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地方財政ダッシュボード

静岡県松崎町の財政状況(2020年度)

🏠松崎町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 農業集落排水 漁業集落排水 伊豆まつざき荘


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

前年度同様の0.30となったが、年々減少傾向にある。人口減少や主要産業である観光業の低迷により、町税等の自主財源が乏しく、地方交付税や国県支出金の大きく依存していることから、類似団体平均値から大きく下回っている。限られた財源を有効活用しながら、町税等の自主財源に努め、財政基盤強化を図っていく。

経常収支比率の分析欄

前年度の86.1か%から3.0%減少となった。人件費(前年度比15百万円減)や補助費等(前年度比12百万円減)などで前年度比減となったが、大型起債の元金償還開始に伴う公債費増(前年度比34百万円)や保険事業への繰出金(前年度比9百万円)が増となっている。また、新型コロナ関連により、地方創生臨時交付金などの影響などが要因で、年々上昇していたものが減少となった。人口減少による税収の減、保険事業等への繰出金の増等、比率上昇の要因は多分にあるため、財政構造の硬直化が懸念される。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、副町長の不在期間が継続していることや定員管理計画(計画期間:平成17年度~平成21年度)において20人(18.3%)の削減を実施し、定員維持を継続しており、前年度比職員数を抑制していることから、前年度比15百万円の減となった。物件費は職員数を抑えた中で、各分野における委託料の増や公共施設の修繕や河川等の災害応急対策などが増加しており、全体としては、類似団体内平均値を下回った。引き続き、適正かつ計画的な対応により、人件費、物件費等の適正化を図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は、前年度比0.6増、類似団体内平均値より1.7上回っている。理由としては、高卒・短大卒の初任給の設定が高い時期があったこと、また、定数管理計画において職員削減を実施したものの、組織編成の改革まで進まず、昇任が早まったこと等によるものと考えられる。今後、給与を含め組織全体の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

職員数に変更はないが、人口減少により1,000人当たり職員数は増えている。しかしながら、類似団体内平均値と比較すると少なく、職員採用における応募者の減少、中途退職等により退職者の補充ができていない状態である。近年は災害対応や感染症対策など突発的な事務量の増加もあることから、定員管理計画にそった人員確保に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は4.1%と類似団体内平均を大きく下回っているものの、前年度比0.4%上昇した。標準税収入額や普通交付税等の償還財源が前年度比142百万円増えたが、公債費支出も前年度比34百万円増となったことが要因である。同報無線デジタル化整備事業実施により緊防債の元金償還が、令和3年度に19百万円、令和4年度に11百万円等が始まることから、公債費の増加による数値の悪化が懸念されるため、今後予定されている大型起債事業において、計画的な財政運営を図っていく必要がある。

将来負担比率の分析欄

一般会計においては、令和2年度に橋梁耐震補強工事や公共施設改修事業等で新たに151百万円を借入れたが、地方債残高は前年度比181百万円減となった。財政調整基金をはじめとする充当可能基金残高が31百万円増となり前年度同様、数値のマイナスは維持されている。当町の財政規模を考慮すると、数億円規模の事業実施(起債)により、数値が悪化する懸念があり、引き続き適正な財政運営を図っていく必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

人件費は、定員管理計画(計画期間:平成17年度~平成21年度20人18.3%減)の実施以降、現在も職員数を抑えた状況を維持(前年度比増減なし)していることによる職員数の抑制や副町長不在による特別職給の減等により、前年度比15百万円減、割合として1.8%減となった。今後も引き続き適正な定員管理に努める。

物件費の分析欄

物件費は、前年度比23百万円増、割合としては0.1%上昇した結果、16.3%となり、依然として類似団体内平均を上回っている。パソコン更新に伴う借上料の増や共同事業の事務局当番による委託費の増などの増加要因もある。しかし、職員数を抑えた中で、各分野における事務委託経費等の増加が見込まれるため、各経費に注視しつつ、適正な行政運営に当たらなければならない。

扶助費の分析欄

扶助費は前年度比6百万円減、割合として0.4%減となった。その要因としては、少子化による児童手当やこども医療費助成、重度障害者(児)医療費、自立支援給付費が減少したことによる。高齢化率は、48.6%(県内第3位)となり、今後、人口減少に伴い高齢者人口の減少が見込まれるが、高齢化率は増加が見込まれるため、事業の運営に当たっては、受益者負担も含め事業内容の精査に努める。

その他の分析欄

維持補修費や繰出金等は、前年度比15百万円増となったが、割合は0.4%減少し、15.0%となった。増加の要因は、ごみ焼却施設、観光施設等の公共施設修繕や自然災害等による河川応急対策費用が増加したことによる。また、介護給付費に対する一般会計からの繰出金も前年度比7百万円増加した。老朽施設等の維持経費や人口高齢化に伴う保険事業会計への繰出金の増加は重点課題であるため、各事業に対応した財政運営が必要である。

補助費等の分析欄

補助費等は前年度比12百万円減、割合として1.2%減少となり、前年度同様に類似団体内平均値を下回っている。観光協会への事業助成など増加事業があったものの、新型コロナの影響により、事業の中止や縮小などにより減少したことが要因である。補助事業の積極的な活用を促すことが、各施策の振興・対策強化につながるため、既存事業の見直しに取り組んでいく。

公債費の分析欄

公債費は、対前年度比34百万円増の335百万円、割合としては、0.7%増加した。類似団体内平均値を下回っているものの、令和2年度から平成28年度過疎債(借入額347百万円)の償還が始まり、また今後、平成30年度、令和元年度の緊急防災減災事業債(借入額235百万円)などの元金償還も控えているため、今後も公債費の増加が見込まれる。引き続き計画的な財政運営を図っていく必要がある。

公債費以外の分析欄

公債費以外の一般財源等にかかる経常経費の総額1.741百万円で前年度比6百万円増となっている。類似団体内平均値は前年度同様に下回っている。人件費、扶助費、補助費等は減少しているが、物件費、維持補修費、繰出金が増えている。高齢化率に上昇による保険事業への繰出金、施設の老朽化による維持管理費の増加など今後の増加が見込まれるため、変動に注視していく必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

労働費、前年度繰上充用金を除く12項目の内、支出のない諸支出金を除く11項目で住民一人当たりのコストが前年度より上昇している。また近年類似団体内平均値を上回っている経費は商工費のみだったが、消防費においても上回る結果となった。新型コロナウイルス関連による特別定額給付金事業により総務費、地方創生臨時交付金を活用した事業による商工費、GIGAスクール関連による教育費が前年より大きく増加している。新型コロナウイルス関連による国施策により、議会費を除く各支出が近年より多い支出の結果となったが、人口減少・少子高齢化が進む中、住民一人当たりのコストは上昇傾向にあるため、今後実施予定の大型事業(道の駅パーク構想に基づく観光施設整備事業(商工費)、学校給食共同調理場建設事業(教育費)等)及びその事業実施に当たり借入れる地方債償還に伴う公債費の増加・高齢化率上昇に伴う高齢者福祉事業や後期高齢者医療及び介護保険経費(民生費)の増加、老朽化による公共施設の改修費(総務費・土木費等)の増加等、いずれの事業も財政状況を注視しながら進めていく必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

令和2年度決算では、普通建設事業費を除く11項目で各決算額及び住民一人当たりのコストにおいて前年度比増となった。会計年度任用職員制度により人件費や新型コロナウイルス関連による地方創生臨時交付金、特別定額給付金等による補助費等、幼稚園建設事業に伴い平成28年度に借入れた過疎債元金償還開始による公債費が大きく増加した。伊豆まつざき荘事業会計への貸付を行ったことにより、全項目唯一、類似団体内平均値を上回る結果となった。人口については平成31年1月1日より令和2年1月1日が-191人、更に平成3年1月1日が-205人と減少傾向に歯止めがかからない状況であるため、今後も各項目において住民一人当たりのコストの増加が見込まれる。普通建設事業費においては、令和元年度から令和2年度では減少となったが、今後道の駅パーク構想に基づく花の三聖苑整備改修事業、学校給食共同調理場建設事業等、大型の起債事業が予定されていること、後年度では借入れた地方債償還による公債費の増、高齢化率の上昇に伴い後期高齢者医療保険・介護保険特別会計への繰出金の増が住民一人当たりのコストの増加につながるため、各項目の数値の推移に注意を払いながら、引き続き計画的な財政運営を図っていく必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度末の財政調整基金残高は、繰越事業数減に伴い財源確保のための繰入金が100百万円減となったことで、70百万円増の1,212百万円となった。今後も減収補てん財源の確保、災害等の緊急支出への備えを目的に積立をしていく予定であるが、標準財政規模に対して過度な残高にならないよう、その他特定目的基金とバランスを確認しながら、適切な基金管理を行っていく。実質収支額比率は、標準財政規模額が142百万円増となったことで、前年度比0.26%減の5.69%となった。実質単年度収支比率がプラス値となった要因は、基金繰入額が減少したことで積立額が取崩額を上回ったためである。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

全会計とも前年度同様に資金不足は生じていない。令和2年度では、温泉事業会計において前年度比0.56%増となっている。その要因は経常利益を継続し計上できていること、他会計からの貸付金償還収入があること等が挙げられ、安定した事業経営ができている。水道事業会計においては、人口減少というマイナス要因はあるものの、給水収益の継続確保ができている。今後は施設の老朽化による更新整備が予定されているため、平成30年度に策定した水道ビジョン・経営戦略に沿った計画的な事業経営が求められる。伊豆まつざき荘事業会計では、平成30年度から引き続き令和2年度も67百万円(前年度比-56百万円増)の損失(赤字)計上となっている。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、集客が大きく落ち込み減収しているため、慎重かつ計画的な経営改善が急務である。公営企業会計事業における独立採算の原則や各会計の健全性を保つよう、引き続き収支改善に取り組む。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

実質公債費比率の分子構造において大きく影響するのは、元利償還金及び算入公債費等の増減である。令和2年度も繰上償還等の特別事由はないが、平成28年度幼稚園建設事業等における過疎債を含む5件について新たに元金償還が始まった。一方、令和元年度末で平成11年度港湾改修事業における一般公共事業債を含む5件の償還が終了したことにより、公債費は前年度比34百万円増の335百万円となったが、算入公債費が平成10年度財政対策債の算入終了、平成19年度過疎債の償還終了等により141百万円減少したことにより、分子の額は10百万円増となった。次年度以降も共同調理場建設事業等の大型起債事業が計画されているため、後年の公債費の増が見込まれる。過疎債等の交付税参入率の高い地方債の活用により、比率の上昇を抑え、財政負担を軽減することが重要となる。また、施設更新事業が見込まれる水道事業等の公営企業債の元利償還金に対する繰入金の変動にも注意が必要である。引き続き適正かつ計画的な財政運営を図っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

将来負担比率の分子構造において大きく影響するのは、地方債現在高と基金や基準財政需要額算入見込額の充当可能財源の増減である。令和2年度は、観光施設整備改修事業や道路橋梁補修工事を実施したことで、新たに151百万円を借入れた一方で、借入地方債を321百万円償還したことにより、地方債現在高は3,079百万円となり前年度から181万円減少したことに加え、組合等負担等見込額も40百万円減少した。また、財政調整基金をはじめとする充当可能基金が31百万円増加したことで将来負担比率の分子は107百万円減少し、引き続きマイナスの数値で推移している。次年度以降も大型起債事業となる、給食共同調理場建設事業、道の駅パーク構想に基づく道の駅花の三聖苑改修事業が控えているため、最適な地方債の選択、基金の残高管理を適正に行い、将来負担率の分子が低い数値で推移していくような財政運営をしていく。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)令和2年度末基金残高は、前年度比32百万円増の2,090百万円となった。増減の内訳は、人口減少及び景気低迷による町民税や土地鑑定額の下落が続いていることによる固定資産税収入の減による町税収入減(前年度比22百万円減)や景気低迷により指定管理を委託する観光施設入館料等の手数料の減(前年度比12百万円減)等による不足財源への充当により100百万円を、その他特定目的基金については、観光施設改修や道路橋梁港湾工事等の財源として松崎町公共施設整備基金や平成30年度に寄附いただき積み立てた松崎町ふるさと応援等について合計65百万円を取崩した。一方で将来の支出への備えとして、財政調整基金を170百万円、その他特定目的基金を28百万円積み立てた。なお、令和2年度における松崎町ふるさと納税によるふるさと応援基金への積立額は19百万円(前年度比+百万円増)であった。(今後の方針)財政調整基金については、地方財政法第7条により規定された金額を確保しつつ、突発的な支出に対応するため現在の基金残高を維持するように決算状況を確認しながら積み立てを行っていく。その他特定目的基金については、公共施設の改修及び更新経費の財源とするため、松崎町公共施設整備基金や松崎町文教施設整備基金を中心に決算状況を確認しながら積み立てを行っていく。

財政調整基金

(増減理由)不足財源への充当による取崩額は、前年度比100百万円減の100百万円とした一方で、170百万円を積み立てたことにより、令和2年度基金残高は70百万円増の1,212百万円となった。(今後の方針)人口減少、高齢化、主要産業の観光業の低迷等の理由により自主財源の確保が難しい状況下における行政サービスの維持、大規模災害などの突発的な支出に対応するために、決算の状況を確認しながら現状の基金残高を維持していく。

減債基金

(増減理由)基金残高なし。(今後の方針)現在のところ、新たな積み立て予定なし。

その他特定目的基金

(基金の使途)①松崎町公共施設整備基金・・・公共施設全般を整備、改修する財源②松崎町文教施設整備基金・・・教育関連施設(幼稚園・小学校・中学校・共同調理場等)を整備する財源③松崎町消防組合施設整備基金・・・下田地区消防組合の施設を整備する財源④松崎町ふるさと応援基金・・・寄附申し込み時において選択された6項目のまちづくり事業の財源⑤松崎町地域福祉基金・・・福祉のまちづくりを推進する事業費の財源(増減理由)①松崎町公共施設整備基金・・・観光施設整備改修や道路橋梁港湾工事等へ充当-27百万円②松崎町文教施設整備基金・・・小学校・中学校の教育関連施設を整備する財源-6百万円③松崎町消防組合施設整備基金・・・下田地区消防組合負担経費への充当-7百万円④松崎町ふるさと応援基金・・・平成30年度寄附分をまちづくり事業費へ充当-13百万円、令和2年度寄附分を積立て+19百万円⑤松崎町地域福祉基金・・・保育園建設事業費補助金へ充当-6百万円(今後の方針)①松崎町公共施設整備基金・・・今後の公共施設改修整備事業等への財源確保のため、決算状況を確認しながら現状の基金残高を維持していく。②松崎町文教施設整備基金・・・教育関連施設(幼稚園・小学校・中学校・共同調理場)の改修整備事業費等の財源として確保していく。③松崎町消防組合施設整備基金・・・下田地区消防組合負担経費への充当。(現時点では、新たな積み立てはしない。)④松崎町ふるさと応援基金・・・寄付者の希望に沿った使途への充当。(寄附年度の翌々年度の事業費へ充当。)⑤松崎町地域福祉基金・・・保育園建設事業費補助金への充当。(現時点では、新たな積み立てはしない。)

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

【数値の修正】修正後の数値平成29:62.0%数値算出から除くべき土地及び物品の価格を含めていたため。【分析】有形固定資産減価償却率については、類似団体内平均値よりもやや上回る結果となっている。現状保有資産については、経年による老朽化が進んでいる。特に庁舎、学校施設で進んでいる。施設の状況や財政状況を検討し、計画的に資産管理をしていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

将来負担額については、借入額より借入償還額が多かったため、地方債残高は低下した。また、財政調整基金をはじめとする充当可能基金が上昇したことによって数値が低下した。今後は給食共同調理場建設事業等大型起債事業が予定されていること、人口減少等に起因する税収の低下等、数値の上昇要因があるため、数値の変動に注視し適切な財政運営に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担に対する財源確保に努めていることから将来負担比率は算定されていないが、有形固定資産減価償却率が、上昇となっており、各資産の更新に伴う地方債の増等が見込まれるため、財政事情に合わせた適正な資産管理を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率については、類似団体内平均値を下回っているものの、実質公債費率については、近年上昇傾向にある。当町の財政規模を考慮すると数億円規模の起債事業実施により数値が悪化する懸念がある。令和3年度からは平成30年度緊急防災・減災事業債(同報無線デジタル化整備事業:借入額150百万円)の償還が始まることや、今後共同調理場建設事業等の大型起債を予定しており、その償還による公債費の増加が想定されることから財政状況を注視し、計画的な財政運営を図っていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

交通インフラ(道路、橋りょう、トンネル)においては、毎年改修箇所を点検結果から選定し、舗装替えや架替・補強補修工事を実施している。有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値と比較してほぼ同数値となっているが、各数値とも50%・60%を超え上昇が続いているため、引き続き長寿命化を柱とした維持管理を推進していく必要がある。学校施設、児童館については、94.6%、82.3%と類似団体内平均値及び県平均を高く上回る結果となっているので、施設の状況や、財政状況を検討し、適切な資産管理を行っていく必要がある。公営住宅において有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値と比較しほぼ同数値となっているが、年数の経過による老朽化が進行してきているので、入居者等の状況を踏まえながら、適切な維持管理を行っていく必要がある。幼稚園については、類似団体平均値と比較し下回っているので、公共施設等総合管理計画等により適切な維持管理を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

各施設の有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値よりも上回る数値となっている。その中でも、一般廃棄物処理施設、体育館・プール、福祉施設については、有形固定資産減価償却率が70%~80%前後となっており運用年数の経過による老朽化が心配される。公共施設等総合管理計画等に基づき、長寿命化や統廃合の推進、近隣市町との広域化等の検討をしていく必要がある。庁舎と消防施設の有形固定資産減価償却率は、82%、85.6%と類似団体内平均値を高く上回る数値となっている。庁舎については、町有資産の中でも大規模な施設であり、その更新、維持管理経費等については、町財政にとって大きな負担となることから、慎重な管理計画が必要となっている。消防施設や類似団体内平均値と大きな乖離はない状態となっている図書館においても、施設の状況や財政状況を検討し、適切な管理を行っていく必要がある。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等は事業用資産がが204百万円減少し、インフラ資産が32百万円減少したことなどが要因で資産総額が207百万円減少(-1.4%)した。これは、道路・橋梁施設等の改修整備により有形固定資産が増加になったが、保有資産である事業用建物やインフラ工作物についての減価償却額が増加したこと等により資産取得額を大きく上回ったことが主な要因であると考えられる。全体会計については、負債合計が前年度から267百万円減少している。水道事業会計における企業債償還が進んでいることが主な要因であるが、老朽施設の更新事業等の設備投資が行われていないとも言え、苦しい財政事情における事業経営となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、経常費用は4,182百万円となり前年度比964百万円の増加となった。主な要因として、移転費用の補助金等の873百万円の増加が挙げられる。移転費用等の補助金等の増加については、特別定額給付金等の影響が挙げられる。人口減少及び少子高齢化が進む中、町税などの自主財源収入の減少に歯止めがかからない状況下で、引き続き業務コスト削減(人件費・物件費等)に基づく行政運営を迫られることになるが、行政サービスの質の低下を招くような事態にならないよう、削減による計画と並行して自主財源の確保について検討を継続していかなければならない。一方、全体会計については純行政コストが1,140百万円の増加となった。主な要因として、一般会計等の純行政コストの増加が挙げられる。今年度については、介護保険特別会計の経常費用が968百万円となり39百万円の増加となった。主な要因として、移転費用等の補助金の増加が挙げられる。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等・国県等補助金の財源(4,075百万円)が、純行政コスト(4,102百万円)を下回り、本年度差額が-28百万円となった。純資産残高は減少したが、本年度については、財源の国県等補助金について、前年度比987百万増加したため、差額が例年より小さくなっている。人口減少に加え主力である観光産業の低迷が長引き、税収増が難しい状況ではあるが、行政コスト削減を意識した行政運営に取り組みながら引き続き町内産業の復興と振興に注力していく。前年度から大きく変動があったのは全体会計に含まれる国民健康保険特別会計で、変動額は-14百万円となっている、税収等の財源(922百万円)が、純行政コスト(936百万円)を下回り、本年度差額が14百万円となった。国民健康保険特別会計では、今年度純行政コストの内、主に移転費用(補助金等)が増加したことと税収等の財源が減少した事により変動額が大きくなっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等における業務活動収支、財務活動収支に増減があった。業務活動収支の増加要因として、業務支出内の補助金等支出が1,482百万円(前年度比873百万円増加)となったこと、業務収入内の国県等補助金収入が1,396百万円(前年度比1,030百万増加)となったことが挙げられる。財務活動収支においては、令和2年度については保健体育施設整備事業や観光施設整備事業等を実施し、地方債発行なども行っているが、地方債償還支出が多かったため、財務活動支出が上回っている。次年度以降も財務活動収支の増加を伴う大型起債事業が予定されているため各活動収支のバランスを注視していかなければならない。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は、類似団体より低いが前年度と比較すると変化は少ない。資産自体に大きな変動はないが、減価償却による資産額の減少率(前年度比-1.4%)に対して人口の減少率(前年度比-3.2%)が上回ったため住民一人当たりの資産額は、3.9万円増加したと考えられる。歳入額対資産比率については、特別定額給付金の支給等に対する収入等が影響し分母である歳入総額が984百万円増加したことが要因で、前年度よりも数値が大きく変動していると考えられる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体と同程度であるが、今後予定されている大型事業に係る地方債の新規発行額の増加が見込まれる。将来世代負担比率についても類似団体より低く推移しているが、平成28年度以降発行分の地方債償還に係る公債費の増による数値の上昇が懸念される。既存の公共施設については全体的に老朽化が進んでいることから、給食共同調理場の移転・建設、新火葬場等の広域化が検討されており、既存施設の統廃合・長寿命化などを含めた施設の適正配置・管理が求められている。少子化における将来世代の一人あたりの負担が大きくならないよう慎重に施策を実施していく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは、類似団体と比較しても低くなってはいるが、今後は人口減少に加え高齢化率の上昇(令和2年度末48.6%)が、経常経費に占める社会保障給付費の割合や、後期高齢者医療会計、介護保険会計への繰出金等を増加させていくことが予測される。県内で最も人口が少ない町ではあるが、行政コスト(人件費・物件費等)削減・町税等自主財源の確保に努めながら、行政サービスの質を維持した行政運営をしていく。また、本年度については、住民一人当たりの行政コストが17.8万円増加している。これは特別定額給付金等の影響で補助金等が例年に比べ増加し純行政コストが増加したことが要因と考えられる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、類似団体より低くなっている。負債額の増加率(前年度比4.1%)に対して人口の減少率(前年度比-3.2%)が下回ったため住民一人当たりの負債額が0.7万円減少したと考えられる。自主財源比率が低い中で、公共施設の再整備を進めるには財源を地方債に頼らざる得ない状況であり、その償還金(公債費の増)による負債額の増加が見込まれている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体と比較して低くなっている。また本年度受益者負担率が前年度比-2.4%となっている。主な要因として、特別定額給付金等の影響もあり分母となる経常費用が増加したことが考えられる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,