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景気状況が緩やかに回復傾向ではあるが、税収は平成24年度から28年度まで横ばいとなっている。類似団体の中でも上位であるが、今後も引き続き事務事業の見直しによる歳出削減や収納率向上対策等により財政基盤の強化に努める。
分母である経常一般財源等歳入合計は地方消費税交付金の減、地方交付税の減により平成27年度に比べ約2.1億円の減となった。さらに分子である経常経費充当一般財源等は人件費及び物件費等の増により平成27年度より3.7億円の増となった。結果として、経常収支比率が3.5ポイントの増となっており、類似団体の中でも下位であるため、今後も市税の徴収強化等による収入確保を図るとともに、積極的な財源確保、事務事業の効率化や組織の適正化により、人件費や物件費等経常的歳出の削減に努める。
人件費、物件費等決算額の人口1人当たりの金額が平成25年度以降増加しているが、平成28年度は微減している。主な要因としては、防災行政用無線の更新整備の進捗などによる物件費の減である。結果として決算額は、類似団体平均を下回っているものの、今後も引き続き事務事業の効率化や組織の適正化により、人件費や物件費等経常的歳出の削減に努める。
現状では、全国市平均を3.1ポイント、類似団体平均を3.8ポイント上回っている。平成25年度は、国の給与水準が引き戻されたことが主な要因となり8.3ポイント減少し、平成26年度は、同水準で推移している。平成27年度は、労働組合との交渉が妥結に至らず、給与制度の総合的見直しが未実施だったため、0.8ポイント増加している。平成29年度は、昇格抑制の実施や昇給制度の見直し等により、0.4ポイント減少している。今後、人事院勧告に基づき、国公に準拠することを基本として、ラスパイレス指数100未満を当面の目標とする。
観光業務、保育業務や農政業務が増加したが、機構改革や国勢調査業務の終了により人口千人当たりの職員数は減少した。今後も引き続き、民間委託や再任用職員の知識・経験の活用などにより、行政サービスの水準を低下させることなく、事務事業の効率を進め、業務量に見合った職員配置に努める。
平成28年度の実質公債費比率については、分子である臨時財政対策債の償還額の増による元利償還金の増などや、分母の標準税収入額の増などにより全体で増となった。結果、単年度実質公債費比率は前年度と比較すると増加したが、単年度公債費比率高かった25年度分を算入しなくなったため、3ヵ年平均とすると減となった。
将来負担比率(分子)は、地方債の借入を抑制したことにより、償還額が発行額を上回ったことで地方債の現在高が6.8億円減及び水道特別会計の起債残高の減に伴い、公営企業債等繰入見込額が7.5億円の減になったことにより、平成27年度と比べ全体4.8億円の減少となっている。将来負担比率は改善しているものの、類似団体平均を上回っているため、今後も引き続き、中・長期的な展望に基づいた計画的な事業展開を図り、起債に大きく依存しない健全な財政運営に努める。
人件費割合が類似団体平均を上回っている要因として、ごみ収集事業等を直営で運営していることや、高年齢職員が多いことにより給与水準(ラスパイレス指数)が類似団体平均を上回っていることが挙げられる。28年度は退職者の増による退職手当の増などで、前年度に比べて1億1千万円、2.1%の増となっている。今後も、業務の民間委託や再任用職員の知識・経験の活用などによる効率的な運営に努め、引き続き人件費の抑制を図る。
物件費割合が類似団体平均を上回っている主な要因として、放課後児童クラブの運営経費の増などによる委託料の増加が挙げられる。今後民間委託化を進めていく中で、人件費から委託料へのシフトが起こることが予想されるため、行政サービスの水準を低下させることなく、最適な手法により民間活力の積極的な活用を図る。
扶助費割合は生活保護受給世帯数の自立等の増加により、生活保護費が減少したことにより、前年度と比較すると減しているが、依然として類似団体平均を上回っている。引き続き就労支援プログラムを活用するとともにハローワークと連携し、生活保護受給者の社会的自立を進めることで、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他の割合が類似団体平均を上回っているのは、繰出金の増が主な要因である。下水道、介護保険及び国民健康保険事業特別会計への繰出金が多額になっていることが挙げられる。今後、下水道事業については経費を節減するとともに、独立採算の原則に立ち返った料金の値上げの検討、介護保険及び国民健康保険事業会計についても保険料の適正化などにより、税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。
補助費の割合が10%弱で推移したおり、類似団体平均を下回っている。補助費等のうち、市の出資する一部事務組合(清掃施設組合)の負担金が3割を占めており、新ごみ処理施設建設工事等の進捗により負担金が増加している。工事コストの縮減と世代間負担の平準化を図るため、構成市で協議を行っていく。
公債費割合が類似団体を約5ポイント下回っており、概ね横ばいで推移している。今後も引き続き、元利償還金の推移を的確に推計し、市の全会計でプライマリーバランスの黒字を維持していく。
将来負担比率は類似団体と比較して高いものの、実質公債費比率については低い状態にある。将来負担比率・実質公債費比率ともに下落傾向にあり、これは当市における財政運営上の取り組みとして、決算を見据え、地方債の新規発行額を可能な限り抑止してきた成果である。将来負担比率は依然として類似団体比較では高い傾向にあり、引き続き新規発行額を抑える取り組みを継続する必要がある。
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