれる。また、類似団体内平均値を上回っており、今後の変動に注視していく必要がある。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
労働費、前年度繰上充当金を除く12項目の中、8項目で住民一人当たりのコストが前年度より増加している。昨年度発生の災害に伴う災害復旧費は類似団体内平均値を下回ったが、商工費、消防費が引き続き上回る結果となった。地域活性化企業人の受入れ、地域おこし協力隊の増員による総務費、自立支援給付費や介護保険、後期高齢者医療特別会計への繰出金等の事業費増による民生費、焼却施設の光熱水費、清掃点検委託等の事業費増による衛生費、学校給食共同調理場実施設計、小学校受水槽等更新工事等の実施による教育費が大きく増加している。一方、臨時交付金を活用したプレミアム商品券事業等の事業費減による商工費が大きく減少した。実施事業の精査により歳出の削減に取組んでいるものの、人口減少が進む中、住民一人当たりのコストは上昇傾向にあるため、今後実施予定の大型事業の学校給食共同調理場建設(教育費)、一部事務組合による広域ごみ処理施設建設事業負担金(衛生費)、火葬場建設事業負担金(衛生費)及びその事業に充当する地方債の公債費等の増加、老朽化する公共施設の改修費(総務費・土木費等)の増加等、いずれの事業も財政状況を注視しながら進めていく必要がある。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
令和5年度決算では、人件費、物件費、扶助費、普通建設事業費、公債費、積立金、投資及び出資金、繰出金の8項目で住民一人当たりコスト及び決算額で前年度比増となった。焼却施設清掃点検委託、電算関連使用料など物件費、自立支援給付費、保育所実施委託、物価高騰支援給付金など扶助費や焼却施設ろ布交換工事、小学校受水槽等更新工事等の普通建設事業費が大きく増加した。また昨年度発生の災害に伴う維持補修費、災害復旧事業費は類似団体内平均値を下回ったものの、焼却施設の光熱水費、清掃点検委託や電算関連使用料の増加により物件費が全項目中唯一、類似団体内平均値を上回る結果となった。人口については、令和4年1月1日から令和5年1月1日が-180人、更に令和6年1月1日が-147人と減少傾向に歯止めがかからない状況である。今後も各項目において住民一人当たりコストの増加が見込まれる。扶助費においては、国施策の給付金事業を除く自立支援給付費や保育所実施委託などでも増加しており、今後も増加が見込まれる。また、学校給食共同調理場建設や一部事務組合での広域ごみ処理施設建設事業、火葬場建設事業の大型起債事業が予定されており、後年度では借入れた地方債償還による公債費等の増加も見込まれることから、各項目の数値の推移に注視しながら、引き続き計画的な財政運営を図っていく必要がある。
実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)
分析欄
令和5年度末の財政調整基金残高は、120百万円減の1,254百万円となった。今後も減収補てん財源の確保、災害等の突発的な支出への備えを目的に積立をしていく予定であるが、標準財政規模に対して過度な残高にならないよう、その他特定目的基金とバランスを確認しながら、適正な基金管理を行っていく。実質収支額比率は、実質収支の15百万円増、標準財政規模額が27百万円減となったことで、前年度比0.62%増の5.79%となった。実質単年度収支比率がマイナス値となった要因は、地方交付税の減などにより基金繰入額が増加したことで取崩額が積立額を上回ったためである。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)
分析欄
全会計とも前年度同様に資金不足は生じていない。令和5年度では、温泉事業会計において継続して利益を計上してきたが、貸倒損失等の計上により3百万円の損失(赤字)となった。しかし、他会計からの貸付金償還収入があること等により、安定した事業運営ができている。水道事業会計でおいては、人口減少や主要産業の観光業の低迷というマイナス要因に合わせ、令和4年8月に豪雨災害に見舞われたが、一般会計からの繰入金によって収支の均衡(赤字額なし)が保たれており、また今後も施設の老朽化による更新整備が予定されているため、経営戦略を改定し、計画的な経営改善に取組んでいる。伊豆まつざき荘事業会計では、平成30年度から損失(赤字)となっていたが、令和5年度は12百万円の利益となっている。新型コロナウイルス感染症の影響により集客減少から回復傾向だが、引き続き計画的な経営改善が求められる。公営企業会計事業における各会計の健全性を保つよう、引き続き収支改善に取り組む。
実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)
分析欄
実質公債費比率の分子構造において大きく影響するのは、元利償還金及び算入公債費等の増減である。令和5年度も繰上償還等の特別事由はないが、旧依田邸温泉施設整備改修事業等の過疎対策事業債、令和元年度の台風災害にかかる町道江奈門野線災害復旧工事などの災害復旧債を含む7件について元金償還が始まった。一方、令和4年度末で平成14年度松崎港湾改修事業における一般公共事業債を含む6件の償還終了したことにより、一般会計の元利償還金は前年度比3百万円減の348百万円、災害関連による水道事業会計への公営企業債の元利償還金に対する繰入金が6百万円増の19百万円となり、算入公債費等が臨時財政対策債の減など7百万円減の259百万円となった結果、分子の額が11百万円増となった。次年度以降も学校給食共同調理場整備事業など大型事業が計画さてれいるため、後年の公債費の増が見込まれることにより、引き続き適正かつ計画的な財政運営を図っていく。
分析欄:減債基金
満期一括償還地方債は利用していません。
将来負担比率(分子)の構造(2023年度)
分析欄
将来負担比率の分子構造において大きく影響するのは、地方債現在高と基金や基準財政需要額算入見込額の充当可能財源等の増減である。令和5年度は令和4年8月の豪雨災害による繰越事業の災害復旧工事や学校給食共同調理場実施設計業務委託を実施したことで、新たに82百万円を借入れた一方で、借入地方債を341百万円償還したことにより地方残高は259百万円減少した。また、充当可能基金が198百万円、臨時財政対策費償還費等公債費の基準財政需要額算入見込額が178百万円減少したことで、将来負担比率の分子は+119百万円となったが、引き続きマイナスの数値で推移している。次年度以降も大型起債事業となる学校給食共同調理場整備事業や一部事務組合による広域ごみ処理施設建設事業、火葬場建設事業が控えているため、適切な地方債を選択、基金残高管理を適正に行い、将来負担比率の分子が低い数値で推移していくような財政運営をしていく。
基金残高に係る経年分析(2023年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)令和5年度末基金残高は、前年度比199百万円減の2,037百万円となった。増減の内訳は、財政調整基金については地方交付税の減(前年度比80百万円減)や臨時財政対策債の減(前年度比16百万円減)等による不足財源への充当により200百万円を、その他特定目的基金が町道・農道整備や観光施設整備改修の財源として松崎町公共施設整備基金や小学校・中学校・共同調理場の教育関連施設整備の財源として松崎町文教施設整備基金等合計116百万円を取崩した。一方で将来の支出の備えとして財政調整基金を80百万円、その他特定目的基金を37百万円積み立てた。なお、令和5年度における松崎町ふるさと応援基金への積立額は22百万円(前年度比+2百万円増)であった。(今後の方針)財政調整基金については、地方財政法第7条により規定された金額を確保しつつ、突発的な支出に対応するために現在の基金残高を維持するように決算状況を確認しながら積み立てを行っていく。その他の特定目的基金については、公共施設の改修及び更新経費の財源とするため、松崎町公共施設整備基金や松崎町文教施設整備基金を中心に決算状況を確認しながら積み立てを行っていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)財源不足への充当による取崩額は、前年度比40百万円増の200百万円とした一方、80百万円を積み立てたことにより、令和5年度末基金残高は120百万円減の1,254百万円となった。(今後の方針)人口減少、高齢化、主要産業の観光業など地域経済の低迷の理由により自主財源の確保が厳しい状況下における行政サービスの維持、大規模災害など突発的な支出に対応するため、決算の状況を確認しながら現状の基金残高を維持していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)基金残高なし(今後の方針)現在のところ、新たな積み立て予定なし。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)①松崎町公共施設整備基金・・・公共施設全般を整備、改修する財源②松崎町文教施設整備基金・・・教育関連施設(幼稚園・小学校・中学校・共同調理場等)を整備する財源③松崎町ふるさと応援基金・・・寄付申し込み時において選択された6項目のまちづくり事業の財源④松崎町地域福祉基金・・・福祉のまちづくりを推進する事業費の財源⑤松崎町立小学校教育振興基金・・・小学校児童の教育振興を図るための財源(増減理由)①松崎町公共施設整備基金・・・町道・農道整備や観光施設整備改修等へ充当-21百万円②松崎町文教施設整備基金・・・小学校・中学校・共同調理場の教育関連施設整備へ充当-54百万円③松崎町ふるさと応援基金・・・令和3年度寄付分をまちづくり事業へ充当-22百万円、令和5年度寄付分を積立て+29百万円④松崎町地域福祉基金・・・保育園建設事業費補助金へ充当-5百万円⑤松崎町立小学校教育振興基金・・・増減なし(今後の方針)①松崎町公共施設整備基金・・・今後の公共施設改修整備事業等への財源確保のため、決算状況を確認しながら現状の基金残高を維持していく。②松崎町文教施設整備基金・・・教育関連施設(幼稚園・小学校・中学校・共同調理場等)の改修整備事業費等の財源として確保していく。③松崎町ふるさと応援基金・・・寄付者の希望に沿った使途への充当。(寄付年度の翌々年度の事業費へ充当。)④松崎町地域福祉基金・・・保育園建設事業費補助金へ充当。(現時点では、新たな積み立てはしない。)⑤松崎町立小学校教育振興基金・・・小学校児童への教育振興の財源として確保していく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率については、類似団体内平均値よりもやや上回る結果となっている。現状保有資産については、経年による老朽化が進んでいる。特に庁舎、学校施設、消防施設で進んでいる。施設の状況や財政状況を検討し、計画的に資産管理をしていく必要がある。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
借入額より借入償還額が多かったため、地方債残高は低下した。しかし、充当可能財源である財政調整基金の減少、基準財政需要額算入見込額の低下によって比率が上昇した。今後は、学校給食共同調理場建設事業などの大型起債事業を予定していること、人口減少による税収の低下等、数値の上昇要因があるため、数値の変動に注視し、適切な財政運営に努める。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担に対する財源確保に努めていることから、将来負担比率は算定されていないが、有形固定資産減価償却率については、施設の老朽化等の影響で上昇している。今後は、各資産の更新に伴う地方債の増加により、将来負担比率の上昇が見込まれるため、適正な資産管理・財政運営を進めていく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率については、類似団体内平均値を下回っているものの、近年上昇傾向にある。当町の財政規模を考慮すると、数億円規模の起債事業実施により数値が悪化する懸念がある。今後、学校給食共同調理場建設事業などの大型起債事業を予定しており、その償還による公債費の増加が想定されることから財政状況を注視し、計画的な財政運営を図っていく必要がある。
施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
交通インフラ(道路・橋りょう・トンネル)においては、毎年、改修箇所を点検結果から選定し、補修工事等を実施している。有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値とほぼ同数値となっているが、各数値とも60%を超え、上昇が続いているため、引き続き長寿命化を柱とした維持管理を推進していく必要がある。道路について、当町は人口密度が低いため、一人あたり延長の数値が全国平均や類似団体内平均より高くなっている。幼稚園については、新園舎を平成28年に建築し、平成29年度より利用していることが要因で、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を下回っていると考えられる。一人あたり面積は類似団体内平均と比べて低くなっているが、利用状況から見て充足していると考える。学校施設、児童館においては、類似団体内平均値及び県平均を大きく上回る結果となっているので、施設の状況や財政状況を検討し、適切な資産管理を行っていく必要がある。公営住宅については、経年による老朽化が進んできているため、入居者等の状況を踏まえながら、適切な維持管理を行っていく必要がある。一人あたり面積は類似団体内平均と比べて低くなっているが、入居状況から見て充足していると考える。
施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
各施設の有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値よりも上回る数値となっている。体育館・プール、一般廃棄物処理施設、福祉施設については、有形固定資産減価償却率が70%~80%前後となっており、老朽化により有形固定資産減価償却率が高くなっている。庁舎と消防施設の有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値を高く上回る数値となっている。庁舎については、町有資産の中でも大規模な施設であり、その更新・維持管理については、町財政にとって大きな負担となることから慎重な管理計画が必要となっている。消防施設や図書館においても施設の状況や財政状況を検討し、適切な管理を行っていく必要がある。図書館の一人あたり面積は類似団体内平均と比べて低くなっているが、利用状況から見て充足していると考える。また、福祉施設や庁舎においても一人あたり面積が類似団体内平均と比べて低くなっているが、人口規模から見て妥当であると考える。
財務書類に関する情報①(2021年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等は事業用資産が259百万円減少し、インフラ資産が55百万円減少したことなどが要因で資産総額が102百万円減少(-0.7%)した。これは、道路・橋梁・河川等の整備により有形固定資産が増加になったが、保有資産である事業用建物やインフラ工作物についての減価償却額が増加したこと等により資産取得額を大きく上回ったことが主な要因であると考えられる。全体会計については、負債合計が前年度から254百万円減少している。水道事業会計における企業債償還が進んでいることが主な要因である。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等において、経常費用は3,668百万円となり前年度比514百万円の減少となった。主な要因として、移転費用の補助金等の547百万円の減少が挙げられる。移転費用等の補助金等の減少についての主な要因として特別定額給付金の影響が挙げられる。人口減少及び少子高齢化が進む状況下で、引き続き業務コスト削減(人件費・物件費等)に基づく行政運営を迫られることになるが、行政サービスの質の低下を招くような事態にならないよう、削減による計画と並行して自主財源の確保について検討を継続していかなければならない。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等国県等補助金の財源(3,641百万円)が、純行政コスト(3,547百万円)を上回り、本年度差額が94百万円となった。財源については、国庫支出金の減少等が主な要因として、前年度より434百万円減少となっている。また純行政コストについても、移転費用の補助金等の減少等が主な要因として前年度より555百万円減少している。前年度から大きく変動があったのは、全体会計に含まれる介護保険特別会計で、変動額は45百万円となっている、税収等の財源(1,039百万円)が、純行政コスト(993百万円)を上回り、本年度差額が45百万円となった。介護保険特別会計では、今年度税収等財源の内、主に国県等補助金が増加したことにより変動額が大きくなっている。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等において業務活動収支は585百万円となり前年度と比較し128百万円の増となった。業務支出は3,156百万円となり前年度より499百万円減少している。減少している主な要因として移転費用支出内の補助金等支出が減少したことが挙げられる。また、業務収入は3,741百万円となり前年度より372百万円減少している。減少している主な要因として国県等補助金収入が減少したことが挙げられる。財務活動収支においては、令和3年度については保健体育施設整備事業や観光施設整備事業等を実施し、地方債発行なども行っているが、地方債償還支出が多かったため、財務活動支出が上回っている。次年度以降も財務活動収支の増加を伴う大型起債事業が予定されているため各活動収支のバランスを注視していかなければならない。
財務書類に関する情報②(2021年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たりの資産額は、類似団体より低いが前年度と比較すると変化は少ない。資産自体に大きな変動はないが、減価償却による資産額の減少率(前年度比-0.7%)に対して人口の減少率(前年度比-2.4%)が上回ったため住民一人当たりの資産額は、3.8万円増加したと考えられる。歳入額対資産比率について前年度と数値が大きく変動している理由として、国県等補助金収入が前年度より640百万円減少したことにより分母である歳入総額に影響がでたことが要因と考えられる。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体と同程度であるが、今後予定されている大型事業に係る地方債の新規発行額の増加が見込まれる。将来負担比率については、類似団体より低く推移している。既存の公共施設については全体的に老朽化が進んでいることから、既存施設の統廃合・長寿命化などを含めた施設の適正配置・管理が求められている。少子化における将来世代の一人あたりの負担が大きくならないよう慎重に施策を実施していく必要がある。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たりの行政コストは、類似団体と比較しても低くなってはいるが、今後は人口減少に加え高齢化率の上昇(令和3年度末49.5%)が、経常経費に占める社会保障給付費の割合や、後期高齢者医療会計、介護保険会計への繰出金等を増加させていくことが予測される。県内で最も人口が少ない町ではあるが、行政コスト(人件費・物件費等)削減・町税等自主財源の確保に努めながら、行政サービスの質を維持した行政運営をしていく。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
住民一人当たりの負債額は、類似団体より低くなっている。負債額の増加率(前年度比-4.8%)に対して人口の減少率(前年度比-2.4%)が下回ったため住民一人当たりの負債額が1.6万円減少したと考えられる。自主財源比率が低い中で、公共施設の再整備を進めるには財源を地方債に頼らざる得ない状況であり、その償還金(公債費の増)による負債額の増加が見込まれている。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体と比較して低くなっている。また本年度受益者負担率が前年度比1.3%となっている。類似団体平均値を下回る状況が続いているため、適切な受益者負担を求める必要がある。
類似団体【223051_17_5_000】