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平成27年度決算における財政力指数は0.53となり、平成24年度までは減少傾向にあったが、その後3か年は同数値を維持する形となった。ただし、今後も市税収入の減少、高齢者人口の増加等による社会保障経費の増を主な要因として、基準財政需要額が伸びていくことが見込まれ、低下していくことが予測される。この状況に対応するため、市町村合併以降、各種行政財政改革への取り組みなどにより財政基盤の強化に努めてきたところであるが、今後も引き続き市税の徴収強化や新たな歳入の確保に取り組み、財政基盤の安定化に努めるものとする。
平成27年度決算における経常収支比率は90.2%となり、前年度決算数値と比べ0.1%の増となった。この要因として、人件費、公債費の増等が挙げられる。本市の経常収支比率は、類似団体や全国平均、千葉県平均と比較すると若干低い数値となっているものの、人件費が32.5%、公債費が18.5%と両比率が高い水準にあることや、交付税が算定の特例により減少していくため、今後も歳出全般にわたる経費の削減等に取り組み、経常経費の縮減を図る一方で、徴収強化などにより市税等経常一般財源の確保に努めるものとする。
平成27年度決算における人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額は、類似団体の平均値より約1,400円高い数値となっており、全国平均や千葉県平均と比較してもそれぞれ36,000円から46,000円程度高い数値となっている。この主な要因は人件費によるものであり、具体的にはごみ焼却施設やし尿処理施設、保育所、給食センターなどの施設運営を直営で行っているため、人口規模に比して職員数が多いことが挙げられる。今後は、施設の統廃合や業務の民間委託の拡大などで人件費のコスト縮減を図る取り組みを行っていく必要がある。
本市における平成28年4月1日現在のラスパイレス指数は100.5であり、全国平均を上回る水準となっている。この主な要因として、経験年数階層の変動、及び現給保障者の割合が国家公務員と比較すると少ないことが挙げられる。今後も引き続き、より一層の給与の適正化に努める。
本市における人口千人当たりの職員数は11.81人であり、類似団体平均と比較すると高い数値となっており、この要因として、地理的条件等により保育園、幼稚園が多く、清掃センター、衛生センター、給食センター、及び総合運動施設など市の規模に比して直営施設が多くなっていることが挙げられる。このため、平成26年3月に定員適正化計画を策定し、小学校及び中学校の適正配置(統廃合の推進)、幼稚園・保育園の一元化、給食センターの民営化、ごみ、し尿の収集業務の民間委託導入等を積極的に図りつつ、技能労務職員については、退職者の補充を行わないことなどにより、職員削減を進め、適正な定員管理に努めていくこととした。
平成27年度決算における実質公債費比率は10.5%となり、直近5か年の推移では、徐々に改善が図られている。主な減要因として、標準税収入額の増により標準財政規模が増加していることが挙げられる。本市の実質公債費比率は、類似団体平均より若干低い数値となっているが、全国平均や千葉県平均との比較では約3%程度高い数値となっていることから、今後も改善に向けた取り組みが必要である。このため、今後の大規模事業は5か年計画に則って適切な取捨選択を行うなど、起債発行の抑制に努め、安定した財政運営に努めていく。
平成27年度決算における将来負担比率は106.0%となり、前年度決算数値に比して7.8%の減となった。この主な要因として、鴨川市開発公社からの太海多目的公益用地買戻しに係る債務負担の減が挙げられる。本市の将来負担比率は、類似団体平均や全国平均、千葉県平均のいずれと比しても高い水準にあるが、これは過去に実施してきた施設整備等の事業財源に地方債を積極的に活用してきたことや、債務負担行為に基づく太海多目的公益用地取得事業に係る将来負担が主な要因となっているものである。今後も、行財政改革を進めるとともに、財政調整基金等の適切な確保を図り、財政基盤の安定化を図っていく。
本市の人件費は、市の人口規模に比して保育所や幼稚園の施設数が多いこと、また、ごみ焼却施設、し尿処理施設、総合運動施設、給食センターなどを市直営方式で運営していることから、多い状況となっている。人件費の削減には、施設の統廃合の実施、ごみやし尿収集等に係る業務の民間委託、民営化の推進が必要となるため、これらの取り組みを進め、費用の抑制に努める。
物件費の経常収支比率については、類似団体平均や全国平均、千葉県平均を下回っている状況である。平成27年度数値については前年度比で減少しているものの、5か年の推移を見ると増加傾向にあるため、今後も歳出の抑制及び削減に努めていく必要がある。
扶助費の経常収支比率については、類似団体平均や全国平均、千葉県平均を下回っている状況であるものの、国全体の社会保障経費の増大に伴い、障害者福祉や生活保護に係る扶助費等が年々増加しており、上昇傾向となっている。今後も適正な給付に努める。
その他の経常収支比率については、類似団体平均を下回っており、全国平均や千葉県平均を多少上回っている状況である。前年度と比較して1.2ポイント上回っており、主な原因は繰出金の増となっている。今後も景気の動向に影響されやすいことや高齢者の増加に伴う給付費等の増額が見込まれることから上昇していくと思われる。
補助費等の経常収支比率については、類似団体平均や全国平均をやや下回っているが、千葉県平均よりは高い数値となっている。そのため、平成21年度に策定した補助金等の見直しに関するガイドラインに基づき、引き続き見直しを実施していく必要がある。
本市の経常収支比率における公債費の比率は20%前後の高い水準で推移している。この要因として、大規模企業による法人税収入が見込めないなど、自主財源に乏しいために、過年度に実施してきた総合運動施設や義務教育施設等に係る大規模事業の財源として地方債を積極的に活用してきたことが挙げられる。今後は、行財政改革大綱に基づく各種施策による徹底した歳出削減を図る一方で、市税徴収の強化や未利用財産の処分等に取り組み、一般財源の捻出に努めていかなければならない。
公債費以外の経常収支比率については、全国平均、千葉県平均を下回っているが、類似団体平均比較では上回っている状況である。推移を見ると増加傾向となっているので、今後も歳出削減や市税の確保等に努め、財政の健全化を図る。
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