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2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2020年度)
財政力
財政力指数の分析欄
基準財政収入額においては、市税や地方消費税交付金が増加した一方で、基準財政需要額においては、社会福祉費や臨時財政対策債償還費が増加したことなどにより、令和2年度の指数は令和元年度と同じ0.71となった。類似団体平均を0.02~0.04下回る状況が続いているが、合併特例債など交付税措置のある市債残高の割合が上昇していることも影響しているため、合併特例期間終了後の推移をみながら比率の改善に努めていく。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
令和2年度は、歳入面においては、市税の減少を地方消費税交付金の増加が上回り、歳出面においては、人件費は増加したものの扶助費の減少が大きかったことから、比率は2.9ポイント低下し、類似団体平均との差は縮小に転じた。今後も引き続き、事務事業の見直しによる更なるコスト削減を進めるとともに、市税等の徴収強化などによる歳入確保を図ることで、経常収支比率の改善に努めていく。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
直近5ヵ年においては、類似団体内平均値の80%~85%程度の規模に抑えられており、これまでの人件費・物件費削減の取り組みが一定の成果となってあらわれていると思われる。令和2年度の人件費は、会計年度任用職員制度の開始に伴い増加したが、物件費については、選挙関連委託料や役務費の減少、また臨時職員賃金の廃止により減少となった。今後も引き続き、更なるコスト縮減に努めていく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
5ヵ年とも類似団体平均を上回る状況が続いているが、いずれも国を100%とした基準は下回っており、令和2年度の指数は、直近で最も高かった平成29年度よりも0.8ポイント低下していることから、今後も引き続き適正な給与水準の維持に努めていく。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
少人数学級編制事業の終了に伴う市費負担教職員数の減少により、令和元年度以降の職員数が減少している。平成29年度に策定した定員適正化計画に基づき、継続的に適切な定員管理を進めてきたため、全国平均、類似団体平均を下回って推移しており、今後も引き続き適正な定員管理に努めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
令和2年度は教育債元利償還金や土木債元利償還金が減少したことから、0.4ポイント改善し、2年連続の比率低下となった。類似団体内平均値を下回って推移しているため、今後も公債費負担の縮小に努めていく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
市債残高を削減する取組みを進めてきたことなどにより、将来負担比率は改善傾向で推移している。令和2年度は、新規借入額を元金償還額が上回ったことにより地方債現在高が減少していることに加え、残高に占める交付税措置率の高い地方債の割合が上昇しているため、将来負担比率は4.4ポイント改善した。今後は、老朽化する公共施設の改修や設備更新により、比率が上昇に転じることが考えられるため、計画的な長寿命化対策により、引き続き将来負担の軽減を図り、健全な財政運営に努めていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)
人件費
人件費の分析欄
令和2年度は、期末勤勉手当や時間外勤務手当の減少を会計年度任用職員制度開始の影響による増加が上回ったことから、比率としては1.5ポイントの上昇となった。平成29年度には、平成30年度以降5年間を計画期間とする「行田市定員適正化計画」を策定したところであり、この計画に基づいて引き続き適正な定員管理に努めていく。
物件費
物件費の分析欄
会計年度任用職員制度開始による賃金の廃止という減少要因に加え、委託料など他の物件費も減少となったことから、0.6ポイント低下した。2年連続して低下しているものの、依然として類似団体平均を上回っているため、事務事業全般の効率化を更に進め、物件費の縮減に努めていく。
扶助費
扶助費の分析欄
令和2年度は障害者福祉サービスや子ども医療扶助費などにおいて、利用の減少、給付実績の減少があったことから、比率は2.0ポイント低下した。類似団体平均を上回る状況が続いているが、これは子ども医療費などの市費単独の扶助費が多いことが要因として考えられるため、独自事業の見直しや上乗せ加算等の精査により、比率改善に努めていく。
その他
その他の分析欄
令和元年度に5.1ポイント比率が低下した主要因は、公共下水道事業における公営企業法の一部適用に伴い、繰出金から補助費等へ性質区分を変更したことによるものであり、令和2年度は公共下水道事業会計繰出金の一部を出資金へ振替えたことから、1.2ポイントの上昇となった。特別会計への繰出金については、一般会計の負担を軽減するため、保険料の負担適正化も含め、独立採算の原則に近付けるように検討していく。
補助費等
補助費等の分析欄
令和元年度は公共下水道事業会計が公営企業法の一部適用になり、性質区分が繰出金から補助費等へ変更となったことにより増加となったが、令和2年度は公共下水道事業会計繰出金の一部を出資金へ振替えたことから、比率としては2.5ポイントの低下となった。平成28年度から継続的に補助金等の見直しを行っていることから類似団体平均を下回っており、今後も引き続き補助金等の適正化を図っていく。
公債費
公債費の分析欄
教育債や土木債の元金償還金が減少したことから、前年度に比べて0.5ポイントの低下となった。類似団体内平均値に近い数字で推移しているが、直近3年間の比率は類似団体平均を上回っているため、引き続き市債残高削減の取り組みを続け、公債費負担の縮減に取り組んでいく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
平成30年度から比率の上昇が続いたが、令和2年度は地方消費税交付金の増加や扶助費の減少により、比率は2.4ポイント低下し、類似団体平均値との差は縮小した。補助費等においては類似団体平均を下回っているが、人件費、扶助費、物件費の比率が高くなっており、全体としては依然として類似団体平均を上回る状況が続いている。物件費などの経常経費の削減を図るとともに、歳入確保による経常一般財源等の増加を図ることで比率の改善に努めていく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
目的別歳出の分析欄
令和2年度決算額において最も大きい住民一人当たりコストは総務費となっており、前年度から101,798円の大幅な増加(+288.4%)となったが、新型コロナウイルス感染症対応のための特別定額給付金の給付や本庁舎の空調設備更新などの臨時的な要因によるものである。。次に金額が大きいものは民生費であり、社会保障関係経費の増加などにより増加傾向にあったものの、令和2年度においては、生活保護医療扶助費や認定こども園移行施設の整備費補助金が減少したことなどから、2,037円の減少(-1.5%)となった。また、商工費については、4,000円台で推移していたが、令和2年度は小規模事業者緊急支援事業、プレミアム付商品券発行事業、中小企業・個人事業主感染症防止対策費補助金補助事業といった感染症拡大に伴う経済対策の実施により、1,910円の増加(+28.8%)となり、2年連続の増加となった。全ての目的において類似団体平均値を下回って推移を続けているが、今後も限られた財源を有効に活用するため、事業の選択と集中を徹底することにより、持続可能な財政運営に努めていく。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
性質別歳出の分析欄
令和2年度決算額において最も大きい住民一人当たりのコストは補助費等となっており、前年度から103,982円の大幅な増加(+333.8%)となったが、これは新型コロナウイルス感染症対応のための臨時的な支出である特別定額給付金の給付や水道基本料金無償化(水道事業会計繰出金の増)による影響である。次に大きい住民一人当たりのコストは、扶助費であり、令和元年度まで類似団体平均値を上回って推移していたが、生活保護医療扶助費や障害者自立支援サービス等が減少したことから、前年度と比べて1,382円の減少(-1.6%)となり、類似団体平均値を下回った。扶助費が類似団体平均値を下回ったことにより、全ての性質において類似団体平均値を下回る結果となったが、行財政改革プログラムの実施をはじめとする様々な歳出削減への取り組みが、一定の成果として表れているものと考えられる。令和2年度の扶助費は減少に転じたものの、中長期的には扶助費をはじめとする社会保障関係経費の増加が見込まれるほか、公共施設の老朽化対策の本格化により維持補修費や普通建設事業費の増加も見込まれるため、事務事業の見直しや経常経費の削減を更に推進していく。
実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)
分析欄令和2年度は、新型コロナウイルス感染症対応のため、歳出は増加したが、地方消費税交付金や国庫支出金の増による歳入の増加が上回ったことから、3年ぶりの黒字となった。また、財政調整基金は、令和2年度は取崩さなかったものの、標準財政規模の拡大により、標準財政規模比としては減少し、3年連続の比率減少となった。今後も将来負担を見据えた計画的な財政運営により収支の均衡を図るとともに、災害等の突発的な財政需要にも対応できるよう、決算剰余金の状況に応じて財政調整基金へ積立てていく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)
分析欄各年度とも全会計で赤字を生じていない。令和2年度では、国民健康保険事業費特別会計や公共下水道事業会計において黒字幅が縮小したものの、水道事業会計、一般会計、介護保険事業費特別会計などにおける黒字額の増加が上回ったことから、全体では標準財政規模比29.54%と前年度から4.08ポイントの増加となった。なお、令和元年度から下水道事業が公営企業会計へ移行したため、従前の下水道事業費特別会計は「その他会計」に算入されている。今後も財政規模に見合った財政運営により、長期的に収支の均衡を保っていくよう努めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄市債残高削減の取組みにより、元利償還金が減少したことや下水道事業債残高の減に伴い「公営企業債の元利償還金に対する繰入金」が減少したため、元利償還金等は166百万円減少(-4.5%)となった。これに対して算入公債費等の額は、20百万円減少(-0.7%)となっており、差引額である実質公債費比率の分子は、前年度と比べて146百万円減少(-25.0%)している。
分析欄:減債基金満期一括償還の地方債は該当なし。
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将来負担比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄令和2年度は、一般会計及び公営企業会計において新規借入額が元金償還額を下回ったため地方債現在高が減少し、将来負担額は前年度と比べて1,640百万円の減少(-4.3%)となった。一方で、交付税算入率の高い地方債の割合が増加しているため、地方債現在高の減少に比べ基準財政需要額算入見込額の減少が小さく、充当可能財源等は1,043百万円の減少(-2.9%)にとどまっていることから、将来負担比率の分子は前年度比で598百万円の減少(-30.5%)となった。今後も事業の精査による借入の抑制や交付税措置率の高い事業債の選択などにより更なる財政健全化に努めていく。
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基金残高に係る経年分析(2020年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)ふるさとづくり基金で5百万円、教育振興奨励基金で9百万円を取崩したが、ごみ処理施設整備基金に150百万円を積立てたことや運用利子分の積立てをしたことから、146百万円増加となった。(今後の方針)中長期的な視点による持続可能な財政運営を行うため、計画的な積立と有効な活用を図っていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)財源不足を補うため、平成30年度に200百万円、令和元年度に50百万円の取り崩しを行ったことから減少が続いたが、令和2年度は取り崩さず、運用利子分の積立てをしたため、2百万円の増加となった。(今後の方針)景気の急激な変動による市税等の減収や災害の発生等の緊急的な支出に備えて、決算剰余金の状況に応じた積立てを行っていく。
減債基金
減債基金
(増減理由)運用利子分の積立てをしたため、0.2百万円の増加となった。(今後の方針)合併特例債発行期限を見据えつつ、金利の動向を踏まえながら、計画的な管理を進めていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興を目的とする事業の資金に充てる。ごみ処理施設整備基金:ごみ処理施設の整備に要する資金に充てる。職員退職手当基金:市職員の退職手当の財源に充てる。社会福祉事業費基金:社会福祉の増進を図るための事業資金に充てる。教育振興奨励基金:学校教育及び社会教育の振興資金に充てる。森林環境整備促進基金:森林の整備及び促進に必要な経費に充てる。(増減理由)・ごみ処理施設整備基金:新施設の建設に備え、150百万円積み立てたことにより、増加となった。・教育振興奨励基金:教育振興事業へ充てるため、9百万円取崩したことにより、減少となった。(今後の方針)・ごみ処理施設整備基金:新施設の建設に備え、計画的に引き続き積立てを行っていく。・教育振興奨励基金:教育振興に資する事業に毎年度有効活用していくとともに、今後も寄附金及び運用利子の積立てを行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率は上昇傾向であり、類似団体、全国、埼玉県平均よりも高い水準で推移している。公共施設等総合管理計画において、保有量の見直しや効率的な維持管理といった目標を掲げており、今後は老朽化した公共施設の統合、集約化・複合化、廃止などを計画的に進めていく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
地方債残高削減の取組の中で新規借入額を抑制しているため、分子である将来負担額は減少が続いているが、充当可能財源など他の項目の影響により、比率は増減しながら推移している。令和2年度は、将来負担額の減による分子の減少、地方消費税交付金の増による分母の増加により、比率は88.8ポイントの低下となった。今後は一般財源規模の縮小に合わせて借入と償還のバランスをとっていくとともに、新たな歳入確保の取組や補助金等をはじめとする事務事業全般の見直しによる歳出削減の取組を進めていく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
地方債残高削減の取組の中で新規借入額を抑制しているため、将来負担比率は年々低下しており、また類似団体を下回る水準で推移している。一方で、有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあり、類似団体よりも高い水準で推移している。主な要因としては、市の有形固定資産(償却資産)額のうち約18%を占める学校施設の有形固定資産減価償却率が高い(R01:75.8%、R02:77.1%)ことがあげられる。学校施設だけではなく、老朽化が進んでいる施設が多いため、今後は将来負担比率と有形固定資産減価償却率のバランスをみながら、施設の更新・除却・長寿命化修繕などを進めていく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して低い水準で推移している。実質公債費比率は平成30年度まではほぼ横ばいで推移していたが、令和元年度、2年度と比率低下が続いた。また、将来負担比率については、比率低下が進んでおり、2年連続して類似団体との比率の差は拡大した。これは、地方債残高削減の取組の中で、新規借入額を抑制してきたことによるものであり、当面は低下傾向が続く見込みとなっている。しかし、公共施設等総合管理計画に基づく施設の更新、統廃合などを進めていく中で、比率が上昇に転じることも考えられることから、計画的な長寿命化対策により、将来負担の増加を抑制し、健全な財政運営に努めていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、【橋りょう・トンネル】、【公営住宅】、【認定こども園・幼稚園・保育所】、【学校施設】、【児童館】であり、低くなっている施設は、【道路】、【公民館】である。【認定こども園・幼稚園・保育所】については、市内に3つある保育園が全て昭和50年代に建てられたものであり、減価償却が進んでいることから有形固定資産減価償却率が高くなっている。【学校施設】は、小学校(16校)・中学校(8校)において、耐震改修や大規模改修を実施しているものの、最も新しく建てられた施設でも昭和61年度であり、有形固定資産減価償却率が高くなっている。また、一人当たり面積は類似団体数値と同程度ではあるが、児童数・生徒数は1990年頃をピークに減少しており、学校再編や老朽化対策を進めていく必要がある。【公営住宅】は、築30年以上経過した施設が多くあり、有形固定資産減価償却率が高くなっている。令和2年度は空き家となった老朽化した住宅5棟の解体工事を実施したことにより、延べ床面積が減少し、一人当たり面積も減少した。【公民館】については、中央公民館(平成14年度)や桜ヶ丘公民館(平成23年度)の新設、忍・行田公民館(平成28年度)の建替を行っていることにより、有形固定資産減価償却率が低くなっている。
施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、【図書館】、【福祉施設】、【市民会館】、【一般廃棄物処理施設】、【保健センター・保健所】、【消防施設】、【庁舎】であり、低くなっている施設は【体育館・プール】である。【体育館・プール】については、主な資産である総合体育館は平成6年度に建築された施設であり、法定耐用年数である47年のうち経過年数が26年であること、平成29年度に非構造部材耐震改修工事を行っていることから有形固定資産減価償却率が低くなっている。【市民会館】については、産業文化会館(昭和45年度建築)や商工センター(昭和57年度建築)といった減価償却が進んでいる施設があり、類似団体よりも高い指標での推移となっているものの、男女共同参画推進センター(平成18年度建築)や教育文化センター(平成14年度建築)などの比較的新しい施設があることから、他の有形固定資産減価償却率と比較すると低い数値となっている。令和2年度は産業文化会館空調設備改修事業や観光物産館改修事業の実施等により、比率の伸びは縮小した。【庁舎】については、市役所本庁舎は耐震改修等の大規模改修工事を実施してはいるものの、昭和44年度に建築された施設であり、建築から50年を経過しているため、有形固定資産減価償却率が高くなっている。令和2年度は本庁舎空調設備改修事業を実施したことなどにより、比率は低下に転じた。
財務書類に関する情報①(2020年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等は、建設工事等による資産の増加を減価償却による資産の減少が上回る状況が続いていることや平成30年度、令和元年度に財政調整基金を取崩したことなどにより、資産総額の減少が続いていた。令和2年度は業務活動収支の増加により現金預金が715百万円増加したことや、ごみ処理施設整備基金に150百万円積立てたことにより基金が増加したため、資産総額は412百万円の増加(+0.5%)に転じた。負債総額は、地方債の新規発行額を償還額の範囲内に抑えていることから地方債721百万円減少したことなどにより、574百万円の減少(△1.9%)となり、減少で推移している。公営事業会計を加えた全体では、令和元年度から公共下水道事業会計が地方公営企業法の適用となり、連結の対象となったことから、資産総額及び負債総額は大幅な増加となった。一般会計等との差額は、主に水道事業会計と公共下水道事業会計に基因するもので、資産には水道の配水管や排水設備、下水道管渠といったインフラ資産を計上している。令和2年度の資産総額としては、588百万円の減少(△0.5%)、負債総額は1,900百万円の減少(△3.2%)となった。一部事務組合や出資団体を加えた連結では、連結団体の資産・負債が比較的小規模であるため、全体の増減の影響が大きく、令和2年度の資産総額は前年度から371百万円の減少(△0.3%)、負債総額は1,907百万円の減少(△3.1%)となっている。
2.行政コストの状況
一般会計等の純行政コストは230億円前後で推移していたが、令和2年度においては、経常収益の減少と経常費用の増加により、8,238百万円増加(+35.0%)し、300億円を超える水準となった。主な要因は、経常費用が7,902百万円増加(+32.2%)したことによるもので、経常費用の増減理由としては、補助金等が8,543百万円の増加(+173.8%)、社会保障給付が459百万円の減少(△8.2%)となっている。なお、補助金等の大幅な増加は、特別定額給付金の給付や水道基本料金無償化などの新型コロナウイルス感染症対応によるものである。一般会計等と全体との純行政コストの令和2年度における差額は13,548百万円となっている。要因としては、経常収益が水道事業会計の水道料金や公共下水道事業会計の下水道使用料等の計上により2,199百万円多くなっているものの、経常費用が国民健康保険事業費特別会計、介護保険事業費特別会計の負担金の計上により15,747百万円多くなっていることによるものである。連結と全体との令和2年度の比較では、経常収益は242百万円経常費用は6,114百万円多くなっていることから、純行政コストの差は5,872百万円となっている。
3.純資産変動の状況
令和2年度の一般会計等は、財源の増加(+9,286百万円。+39.6%)が純行政コストの増加(+8,238百万円)を上回ったことから、純資産残高が3年ぶりの増加となった。主な要因としては、地方消費税交付金の増加により税収等が96百万円増加(+0.6%)したほか、新型コロナウイルス感染症対応に伴う国庫支出金の増加により国県等補助金が9,192百万円増加(+152.7%)となったことによるものである。平成30年度までの全体と一般会計等の純資産残高の差額は、主に水道事業会計の影響によるもので、令和元年度以降は、新たに連結対象となった公共下水道事業会計の影響が加わっており、令和2年度における差額は15,209百万円となっている。なお、前年度との比較では、一般会計等の影響を除くと327百万円の増加となっており、水道事業会計の純資産増加が主な要因となっている連結と全体との純資産残高の差額は、主に彩北広域清掃組合、埼玉県後期高齢者医療広域連合の影響によるもので、令和2年度における差額は1,530百万円となっている。なお、前年度との比較では、全体の影響を除くと223百万円の増加となっており、埼玉県後期高齢者医療広域連合における純資産増加が主な要因となっている。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、資金収支のマイナスが続いていたが、令和2年度においては業務活動収支が926百万円プラスとなったことなどから資金収支もプラスに転じ、本年度末資金残高としては710百万円増加の1,642百万円となった。業務活動収支の増加要因としては、業務支出が7,953百万円増加したものの、地方消費税交付金の増加により税収等収入が70百万円の増加、国庫支出金の増加により国県等補助金収入が9,142百万円増加となったことによるものである。財務活動収支については、引き続きマイナスとなっているが、これは地方債残高削減の観点から、地方債等償還支出(2,599百万円)を上回らないよう地方債等発行収入(1,908百万円)を抑制していることが影響している。全体と一般会計等の差が大きいのは業務活動収支(+1,023百万円)だが、主な要因としては、税収等収入として国民健康保険税や介護保険料を計上していること、使用料及び手数料収入に水道料金や下水道使用料(令和元年度より連結対象)を計上していることによるものである。令和2年度における連結の業務活動収支は、2つの連結対象団体において業務活動収支がマイナスとなったものの、他の団体の収支のプラスが上回ったことから、全体と比べて285百万円多くなっている
財務書類に関する情報②(2020年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は類似団体平均値を下回る水準で推移している。令和2年度においては、本市が現金預金の増加の影響等により1.4万円増加したのに対し、類似団体は3.6万円減少したことから、差は5万円に縮小している。歳入額対資産比率は3年前後で推移していたが、令和2年度は感染症対応の国庫支出金の増加等により歳入総額が増加し、0.68年減少した。類似団体も0.91年減少しているため、令和元年度以前に引き続き類似団体の80%程度の水準となっている。有形固定資産減価償却率は、類似団体を上回って推移しており、令和2年度は類似団体が0.7ポイント上昇したのに対し、本市は1.1ポイントの上昇となったことから類似団体との差は7.1ポイントに拡大している。厳しい財政状況の中、建設事業を抑制してきたために老朽化資産の割合が高くなっていることが指標に表れたものと考えられることから、今後、施設の統合、集約化・複合化、長寿命化修繕を計画的に進めていく必要がある。
2.資産と負債の比率
純資産比率は、類似団体より低い水準で推移している。これは、地方債残高削減の取組により、資産形成となる建設事業費が減少し、資産形成を伴わない負債(臨時財政対策債等)の割合が大半を占めているためである。将来世代負担比率は、平成29年度以降、類似団体を下回る水準で推移しており、その差は拡大傾向にある。この要因としては、建設事業の抑制により資産の減少が続く中、地方債発行額も抑制してきたことにより、特例地方債を除いた地方債残高の減少が続いているためである。中長期的には、公共施設等の長寿命化を計画的に実施しつ1つ、世代間負担の公平性を考慮した適正な施設更新・集約化を進めていく必要がある。
3.行政コストの状況
人口減少が続く一方で、純行政コストも減少していたことから、住民一人当たり行政コストは横ばいで推移していたが、令和元年度は純行政コストが増加に転じたことから、1.2万円増加となった。令和2年度には、特別定額給付金の給付などの新型コロナウイルス感染症対応により、純行政コストが大幅に増加したことから、10.5万円の増加となったが、類似団体よりは低い水準は維持している。人口減少については今後も進展することが見込まれる一方で、社会保障関係経費や施設の老朽化に伴う維持管理費用の増加が見込まれることから、住民一人当たりコストは増加していくことが見込まれ、行財政改革の更なる推進を図る必要がある。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、減少傾向が続いており、類似団体の80%程度で推移しているが、その差は徐々に拡大しており、令和2年度の差額は11.1万円となっているこれは、地方債残高の削減を実施してきた結果であり、財政の健全性を示すものともいえるが、住民一人当たり資産額や有形固定資産減価償却率の状況を踏まえると、公共施設等の長寿命化対策を計画的に推進していく必要があるものと考えられる。令和2年度の基礎的財政収支は、前年度から762百万円増加し、類似団体を大きく上回っているが、これは、業務活動収支のプラスが投資活動収支のマイナスを大きく上回っていることによるものである。今後は、財政の健全性と公共施設等の長寿命化対策とのバランスを図りながら、計画的な投資を検討していく。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、類似団体を下回る水準で推移しており、平成30年度にはその差は0.8ポイントにまで拡大していたが、令和元年度には0.4ポイントに縮小した。令和2年度は、特別定額給付金の給付や水道基本料金無償化による経常費用の増、給食費無償化による経常収益の減といった新型コロナウイルス感染症対応により、比率は2.0ポイント減の2.1%と類似団体を下回る結果となった。今後も使用料・手数料の見直しによる受益者負担の適正化のほか、行財政改革や事業見直しを進め、経常費用の縮減に努めていく必要がある。
類似団体【Ⅱ-2】
江差町
洞爺湖町
弟子屈町
宮古市
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大郷町
大館市
五城目町
八郎潟町
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