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単年度の財政力指数(28年度0.488、29年度0.495、30年度0.503)は増加傾向にあり、3年平均は前年と比較し0.01ポイント増となった。単年度財政力指数の増加要因として、景気の回復基調により市税が増加したことにより、基準財政収入額が1.7%の増となり、災害復旧事業債の償還終了により、基準財政需要額に算入されなくなったことなどの影響で基準財政需要額が0.5%の減となったためである。今後とも移住定住施策により、人口の増加、企業誘致による雇用の増加を図り、市税などの自主財源を増加させる施策をより一層推進し、財政基盤の強化に努める。
平成30年度においては前年度と比較し0.4ポイント改善したが、平成29年度に引き続き類似団体内平均を上回った。歳入面においては、法人税168,973千円、固定資産税97,037千円増となったものの普通交付税は段階的縮減により478,626千円減となった。一方歳出においては、昨年に対し微減であるものの病院会計に対する基準内繰出金が依然として大きく、財政は硬直化しつつある。今後も普通交付税の段階的縮減により経常一般財源は減額となることから、職員数の見直しや公共施設の統廃合など更なる行財政改革を推進する。
平成17年度の市町村合併により職員数(特別職と医療機関を除く)が類似団体よりも多い1,086人となったため、定員適正化計画を策定し職員数削減に取り組んできた。その成果として、人件費の総額は減少しているものの、依然として類似団体よりも高い数値になっている。今後についても、令和8年度当初までに職員数を795人とする新たな定員適正化計画を策定しており、人件費の抑制に努めていく。また、公共施設の統廃合などにより維持管理経費をはじめとした物件費についても抑制を図っていく。
東日本大震災関係による国の給与の変動に伴い、一時的にラスパイレス指数が急上昇したが、当市においても給与体系の見直しを行い、指数は100を下回っている。ただし、高年齢職員の占める割合が高い構造が続くため、55歳以上の職員の昇給抑制を引き続き実施するものの、指数は高止まりすると考えられる。
合併以降増加した職員数を削減するため、中津川市定員適正化計画を策定し定員管理に努めており、令和8年度までに定員を795人とするよう適正な人員管理に努める。ただし、県内6番目という広い市域をカバーするために地域ごとに職員配置をしていることやリニア開業後を見据えた移住定住の促進など、リニア開業までに投資的な施策を戦略的に展開することが必要なため、必要な業務量に対応できる職員数を確保することが重要であり高止まりすることもやむを得ない面がある。
前年度と比較し、0.1ポイント増となった。公債費負担適正化計画に基づき借金の抑制をしたことにより元利償還金は減少したが、平成28年度から数値が悪化しており、依然として類似団体平均値より高い水準で推移している。主な要因として、病院事業会計の資金不足を解消するため、一般会計から特別繰出を行ったことが挙げられる。平成29年度に390,000千円、平成30年度に249,000千円繰出したことにより、3年平均で10.6%(28年度11.3%、29年度10.9%、30年度9.6%)となっている。今後も公債費負担適正化計画に基づく借金の抑制、下水道料金や病院経営の見直しなどの特別会計・企業会計の自立化により抑制に努める。
前年度と比較して6.5ポイント改善し、全国平均及び類似団体内平均よりも低い値を維持している。これは、公債費適正化計画に基づき借金の抑制を行い、計画的に地方債残高を減らしたことによる結果であり、改善傾向にある。今後も計画的な起債発行による地方債現在高の低減や職員数の削減により退職手当負担見込額を低減させ、一般会計だけでなく企業会計においても経営の効率化を進める中で借金の圧縮を行い、将来負担比率の低減を図る。
類似団体の平均値と比較すると、2.1ポイント上回った。これは、広い市域をカバーするために各地域ごとに職員配置をしていることが要因である。令和8年度までに職員数を795人とする中津川市定員適正化計画に基づき、職員数削減することで人件費の抑制を図る。ただし、リニア開業までの間は必要な業務量に対応できる職員数を確保することが重要であるため、高止まりすることもやむを得ない面がある。
物件費に係る経常収支比率は類似団体内平均の値を下回っており、昨年度と同水準を保っている。中津川市定員適正化計画に基づいて職員数を削減してきたことによる臨時職員等の増加及び民間への業務委託料の増加が挙げられるものの、平成26年度策定した「市有財産(施設)運用管理マスタープラン」に基づき令和2年度までに施設の維持管理費を6億円削減することを目標に民間移譲や統廃合を進めており、今後も上昇を抑えていく。
扶助費に係る経常収支比率は全国平均及び類似団体内平均の値を下回っている。前年度と比較して低い値となった要因は、被保護者数の減、高額な医療費の減による医療扶助費等の減により生活保護費が減少したことが挙げられる。今後、高齢化の進行による社会福祉関係の増加を見据え、健康増進や疾病予防に努めるなどの施策を推進し、扶助費の増大が財政を圧迫しないよう努める。
その他が類似団体内平均の値を上回っているのは、公立病院が2箇所あること、下水道関連事業会計で広い市域をカバーするための経費が他市と比較し多いために、公営企業会計や特別会計への出資金や繰出金が多いことが要因である。今後は、平成28年度に策定した新公立病院改革プランに基づき、経営の効率化や経営形態の見直しなど抜本的な再編を前提とした施策を進める。また、下水道事業会計において経営戦略を策定し独立採算で運営ができるよう、料金の見直しを含めた経営改善を図ることで、繰出金等の低減に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、類似団体・全国・県の値と比べて低い水準で推移している。今後も、現在行っている補助が団体等の既得権とならないよう、経常的に補助している事業も含めすべての補助対象事業を精査し、有能性の低い事業の見直しや削減、廃止を進める。
平成26年度に地域振興基金造成のため借り入れた19億円の元金償還が始まったことと、元金償還の据置期間を廃止したことにより新規借入分の元金償還とが重なったことにより一時的に公債費は増加していたが、減少に転じている。今後も建設事業の実施が予定されているが、公債費負担適正化計画に基づき、「返す以上に借りない」を原則として事業費の見直しや抑制を図り、毎年度の元金償還額を増加させないよう努める。
公営企業会計や特別会計に対する繰出金の増加や、扶助費の増加に伴い、比率が年々悪化しており、平成29年度に引き続き平成30年度においても類似団体と比較し高い値となった。今後は、健康増進施策や疾病予防施策の推進や、病院の経営方針の見直しを含めた経営改善により企業会計及び特別会計への繰出金を抑制することなど、一般会計の負担を減らし、経常収支比率の改善を図っていく。
(増減理由)・基金全体の残高は財政調整基金の取り崩し額が積立額を上回っているため、平成29年度末よりも157百万円減の16,589百万円となっている。(今後の方針)・平成30年10月に財政計画を定め、将来の需要や必要性を見据え計画的な基金造成に努める。・リニア中央新幹線まちづくり基金については、毎年度500百万円の積立てを令和元年度まで継続し、それ以降のリニア関連事業の財源として活用する。・公共施設整備運営基金については毎年度300百万円の積み立てを継続し、将来の公共施設の維持補修や取り壊し、施設更新の財源として活用する。・財政調整基金については財政の弾力性確保のために必要な一定水準の残高維持に努めることとしているが、今後リニア開業に向けその波及効果を最大限に活用するための大型事業が控えており、財政調整基金の残高は減少していく見込みである。一定水準を下回りそうな事態となった場合はリニア中央新幹線まちづくり基金と公共施設整備運営基金の積み立てをいったん休止し、財政調整基金の残高を維持することとする。
(増減理由)・財政調整基金は一般財源不足を補うため、また病院事業会計に対して資金不足の解消のため特別繰出として249百万円を繰り出しており、その財源として財政調整基金を取り崩すこととしたため、2,200百万円を取り崩すこととなった。・その結果平成30年度末残高は、前年度決算剰余金1,700百万円に対して取り崩しが2,200百万円であったため、前年度比498百万円減の4,002百万円となった。(今後の方針)・財政調整基金については財政の弾力性確保のために必要な一定水準の残高維持に努めることとしているが、今後リニア開業に向けその波及効果を最大限に活用するための大型事業が控えており、財政調整基金の残高は減少していく見込みである。一定水準を下回りそうな事態となった場合はリニア中央新幹線まちづくり基金と公共施設整備運営基金の積み立てをいったん休止し、財政調整基金の残高を維持することとする。
(増減理由)・平成28年度から借金を完済するまでの支払利子を減らすため、元金償還を一年後から始めていたものを、借り入れ直後から始めたことにより、一時的に増加した償還元金に対して減債基金を充当したことで平成29年度末残高は172百万円に減少したが、平成30年度は積立も取り崩しもしていないため増減していない。(今後の方針)・起債の償還方法を満期一括償還方式を採用していないこともあり、今後積み増す予定はないが、据え置き期間の廃止等一時的に元利償還金が増加することなどの突発的要因に対する元利償還金へ充当していく予定である。
(基金の使途)・地域振興基金・・・市民の連帯の強化及び地域振興を図るための財源に充てるため・リニア中央新幹線まちづくり基金・・・リニア中央新幹線を活用したまちづくりの資金に充てるため・公共施設整備運営基金・・・公共施設を整備するとともに、施設の健全な維持管理に要する資金に充てるため・職員退職手当基金・・・市職員の退職手当の支給に要する財源に充てるため・しあわせづくり基金・・・健康づくりの推進、福祉活動の促進、快適な生活環境の形成等の資金に充てるため(増減理由)・リニア中央新幹線まちづくり基金については、財政計画上、「毎年度500百万円の積立てを平成31年度まで継続し、それ以降のリニア関連事業の財源として活用する。」としており、平成30年度も計画的に積み増しを行ったことにより、平成30年度末残高は前年度比497百万円増の3,212百万円となった。・公共施設整備運営基金については、財政計画上、「毎年度300百万円の積み立てを継続し、将来の公共施設の維持補修や取り壊し、施設更新の財源として活用する。」としており、平成30年度も計画的に積み増しを行ったことにより、平成30年度末残高は前年度比305百万円増の2,169百万円となった。・職員退職手当基金は団塊の世代の退職により退職手当が増加し、その財源とするため374百万円を取り崩したことにより、平成30年末残高は1,916百万円となった。(今後の方針)・平成30年10月に財政計画を定め、将来の需要や必要性を見据え計画的な基金造成に努める。・リニア中央新幹線まちづくり基金及び公共施設整備運営基金については財政計画上積み立てを継続していくこととしているが、財政調整基金の残高が減少しており、今後財政調整基金が減少を続け、一定水準を下回りそうな事態となった場合はリニア中央新幹線まちづくり基金と公共施設整備運営基金の積み立てをいったん休止し、財政調整基金の残高を維持することとする。
平成30年度の有形固定資産減価償却率は56.2%であり、類似団体平均とはぼ同水準である。しかしながら、前年度からの伸び率は、毎年約2%増となっており、他団体と比較しても高い水準にあるといえる。今後の対応としては、中津川市公共施設等総合管理計画等に基づき施設の維持管理経費の削減や施設の民間移譲、統廃合を進める必要がある。
債務償還比率は類似団体平均より低い結果となっている。これは公債費負担適正化計画に基づき借金残額を減少し、将来負担額を計画的に減らしてきたことが要因である。今後も将来負担額を減少すること、基金を計画的に積み立てることを実施し、比率の減少に取り組む。
平成30年度の有形固定資産減価償却率は56.2%、将来負担比率は6.4%であり、類似団体内平均と比較して低い水準にある。将来負担比率を減少することができた主な要因として、公債費負担適正化計画に基づき返す以上に借りないを原則とした取り組みを行ったことで、地方債現残高を前年度から約25億円減少させることができたことが挙げられる。一方で有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあることから、中津川市公共施設等総合管理計画等に基づき施設の維持管理経費の削減や施設の民間移譲、統廃合を進めて有形固定資産減価償却率の上昇を抑制していく必要がある。
平成18年度から25年度にかけて実施した計画的な繰上返済や公債費負担適正化計画に基づき、返す以上に借りないを原則とした取り組みにより、借金残高を減少させて将来負担比率は減少しているものの、平成26年度地域振興基金造成のため一時的に残高が増加したこと、病院事業会計に対して資金不足の解消のため特別繰出を行ったことにより、実質公債費比率は上昇に転じ、類似団体平均より高く推移している。今後はリニア関連事業を始めとした大型事業が控えていることから、実質公債費比率だけでなく将来負担比率についても今後も数値の横ばい又は上昇が想定されるため、一般会計だけでなく企業会計においても経営の効率化を進める中で借金の圧縮を行いつつ、基金を計画的に積み立てていくことで、両数値の抑制に努めていく必要がある。
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