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単年度の財政力指数(27年度0.493、28年度0.488、29年度0.495)が増加したが、3年平均では前年と同数値となった。単年度財政力指数の増加要因として、景気の回復基調により市税が増加したことにより、基準財政収入額が2.0%の増となり、災害復旧事業債の償還終了により、基準財政需要額に算入されなくなったことなどの影響で基準財政需要額が0.01%の減となったためである。今後とも移住定住施策により、人口の増加、企業誘致による雇用の増加を図り、市税などの自主財源を増加させる施策をより一層推進し、財政基盤の強化に努める。
平成29年度においては前年度より3.6ポイント悪化し、類似団体内平均を下回った。歳入面では合併後10年が経過し普通交付税の段階的縮減が始まったことにより臨時財政対策債を含む経常一般財源が減額となった。一方、歳出面では、病院事業会計に対する繰出基準内の出資金の増などにより、全体637,014千円増加となった。これらの要因により比率が大きく上昇する結果となり、財政は硬直化しつつある。今後も普通交付税の段階的縮減により経常一般財源は減額となることから、職員数の見直しや公共施設の統廃合など更なる行財政改革を推進する。
平成17年度の市町村合併により職員数(特別職と医療機関を除く)が類似団体よりも多い1,086人となったため、定員適正化計画を策定し職員数削減に取り組んできた。その成果として、削減目標を達成し人件費の総額は減少しているものの、依然として類似団体よりも高い数値になっている。今後についても、平成38年度当初までに職員数を795人とする新たな定員適正化計画を策定しており、人件費の抑制に努めていく。また、公共施設の統廃合などにより維持管理経費をはじめとした物件費についても抑制を図っていく。
東日本大震災関係による国の給与の変動に伴い、一時的にラスパイレス指数が急上昇したが、当市においても給与体系の見直しを行い、指数は100を下回り、類似団体平均よりも良好である。ただし、高年齢職員の占める割合が高い構造が続くため、55歳以上の職員の昇給抑制を引き続き実施するものの、指数は高止まりすると考えられる。
合併以降増加した職員数を削減するため、中津川市定員適正化計画を策定し定員管理に努めており、平成38年度までに定員を795人とするよう適正な人員管理に努める。ただし、県内6番目という広い市域をカバーするために地域ごとに職員配置をしており、また、リニア開業後を見据えた移住定住の促進など、リニア開業までに投資的な施策を戦略的に展開することが必要なため、長期的には更なる職員数の減少を前提としながら、リニア開業までの間は人件費の増加を抑えながらも必要な業務量に対応できる職員数を確保することが重要であり高止まりすることもやむを得ない面がある。
公債費負担適正化計画の「返す以上に借りない」を原則として新たな借金を抑制し、元利償還金は減少していたが、平成28年度決算以降数値が悪化しており、平成29年度決算においては昨年度と比較しして0.6ポイント悪化した。主な要因としては病院事業会計に対して資金不足解消のため特別繰出を行っており、平成28年度に534,000千円、平成29年度に390,000千円繰出したことにより、3年平均で10.5%(27年度9.3%、28年度11.3%、29年度10.9%)となっている。今後も公債費負担適正化計画に基づく新たな借金の抑制や下水道料金の見直しなどの特別会計・企業会計の自立化により、実質公債費比率の抑制に努める。
前年度と比較して9.8ポイント改善し、全国平均及び類似団体内平均よりも低い値を維持しており、早期健全化基準内の数値である。公債費負担適正化計画に基づき計画的に地方債現在高を減らしてきた結果であり、継続して改善されている。今後も計画的な起債発行による地方債現在高の低減や職員数の削減により退職手当負担見込額を低減させ、一般会計だけでなく企業会計においても経営の効率化を進める中で借金の圧縮を行い、将来負担比率の低減を図る。
合併以降、事務の効率化、施設の集約化などを実施し、職員の適正配置に努めてきたが、経常収支比率の人件費分は類似団体内平均値を1.2ポイント上回った。これは県内6番目という広い市域をカバーするために各地域ごとに職員配置していることが要因であるため、更なる職員数削減のため職員数を平成38年度当初までに795人とする中津川市定員適正化計画を策定し人件費の抑制を図る。ただし、リニア開業までの間は必要な業務量に対応できる職員数を確保することが重要であり高止まりすることもやむを得ない面がある。
物件費に係る経常収支比率が類似団体内平均の値を下回っており、昨年度と同水準を保っている。職員数を中津川市定員適正化計画に基づき減らしてきたことによる臨時職員や嘱託職員の増加及び民間への業務委託料の増加が上げられるものの、平成26年度策定した「市有財産(施設)運用管理マスタープラン」に基づき平成32年度までに施設の維持管理経費を6億円削減することを目標に施設の民間移譲や統廃合を進めており、今後も上昇を抑えていく。
類似団体内平均や県と比較して低い値となっている。前年度と比較し低下した要因としては、被保護者数の減、高額な医療費の減少による医療扶助費等の減により生活保護費が減少したことが挙げられる。扶助費総額は引き続き上昇傾向にあり、高齢化の進行による社会福祉関係の増加を見据え、健康増進や疾病予防に努めるなどの施策を推進し、扶助費の増大が財政を圧迫しないよう努める。
その他が類似団体内平均の値を上回っているのは、公立病院が2箇所あること、下水道関連事業会計で広い市域をカバーするための経費が他市と比較し多いために、公営企業会計や特別会計への出資金や繰出金が多いことが要因である。今後は、平成28年度に策定した新公立病院改革プランに基づき、経営の効率化や経営形態の見直しなど抜本的な再編を前提とした施策を進める。また、下水道事業会計において経営戦略を策定し独立採算で運営ができるよう、料金の見直しを含めた経営改善を図ることで、繰出金等の低減に努める。
補助費等に係る経常収支比率は類似団体・全国・県平均と比べ低い水準で推移しており、近年において大きな変動とはなっていない。今後も、現在行っている補助が団体等の既得権とならないよう、経常的に補助している事業も含め全ての補助対象事業を精査し、有効性の低い事業の見直しや削減、廃止を進める。
平成26年度に地域振興基金造成のため借り入れた19億円の元金償還が始まったことと、元金償還の据置期間を廃止したことにより新規借入分の元金償還とが重なったことにより一時的に公債費は増加していたが、減少に転じている。今後も建設事業の実施が予定されているが、公債費負担適正化計画に基づき、「返す以上に借りない」を原則として事業費の見直しや抑制を図り、毎年度の元金償還額を増加させないよう努める。
扶助費の増加や、公営企業会計や特別会計に対する繰出金の増加や扶助費の増加に伴い、比率が年々悪化しており、類似団体平均を下回る結果となった。今後は、健康増進施策や疾病予防施策の推進や、病院の経営方針の見直しを含めた経営改善により企業会計及び特別会計への繰出金を抑制することなど、一般会計の負担を減らし、経常収支比率の改善を図っていく。
(増減理由)・基金全体の残高は財政調整基金の取り崩し額が積立額を上回っているため、平成28年度末よりも372百万円減の16,746百万円となっている。(今後の方針)・平成30年10月に財政計画を定め、将来の需要や必要性を見据え計画的な基金造成に努める。・リニア中央新幹線まちづくり基金については、毎年度500百万円の積立てを平成31年度まで継続し、それ以降のリニア関連事業の財源として活用する。・公共施設整備運営基金については毎年度300百万円の積み立てを継続し、将来の公共施設の維持補修や取り壊し、施設更新の財源として活用する。・財政調整基金については財政の弾力性確保のために必要な一定水準の残高維持に努めることとしているが、今後リニア開業に向けその波及効果を最大限に活用するための大型事業が控えており、財政調整基金の残高は減少していく見込みである。一定水準を下回りそうな事態となった場合はリニア中央新幹線まちづくり基金と公共施設整備運営基金の積み立てをいったん休止し、財政調整基金の残高を維持することとする。
(増減理由)・財政調整基金は一般財源不足を補うため、また病院事業会計に対して資金不足の解消のため特別繰出として390百万円を繰り出しており、その財源として財政調整基金を取り崩すこととしたため、2,400百万円を取り崩すこととなった。・その結果平成29年度末残高は、前年度決算剰余金1,200百万円に対して取り崩しが2,400百万円であったため、前年度比1,195百万円減の4,500百万円となった。(今後の方針)・財政調整基金については財政の弾力性確保のために必要な一定水準の残高維持に努めることとしているが、今後リニア開業に向けその波及効果を最大限に活用するための大型事業が控えており、財政調整基金の残高は減少していく見込みである。一定水準を下回りそうな事態となった場合はリニア中央新幹線まちづくり基金と公共施設整備運営基金の積み立てをいったん休止し、財政調整基金の残高を維持することとする。
(増減理由)・平成28年度から借金を完済するまでの支払利子を減らすため、元金償還を一年後から始めていたものを、借り入れ直後から始めたことにより、一時的に増加した償還元金に対して減債基金を充当したことにより、平成29年度末残高は172百万円に減少した。(今後の方針)・起債の償還方法を満期一括償還方式を採用していないこともあり、今後積み増す予定はないが、据え置き期間の廃止等一時的に元利償還金が増加することなどの突発的要因に対する元利償還金へ充当していく予定である。
(基金の使途)・地域振興基金・・・市民の連帯の強化及び地域振興を図るための財源に充てるため・リニア中央新幹線まちづくり基金・・・リニア中央新幹線を活用したまちづくりの資金に充てるため・職員退職手当基金・・・市職員の退職手当の支給に要する財源に充てるため・公共施設整備運営基金・・・公共施設を整備するとともに、施設の健全な維持管理に要する資金に充てるため・しあわせづくり基金・・・健康づくりの推進、福祉活動の促進、快適な生活環境の形成等の資金に充てるため(増減理由)・リニア中央新幹線まちづくり基金については、財政計画上、「毎年度500百万円の積立てを平成31年度まで継続し、それ以降のリニア関連事業の財源として活用する。」としており、平成29年度も計画的に積み増しを行ったことにより、平成29年度末残高は前年度比501百万円増の2,715百万円となった。・職員退職手当基金は坂下病院及び坂下老人保健施設の退職金に充てるため、158百万円を取り崩したことにより、平成29年末残高は2,289百万円となった。・公共施設整備運営基金については、財政計画上、「毎年度300百万円の積み立てを継続し、将来の公共施設の維持補修や取り壊し、施設更新の財源として活用する。」としており、平成29年度も計画的に積み増しを行ったことにより、平成29年度末残高は前年度比295百万円増の1,864百万円となった。(今後の方針)・平成30年10月に財政計画を定め、将来の需要や必要性を見据え計画的な基金造成に努める。・リニア中央新幹線まちづくり基金及び公共施設整備運営基金については財政計画上積み立てを継続していくこととしているが、財政調整基金の残高が減少しており、今後財政調整基金が減少を続け、一定水準を下回りそうな事態となった場合はリニア中央新幹線まちづくり基金と公共施設整備運営基金の積み立てをいったん休止し、財政調整基金の残高を維持することとする。
平成29年度の有形固定資産減価償却率は54.3%であり、類似団体と比較して低い水準にあるものの、今後は公共施設の老朽化に伴う改修・更新への対策も必要となることから、中津川市公共施設等総合管理計画等に基づき施設の維持管理経費の削減や施設の民間移譲、統廃合を進めていく。
平成29年度の有形固定資産減価償却率は54.3%、将来負担比率は12.9%であり、類似団体内平均と比較して低い水準にある。今後も、中津川市公共施設等総合管理計画等に基づき施設の維持管理経費の削減や施設の民間移譲、統廃合を進めて有形固定資産減価償却率の上昇を抑制するとともに、公債費負担適正化計画に基づき返す以上に借りないを原則とした取り組みにより借金残高を減少させて将来負担比率を減少させていく。
平成18年度から25年度にかけて実施した計画的な繰上返済や公債費負担適正化計画に基づき、返す以上に借りないを原則とした取り組みにより、借金残高を減少させて将来負担比率は減少しているものの、平成26年度地域振興基金造成のため一時的に残高は増加したこと、病院事業会計に対して資金不足の解消のため特別繰出を行ったことにより、実質公債費比率は上昇に転じ、類似団体平均より高く推移している。今後も数値の上昇が想定されるため、一般会計だけでなく企業会計においても経営の効率化を進める中で借金の圧縮を行い、実質公債費比率の抑制に努める。
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