収益等の状況について
前年度と比較し、①収益的収支比率、④売上高GOP比率、⑤EBITDAで数値が上昇した。要因として、施設の老朽化に伴う経常的な修繕の増加により、総費用及び営業費用が増加したものの、令和2年度までに桜城橋、籠田公園、中央緑道、乙川河川緑地等の周辺公共空間の整備が進み、これらの活用に伴い駐車場利用者が増加したことで総収益及び営業収益が増加したためである。①収益的収支比率総収益の増加等により16.7%増の146.5%となり黒字となった。④売上高GOP比率総収益の増加等により8.3%増の31.2%となり、平均値を55.8%上回っている。⑤EBITDA総収益の増加等により2年連続で数値が上昇し、平均値を上回っている。
資産等の状況について
本市駐車場整備事業は、地方公営企業法を適用していないため、一部指標について「該当数値なし」としている。⑧設備投資見込額令和2年度末に策定した経営戦略では、令和3年度以降に駐車場躯体等の大規模改修を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で令和3・4年度は改修工事を延期し、定期的な点検・修繕によるメンテナンスを実施するのみの予定のため、適切な範囲内での維持管理費による運営が見込まれる。ただし、令和5年度以降には駐車場躯体等の大規模改修が予定され、設備投資に係る費用の増加が見込まれる。
利用の状況について
⑪稼働率直近5年の中でもっともよい数値となっている。本駐車場が位置するQURUWAエリアの公共空間の整備が進み、これらの活用に伴い駐車場利用者が増加したことが理由の一つとして考えられる。また、平均値を大きく下回る状況となっている要因として、定期利用者枠が収容台数の半数以上を占めるため、駐車場の稼働状況によっては短時間利用の入出庫が抑えられていることが考えられる。
全体総括
令和3年度については、施設の老朽化に伴う経常的な修繕の増加により、総費用及び営業費用の増加があったものの、利用者の増加により総収益も増加したため、前年度と比較し経営状況の改善が見られた。同地域において民間事業者による時間貸駐車場が増加しており、市民ニーズの一部が充足されたことにより、利用台数が減少傾向にあったが、本駐車場が位置するQURUWAエリアの公共空間、特に籠田公園の利用者及び近隣店舗等への回遊の増加に伴い、今後は増加を見込んでいる。このような状況を踏まえ、令和4年度から上部の籠田公園と一体的に維持管理・運営を行う指定管理に取り組み、更なる駐車場の利用及び利用料金収入の増加を目指している。なお、これにより駐車場事業単体での収支均衡を図らなくなるため、今年度末をもって公営企業としての事業を廃止する。