経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、前年度に比べ11.54ポイント増加し、これにより類似団体平均値を上回った。②累積欠損金比率は、発生していない。③流動比率は、類似団体平均値を下回っているものの100%を超えている。④企業債残高対給水収益比率は、類似団体平均値を下回っている。⑤料金回収率は、類似団体を上回り、給水に係る費用は給水収益で賄われている。⑥給水原価は、類似団体を上回っている。⑦施設利用率は、使用水量の減少に伴い年々、低下し、類似団体平均値を下回っている。⑧有収率は、類似団体平均値を上回っている。以上の結果から、①②より単年度収支は黒字を維持しており、累積欠損金も無い。また、水道事業収益が減少したものの、経常費用である受水費(県水購入費)等が減少し①が向上した。③より短期的な債務に対する支払能力があり、④より債務残高が低いことから経営の健全性は保たれていると考える。⑤より100%に達しており、給水に係る費用が給水収益で賄われている。供給した配水が効率良く収益につながっているものの使用水量の減少に伴い施設・費用面での効率性は悪化傾向にある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を上回っている。②管路経年化率は、類似団体平均値を上回っている。③管路更新率は、類似団体平均値を上回った。なお、平成28年度は類似団体平均値を上回っているが、これは平成27年度発注の工事の完成が平成28年度にずれ込んだためであり、更新投資が増大したものではない。以上の結果から資産の更新を上回るペースで管路等の資産の老朽化が進んでいる。今後も計画的に更新工事を進めていく必要がある。
全体総括
令和2年度において概ね健全な経営ができているが、給水収益が減少傾向にあるため、今後の経営は厳しくなると予測される。今後、費用の削減を更に進めていく必要があるが、安全な水道水を安定的に供給し続けていくために必要な施設の保守や維持管理を削減することは難しい。そのため、維持管理方法の工夫やダウンサイジング等を考慮した水道施設全体の中長期的な更新計画に基づき、計画的な更新を今後も継続して実施していく。