経営の健全性・効率性について
令和3年度決算においては、類似団体平均と比較して、①~⑤の指標は良好な数値である反面、⑥~⑧の指標は、改善を要する数値となっている。①経常収支比率については、収益の大部分を占める給水収益が、給水人口の低下や新型コロナウイルスによる生産活動の停滞などにより減少し、前年度から2.52pt減少した。④企業債残高対給水収益比率については、給水収益に対する企業債残高が過大にならないように借入を行っていることから、今後も内部留保と起債残高に留意しながら借り入れ調整を行う必要がある。⑤料金回収率については、給水収益の減収により、前年度から2.92pt減少したものの、100%以上を維持しており、今後も更新投資の調整等により健全経営に努める必要がある。⑥給水原価及び⑦施設利用率については、当市の半島部・島しょ部を抱える地理的な要因に加え、給水人口の減少等の影響によって低下傾向にあり、数値の改善が必要であることから、施設の統廃合や適切な施設規模への見直しをはじめ、今後の整備事業計画における施設のダウンサイジングを行うなど、効率的な投資に努める必要がある。⑧有収率については、漏水箇所の修繕等により、前年度から0.1pt微増しており、H30年度豪雨災害前の水準と比較して改善ができてきている。今後においても、管路の修繕や更新、漏水調査等の取り組みを強化し、更なる改善に努める必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、前年度から0.14pt上昇し、②管路経年化率についても、前年度から8.79pt上昇した。これらの点は、昭和50年代を中心に拡張整備事業を多く実施したことや、平成17年度の1市3町合併により、老朽化した多くの施設を管理することになった影響が大きく、今後においても津島水道企業団との事業統合(令和6年度末)により、さらに多くの施設を管理しなければならなくなることから、今後、これらの数値を改善していくため、老朽管路や施設の更新については、統廃合や優先順位、財源などを十分勘案しながら、効果的に実施していく必要がある。③管路更新率については、前年度から0.54pt上昇した。H30年度豪雨災害前の水準以上まで回復し、類似団体平均を0.46pt上回っているが、今後も健全経営の維持に十分留意しながら更新に努めていく必要がある。
全体総括
令和3年度決算における損益収支は、新型コロナウイルス感染拡大の影響などもあり収益の減少はあったものの、費用も減少したことから、概ね堅調に推移しているものと考えている。今後、計画的な施設等の更新や施設規模の適正化を推進するため、次期建設計画を策定中(令和6年度策定予定)であるが、令和6年度末に津島水道企業団との統合(広域化)を予定していることから、更なる健全経営に努める必要がある。