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復旧・復興関連事業の進捗により、基準財政収入額の法人税割を除くすべての税目が増加した。基準財政需要額は前年度から横ばいで推移し、平成28年度単年度の財政力指数が平成25年度と比較し0.13ポイント増加したことから、前年度比0.04ポイント増の0.64%となった。復旧・復興関連事業がピークを迎えていることから、市税は減収になると見込まれ、今後、事務事業の見直し等による歳出削減を実施するとともに、市税の徴収強化等の取り組みを通じて財政基盤の強化に努める。
国勢調査人口の減や合併算定替等の影響により、普通交付税が減少したため、経常一般財源が前年度比約12億円減少したことに伴い、経常収支比率が前年度比3.5ポイント上昇し、91.3%となった。今後、事務事業の見直し等による経常経費の削減を実施するととともに、自主財源確保対策を強化し、当面の目標として、90%未満を維持できるように努める。
人件費については、職員数はほぼ横ばいであるが、退職手当が減少したことにより、前年度比-4%となった。物件費については、生活圏除染、農地除染などの除染関連事業が平成27年度で概ね完了したことに伴い、大幅な減となった。しかし、除染に伴う除去物の保管管理業務が残っており、中間貯蔵施設への搬入の見通しが立っていないことから、今後も高い水準で推移すると見込まれる。
等級別基準職務表の整理に伴う給料格付の調整を実施したことにより前年度比0.2ポイントの減少があったものの、任期付職員の退職により前年度比0.2ポイント増加したため全体での増減は無く、前年度同様の94.5%となった。
東日本大震災及びそれに伴う原子力発電所事故対応のため、正職員の前倒し採用と任期付職員の採用により、前年度より0.32ポイント上昇した。平成32年度までの復興創生期間中は、同水準を維持することとしている。
償還残高の縮減に伴う償還額の減少や平成28年度単年度比率(7.3%)が平成25年度単年度比率(13.8%)より減少したことにより、前年度比2.2ポイント減の10.1%となった。年々改善しているものの、全国類似団体と比較し高い水準で推移していることから、比率10%未満を目標に定め、さらなる財政の健全化を図る。
地方債の繰り上げ償還を行ったことにより将来負担額が減少したことや、復旧・復興関連基金の残高により、一般会計が負担する将来の負担額よりも将来負担額に充当可能な財源が上回ったため、平成27年度に引き続き将来負担比率は生じなかった。将来負担額が生じなかった大きな要因は、復旧・復興事業のため基金があるためであり、復興の進捗に伴って基金残高が年々減少し比率も低下していく見込みであることから、交付税措置の有利な市債の活用を図るなど、計画的な管理に努める。
支出自体は前年度より減少しているが、充当財源及び経常充当一般財源等が減少したことにより前年度比1.3ポイント増加の23.2%となった。東日本大震災及び原子力発電所事故対応のための任期付職員採用など、人件費抑制策を講じ適正な水準の維持を図る。
避難指示区域の解除により休止していた公共施設の再開等により事業費が増加し、前年度比1.7ポイント増加の15.7%となった。震災以降減少していた経常的な物件費が概ね復元してきており、復旧復興事業の進捗により今後も経常的経費の増加が見込まれることから、今後は事務事業の見直し等を実施することで物件費の抑制に努める必要がある。
臨時福祉給付金給付事業や私立幼稚園施設型給付事業の増により、前年度比1.2ポイント増加の8.4%となった。年々増加傾向にあることから、今後の動向を注視しながら、歳出抑制策を図り、適正な水準の維持を図る。
支出自体は前年度より減少しているが、経常充当一般財源等が減少したことにより前年度比0.7ポイント増加の13.8%となった。震災以降、経常的な収入、支出共に不安定な状態が継続しており、今後の動向も見込みづらい状況にはあるが、各種経費の見直しを行い、さらなる支出規模の抑制に努める。
支出自体は前年度より減少しているが、充当財源及び経常充当一般財源等が減少したことにより前年度比0.6ポイント増加の12.9%となった。類似団体と比較すると高い水準で推移していることより、適切な財源の確保と事務事業の見直しを図る必要がある。
平成27年度に繰り上げ償還を行ったことにより、公債費の支出額は大幅な減となり、前年度比2.0ポイント減少の17.3%となった。今後も交付税措置の有利な地方債の活用など適正管理に努め、公債費の負担軽減を図る。
公債費以外の経常経費に係る経常収支比率については、経常充当一般財源等が減少したことにより対前年比5.5ポイント増の74.0%となった。震災以降、経常的な収入、支出共に不安定な状態が継続しており、今後の動向も見込みづらい状況にはあるが、全体的な見直し等を継続して実施し、経常経費の抑制及び自主財源の確保に努める。
将来負担比率は、地方債の繰り上げ償還を行ったことにより将来負担額が減少したことや、東日本大震災復旧・復興基金を積み増ししたことなどにより、一般会計が負担する将来の負担額よりも将来負担額に充当可能な財源が上回ったため、平成26年度に引き続き生じなかった。主な要因は、復旧・復興事業のための財源として積み立てしている復旧・復興基金があるためであり、復興の進捗に伴って基金残高が年々減少し、比率も低下していく見込みである。実質交際費比率は、地方債の償還終了に伴う元利償還金の減少などに伴い年々改善傾向にあるものの、全国類似団体と比較し高い水準で推移していることから、さらなる財政の健全化を図る必要がある。
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