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人口減少と高い高齢化率(令和2国調41.6%)に加え、基幹産業が農業であり、かつ製造業等の立地企業がほとんど中小零細であるため、産業構造が極めて脆弱で全国平均を大きく下回っている。コロナ禍による税収の減少で、基準財政収入額が減少したことにより、財力指数が前年度より、0.01ポイント減となった。より一層の行政の効率化に努めることにより、財政の健全化を図る。
今年度は前年度と比べ5.1ポイント減。類似団体と比べ0.7ポイント上回っている。これは分子を構成する物件費・公債費が増加する一方で、人件費・扶助費が減少し、相対的に前年度より分子の規模が小さくなったことによる。また、分母となる経常一般財源は、前年度より普通交付税が増加したことに伴い、分母の数値も大きくなり、経常収支比率の改善につながった。今後も事務事業の見直しによる経常経費の抑制に努め、投資的事業についても重要度や緊急度など厳選し、交付税措置のある地方債を活用するなど、事務事業の徹底した見直しにより現在の水準を維持していく。
当市は豪雪地であり、例年多額の除排雪経費を要する。また、消防業務を隣接する大石田町から受託していること、さらには扇状地上に集落が点在する地理的な事情により公共施設が多いことなどから、人件費、物件費、維持補修費の合計が類似団体に比較して高くなっている。特に今年は前年に引き続き、大雪になったことで、維持補修費の規模が大きくなった。今後も民間委託の活用等により人件費・物件費・維持補修費のコスト削減に努める。
前年度と同一の97.7となった。旧来からの給与体系により、類似団体や県内市町村平均と比較しても約3ポイント程度下回っていたが、平成18年度の給与構造改革以降は、自治体の制度均一化等により徐々に上昇し、類似団体と同水準となっている。
人口減少が著しいことに加え、豪雪地であることや奥羽山脈の扇状沿いに集落が点在していることから保育所や学校が他団体よりも多いこと、さらには市単独で消防組織を運営していることに加え、隣町の大石田町から消防業務を受託していることにより、類似団体を上回っている。当市は類似団体に比べても人口が少なく、人口1000人当たり職員数が高い傾向にある。
実質公債費比率は、類似団体に比べ、低い状況が続いており、今年度は1.3ポイント下回った。当市は過疎団体に指定されており、交付税算入率が高い過疎債を活用することで、類似団体に比べ、低い状況になっている。前年比では0.2ポイント増となり、今後も統合小学校建設や一部事務組合などの大型事業が控えていることから、投資的事業を厳選し、健全な財政運営に努める。
平成29年度から平成30年度にかけて行われた庁舎建設事業の影響により、平成30年度の80.2ポイントがピークとなっている。今年度の減少の主な要因は、公債費の元金償還よりも地方債の発行額を抑えたことで、地方債現在高が減少し、また普通交付税の増加により標準財政規模が増加したことで、前年度よりも16.5ポイント減となった。これからも地方債現在高の減少により、徐々に改善していく見込みである。今後も事業の厳選、地方債発行額の抑制により財政の健全化に努める。
人件費について、27.5%と類似団体と比べ4.4ポイント高くなっている。これは本市の集落が扇状地上に立地しており保育所や小中学校が点在していることや、市単独で消防組織を運営していることに加え、大石田町から消防業務を受託していることなど行政サービスの差異によるものである。これまでも集中改革プランに基づき人員削減を実施してきたが、今後も民間事業所の参画などを進めながら、定員適正化計画に基づき人件費の抑制に努めていく。
今年度は、ほぼ横ばいの10.8%となった。施設管理に指定管理者制度を積極的に導入したこと、業務委託における長期継続契約の推進により経費の圧縮が図られたことで類似団体平均よりも低くなっている。今後も事務事業の効率化を推進し、物件費の抑制に努める。
高齢化率(令和2国調41.6%)が高い一方で、出生数が減少していることにより、類似団体より1.6ポイント低くなっている。今後も高齢化率は上昇していくが、人口減少により、ほぼ横ばいの見込みと考えている。
豪雪地帯である当市は、降雪状況によって維持補修費は大きく変動する。令和2年度に引き続き、令和3年度も豪雪となり除排雪経費はついに10億円に到達した。簡易水道等の公営企業会計への繰出しについては年々増加傾向となっており、毎年事業計画の見直しを行うこととし、また、国民健康保険事業や介護保険事業については、健康増進事業を推進し負担の軽減に努める。
庁舎建設の元金償還開始により、前年度より33,000千円ほど決算額は増加したが、他項目の影響により、経常収支比率の割合は0.5ポイント減となった。今後も統合小学校建設や一部事務組合などで大型事業があることから、投資的事業を厳選し、交付税算入率が高い地方債の活用により将来負担の軽減に努めていく。
公債費以外については、類似団体の平均を下回っていたが、令和3年度も前年度に引き続き、豪雪の影響による維持補修費が大きくなったことにより、類似団体より2.1ポイント上回る71.1%となった。定員適正化計画に沿った人員の抑制、毎年事業計画の見直しによる公営企業会計への繰出し抑制、健康増進事業の推進による国民健康保険・介護保険事業に対する繰出し抑制に努める。
(増減理由)令和3年度末の基金残高は、普通会計で約27億6千万円となっており、前年度から4億円の増加となっている。増要因として、今後の円滑な財政運営を図るため、「財政調整基金」に積立を行い、残高が約7億6千万円となった。また、ふるさと納税の増による「雪とスイカと花笠のまち」ふるさと尾花沢応援基金への積立金増加により、残高が約8億1千万円となった。減要因として、令和2年度に設置した新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金基金から計画的に取崩しを行っている。(今後の方針)「財政調整基金」は、年度間の財源調整機能や豪雪対応などのため、8億円前後を目安として積み増しを行っていく。「減債基金」は大型事業の償還が集中する令和10年度以降に繰り入れを予定している。
(増減理由)令和3年度末の基金残高は、約7億6千万円となっており、前年度から約1億5千万円の増加となっている。地方財政法に規定されている剰余金の1/2を積み立て、通常、当初予算及び除排雪経費などに繰り入れを行っているが、必要に応じて災害対応や財源不足などに対し繰り入れを行っている。前年度に引き続き、令和3年度は豪雪への対応のため繰り入れを行ったが、剰余金の積み増しも行ったため、基金残高が増加した。(今後の方針)令和3年度から新庁舎建設の償還の影響で公債費が上昇し、一時的に残高の減少も想定されるが、当市の適正残高と考える8億円程度(標準財政規模の10%に豪雪対応分2億を加算)を維持する方針である。
(増減理由)後年度の大型事業の償還に備え、積み増しを行ったことにより、前年度より7千万円の増加となった。(今後の方針)財政調整基金だけでなく、財政状況を踏まえながら減債基金への積み増しを行っていく。
(基金の使途)「公共施設整備等基金」については、当市の喫緊の課題である利活用できない公共施設の解体に向け積立を行い、計画的な解体を行っていく。「ふるさと尾花沢応援基金」については、寄附者の意向を合わせ尾花沢市のため活用させていただく。「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金基金」については、新型コロナウイルス感染症への対応として事業者への利子補給のため、計画的に取り崩している。「スポ-ツ振興基金」については、当市のスポーツ振興のため毎年定額の繰り入れを行い活用していく。「地域福祉基金」については、遊具の購入や高齢者福祉施設の設備整備など当市の福祉に関する事業に活用を見込んでいる。(増減理由)・「雪とスイカと花笠のまち」ふるさと尾花沢応援基金:ふるさと納税の増により約1億8千万円の増加となった。(今後の方針)今後は、「公共施設整備等基金」の積み増しを行い、耐震性能などで利活用不可能な公共施設の解体、学校等の公共施設の整備事業に対応する予定である。また、今後の統合小学校などの大型事業の償還に備えるため、「減債基金」にも積み増しを行っていく。
類似団体と比較すると、157.8ポイント上回っている。令和1に新庁舎を建設した影響が大きい。前年度と比較すると、195.5ポイント改善した。主な要因としては、充当可能財源が増加したのが大きい。特にふるさと尾花沢応援基金が伸びたことによる。
将来負担比率について類似団体と比較すると、41.9ポイント上回っている。R1の新庁舎建設の影響が大きい。前年度と比較すると、16.5ポイント改善した。充当可能財源が増加したのが大きい。特にふるさと尾花沢応援基金が伸びたことによる。また、地方債の返済元金よりも新規借入を抑制しているため、将来負担比率は着実に減少していく見込み。実質公債費比率について類似団体と比較すると、1.3ポイント下回っている。前年度と比較すると、0.2ポイント増加した。新庁舎の元金償還開始による影響が大きい。今後も健全な財政運営に努める。
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