経営の健全性・効率性について
【➀経常収支比率】前年度において、新型コロナウイルス感染症を踏まえた水道料金の一部免除を行った影響により給水収益が一時的に減少していたことから、令和3年度は3.05ポイント良化し、117.63%となりました。【②累積欠損金比率】令和3年度は0.0%で、直近5年間においても累積欠損金は生じていません。【③流動比率】継続して100%を超えており、短期的な債務の支払能力は確保されています。【④企業債残高対給水収益比率】企業債の新規借入額の抑制に努め、企業債残高は年々着実に減少傾向にあります。令和3年度は、給水収益が前年度より増加したことから、12.21ポイント良化しました。【⑤料金回収率】令和3年度は100%以上を維持しており、全国平均と比較しても良好な数値であり、給水に必要な経費を料金で賄うことができています。【⑥給水原価】令和3年度は、委託費などの費用の増加により、0.97円微増の236.48円となりました。配水量の多くを受水で賄っていることから、類似団体平均値より高くなっています。【⑦施設利用率】前年度までは、計画策定時の一日配水能力の数値を使用していましたが、実際に即した数値に見直したことで向上しました。今後も災害に対する備え等を考慮し、適切な施設規模を確保していきます。【⑧有収率】漏水調査の促進等により、全国平均や類似団体平均値と比較して高い水準を維持しているものの、引き続き、無効水量の減少対策に努めていきます。
老朽化の状況について
【➀有形固定資産減価償却率】【②管路経年化率】類似団体平均値と比較し、管路の老朽化率は低く保たれていることから管路は健全な状態と判断されます。これは、管路の経過年数が短いことによるものです。【③管路更新率】類似団体平均値と比較し、高い値で推移しております。これは、管路の耐震化も含めた更新事業を計画的に実施していることによるものです。
全体総括
上記1.経営の健全性・効率性の指数が示す評価から、経営の健全性は保たれており効率性は図られていると判断できます。また、上記2.老朽化の状況から、現状では健全な管路状態と判断できますが、将来予測においては大量の更新投資が必要となることから、今後も持続可能な水道事業を維持するため、水道施設の特性を踏まえつつ、効率的かつ効果的な取り組みとして本市の「施設整備計画」に基づいた管路更新に努めていきます。水道事業を取り巻く経営環境は、人口減少社会の到来等に伴う水道料金の減収など厳しい状況となることが予測されていますが、将来にわたって持続的・安定的に水道水を供給するため、計画的かつ合理的な経営を実践し、経営基盤の強化を図っていきます。