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全国有数の製紙工業都市として、紙加工業などの紙関連企業も多く、市民の大半が何らかの紙関係の仕事に従事している。活発な地場産業に支えられ歳入総額に占める自主財源の割合は前年度より2.6ポイント減の45.7%となったが、地方税は1.6ポイントの増で比較的財政力に恵まれており、このことは平成28年度決算で財政力指数が0.77と、類似団体平均の0.73や愛媛県平均の0.44より高いことからもうかがえる。しかし、産業構造が「紙」に特化した単一構造のため、原油高や円安と言った外的要因を受けやすく脆さも併せ持っている。第二次総合計画に沿った施策を重点的に実施することにより活力のあるまちづくりを展開しつつ、市財政基盤の強化に努める。
平成19年度以降大幅な経常的経費の削減を進めた結果、最も数値が悪かった平成18年度決算の96.4%と比較すると大きく改善されてきた。平成27年度決算では83.7%であったが、平成28年度は前半円高・後半円安へと急激な変動はあったものの、設備投資等が行われるなど業績好調により法人税割は増加傾向にある一方で、公債費の繰上償還や扶助費等増による義務的経費の増加により、昨年度より2.2%上昇している。類似団体平均の91.2%と比べて高い数値となっているが、、今後は合併特例債の元金償還が本格的に始まるほか、さらなる扶助費の増加による義務的経費に圧迫され財政の硬直化が進むことが予想される。合併算定替終了や災害時に備えた財政調整基金の目標積立額68億を平成26年度末に達成したことから、今後減債基金積立へシフトし繰上償還を積極的に行うなど、選択と集中による経常経費の削減を図りながら現在の水準以下を目標に取り組む。
類似団体平均とほぼ同じ水準である。合併以降、物件費や維持補修費等について削減を重ねてきたたことが要因として挙げられるが、適正な市民サービスや施設の管理運営上はこれ以上の削減は困難な状況となっている。地方公会計への移行に向けて、固定資産台帳整備関連による経費の増により、物件費が増加した。
前年度比で0.5減の98.3で、類似団体平均の98.4に比べ、0.1ポイント低くなっており、概ね国、類似団体と均衡を保っている。定員適正化計画に基づき適正化を進めてきた結果、採用抑制によって世代間のアンバランス解消が課題となっているが、引き続き人件費の抑制に努め本市の財政状況等を踏まえた給与水準の適正化に努める。
合併に伴い一部事務組合職員の身分を新市に引き継いだため、平成16年度は職員数が1,270人と類似団体平均に比べ約200人超過していた。定員適正化計画に基づき適正化をすすめたことにより職員数は減少してきたものの、類似団体と比較しても依然高く推移している。採用抑制や再任用制度の開始により世代間のアンバランスが生じており、将来に渡って安定的に業務を遂行できる職員配置が急務となっている。短期での大幅な減員が見込めない状況にあるが、施設の統廃合・民営化など行政のスリム化により抑制を図る。
最も数値が悪かった平成19年度決算における実質公債費比率は20.7%であった。平成28年度は10.2%と確実に改善されてきている。しかしながら類似団体平均7.5%と比べると依然高い数値となっている。今後も新市建設計画に基づく大型事業が予定されており、事業実施に際しては一層慎重に行わざるを得ない。継続事業については容易に市債に頼ることなく適正な事業量を執行していくよう努めるとともに、減債基金の積立額を確保し繰上償還を行う等、地方債残高の縮減に取り組み類似団体平均水準を目指す。
平成24年度に三セク債を活用し土地開発公社を解散。平成26年度末には財政調整基金を68億へと積み増しを行った。平成19年度決算において267.2%であった将来負担比率は前年度より22.3%増加したものの、133.2%と大幅に減少しているが、依然として類似団体平均の33.1%に比べると大きく乖離している。これは地方債残高が大きく影響しているが、公営企業債等繰入見込額については、臨海土地造成事業や下水道事業の地方債残高等の減少により着実に改善している。しかしながら、今後も大型事業に係る起債残高が上昇することが見込まれる中で、借入額の抑制や財源の確保を図るとともに、減債基金の積立(平成28年度末現在高12.3億円、前年比-5.3億円)等により財政健全化に努め、類似団体並の将来負担率を目標とする。
定員適正化計画を進めた結果、平成18年の32.5パーセントをピークに直近3か年は横ばいながら、類似団体平均に近づきつつある。平成25年度は7月から3月まで国家公務員給与減額措置に応じた減額をおこなっていたが、平成26年度に減額分を復元したことより平成28年度も高い推移をしており、類似団体より0.7%下回る数値となった。施設の統廃合やアウトソーシング、事務量の把握と精査による効率的な人員配置を行いながら、給与水準の適正化に努める。
類似団体比較においては概ね中間に位置しているものの、国や県、類似団体と同様に上昇傾向となっている。施設の維持管理経費、アウトソーシング等による委託料、賃金等の増加が見込まれることなどから、類似施設の統廃合、事業の選択と集中を図ることが急務となっている。今後もコスト削減を進めながらもサービス水準の向上を図るため計画的な財政運営に努める。
依然、全国や愛媛県、類似団体を上回っている。生活保護費や障がい者福祉サービス費、施設型給付費の恒常的な増に加え、平成27年度から実施した子ども医療費の完全無償化の影響や臨時福祉給付金等、社会保障関係の経費が引き続き増加の傾向にある。また、平成29年度より直営である養護老人ホームを民間移譲する予定のため、今後この運営経費が扶助費の増加要因と見込まれる。国の制度に基づくものが大半であるが、資格審査等の適正化を進めていくことで、上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
繰出金については13.7%で前年度比で0.4%増となっている。市直営の特別養護老人ホームが1施設、国保診療所が1施設あり、その財源不足を補填している。特別養護老人ホーム萬翠荘については平成29年4月に民間移譲される予定で、繰出金は減となる見込みだが人件費は特別会計より振り替わるため、指標が増加する要因となる見込みである。介護保険事業や後期高齢者医療事業特別会計の給付費の増加や、国民健康保険事業の加入者の高齢化、医療技術の高度化などに伴う医療費増加によって国民健康保険事業特別会計の財政悪化も懸念されることから、歳入歳出の適正化を図ることにより負担増加を抑制する。
類似団体との比較では大きく平均を上回っている。これは合併により市町村で構成されていた一部事務組合が解散になり多額の負担金が不要となったことが挙げられる。また、合併した直後から財政の危機的状況を打破するために外部団体の補助金のあり方の検証、行政監査等の取り組みにより、その結果が成果として表れている。また、商工関係の単独補助が類似団体を上回っているが、数値を押し上げている補助が今年度で終了するため、平成29年度以降は類似団体と同程度となることが見込まれる。一方、一部事務組合経費分は人件費、公債費に転じて各指標を押し上げている要因となっている。今後も適正な執行に努める。
公債費については年々改善されてきており、平成28年度は前年度より0.1%減の横ばいで、類似団体の16.2%に比べて依然高い状況にある。今後も新庁舎建設をはじめ新市建設計画に基づく大型事業が予定されていることから、継続事業については安易に市債に頼ることなく適正な事業量で執行するほか、減債基金の積立額を確保し繰上償還を行う等、地方債残高の縮減に取り組み公債費の低減に努める。
平成28年度は前年度より2.3%増加しているものの、類似団体平均との比較では大きく上回っている。経常収支比率が85.9%であることから公債費が占める割合が非常に高いことが判る。これまで経費削減のため恒常的に削減を行ってきたため、これ以上の削減が厳しい状況下にあるが、事業の選択と集中を図りながら現在の水準を超えないよう、歳入・歳出両面で財政の質を高めるように努める。
将来負担率及び実質公債費率は類似団体と比較して高いものの、近年横ばいから減少傾向にある。しかしながら、現在実施されている新庁舎建設事業や市民文化ホール建設事業など、今後も新市建設計画に基づく事業が予定されていることから、将来負担率及び実質公債費率が上昇することが考えられる。引き続き適正な事業の執行に努めながら借入額の抑制を図るとともに、減債基金の積立額を確保し繰上償還を行う等により地方債残高の縮減に取り組み、これまで以上に公債費の適正化を図る必要がある。
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