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2012年度
2011年度
2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2022年度)
財政力
財政力指数の分析欄
本県は、首都圏に位置し、大規模法人が多いことから、全国的に見て県税収入の割合が高く、財政力指数は0.85と全国平均の0.49の1.7倍、グループ内平均と比較しても1.3倍と、高い財政力を有している。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
令和3年度は、普通交付税の追加交付で臨時財政対策債償還基金費が創設された特殊要因に伴い、分母である経常一般財源が増となり、数値が大きく改善した。令和4年度は、令和3年度の特殊要因が皆減したことで、経常一般財源が減となったことなどにより悪化した。なお、本県の財政構造は人口規模に応じて配置する警察官や教職員の人件費負担が多いことに加え、社会保障関係費が増加し、経常収支比率は高い傾向にあるため、今後も引き続き、人件費の抑制、県債の適切な管理、事務事業の見直し等により、歳出の適正化に努めていく。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額は65,055円とグループ内団体一低いコストとなっている。主な要因として、本県では全国に先駆けて平成9年から行政システム改革に取り組み職員数全体の伸びを抑えてきたためである。また、平成29年度の県費負担教職員の給与負担事務の政令市への移譲による影響も一因である。今後も引き続き、行財政改革に取り組んでいく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
職員の採用・退職、育児休業代替任期付き職員の増加等により、職員階層が変動し、前年度から0.9ポイント減少した。職員の給与水準は県内民間企業との均衡を基本としており、県内民間企業の給与水準は全国平均を上回る状況にあるため、本県のラスパイレス指数は高くなる傾向にあるが、今後も引き続き、給与制度全般にわたり厳正な運用に努めていく。
定員管理の状況
人口10万人当たり職員数の分析欄
簡素で効率的な県政の実現を目指し、全国に先駆けて平成9年度から行政改革に取り組み、一般行政部門の人口10万人当たり職員数は全国最少となっている。職員・組織・仕事の質を向上させ、行政組織の総合力を高める「質的向上」に着目した改革を進めており、引き続き業務量に応じた適切な定数管理に努めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
令和4年度は前年度より0.2ポイン上昇し、9.4%となったものの、早期健全化基準(25%)を大きく下回っており、依然として低い水準にある。これは、令和3年度の特殊要因(普通交付税の追加交付で臨時財政対策債償還基金費が創設)が皆減したことに伴い、分母である標準財政規模が減となったことに加え、交付税措置されない県債(新型コロナウイルス感染症の影響等により地方税の徴収猶予に伴い生じる一時的な減収に対応するために発行した猶予特例債)の元利償還金が増したことによるものである。今後も、県債発行の適切な管理を行う等、健全な財政運営に努めていく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
令和4年度は前年度より8.9ポイント減少し、72.7%となり、早期健全化基準(400%)を大きく下回っている。これは、県債現在高の減少に加え、将来負担額に充当可能な基金が増加したことによるものである。なお、令和3年度からの将来負担比率の大幅な改善の主な要因は、普通交付税の後年度精算に備えた交付税精算基金への積立等、将来負担額に充当可能な基金への積立を多く行ったことによるもので、後年度の基金活用により将来負担比率が悪化する可能性もあることから、今後も県債の適切な管理を行うことで健全な財政運営に努めていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)
人件費
人件費の分析欄
平成29年度の県費負担教職員の給与負担事務の政令市への移譲により大幅に人件費が減となりグループ内で最も低い数値となっている。令和4年度は、警察職員の人件費が増となったことに加え、令和3年度の特殊要因(普通交付税の追加交付で臨時財政対策債償還基金費が創設)の皆減などにより分母である経常一般財源が減となったことから、前年比2.2ポイントの上昇となった。今後も引き続き、人口規模に応じた職員の適正配置に取り組んでいく。
物件費
物件費の分析欄
令和3年度の特殊要因(普通交付税の追加交付で臨時財政対策債償還基金費が創設)の皆減などにより分母である経常一般財源が減となったことから、前年比0.4ポイント上昇し、依然として、グループ内平均を上回っている。今後も引き続き、事務事業の見直しや業務の効率化などに取り組んでいく。
扶助費
扶助費の分析欄
平成30年度から政令市へ難病患者医療費に関する事務を移譲したことの影響などにより数値が低下し、グループ内平均を下回っている。令和4年度は、前年比0.1ポイントの上昇とほぼ横ばいとなった。県民生活に直接かかわる経費であるため、今後も引き続き、適切に対応していく。
その他
その他の分析欄
平成30年度、国民健康保険事業が新たに普通会計外となったことによる繰出金の増などの影響により大幅に数値が上昇した。令和4年度は、国民健康保険都道府県財政調整繰出金が増となったことに加え、令和3年度の特殊要因(普通交付税の追加交付で臨時財政対策債償還基金費が創設)の皆減などにより分母である経常一般財源が減となったことから、前年比0.6ポイントの上昇となった。
補助費等
補助費等の分析欄
平成30年度、国民健康保険事業が新たに普通会計外となった影響等により数値が低下したものの、令和元年度以降は、幼児教育の無償化への対応等により数値が上昇。令和4年度は、団塊の世代が後期高齢者医療制度に移行することに伴い後期高齢者医療定率負担金等が増となったことに加え、令和3年度の特殊要因(普通交付税の追加交付で臨時財政対策債償還基金費が創設)の皆減などにより分母である経常一般財源が減となったことから、前年比3.0ポイントの上昇となった。
公債費
公債費の分析欄
県債管理目標として「令和5年度までに県債全体の残高を2兆円台に減少」を掲げて、県債の発行抑制に取り組んでいる。令和4年度は、公債費が増となったことに加え、令和3年度の特殊要因(普通交付税の追加交付で臨時財政対策債償還基金費が創設)の皆減などにより分母である経常一般財源が減となったことから、前年比3.6ポイントの上昇となった。公債費は、令和4年度にピークを迎え、今後は中長期的に減少していくことが見込まれるため、県債管理に係る良好な状態を維持しつつ、必要な投資を抑制することなく、県債の適切な管理を行うことで健全な財政運営に努めていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
平成29年度の県費負担教職員の給与負担事務の政令市への移譲により大幅に人件費が減となったため数値が低下したものの、令和元年度以降は幼児教育の無償化への対応等により数字が上昇した。令和4年度は、社会保障関係費の増に伴い補助費等が増となったことに加え、令和3年度の特殊要因(普通交付税の追加交付で臨時財政対策債償還基金費が創設)の皆減などにより分母である経常一般財源が減となったことから、前年比6.3ポイントの上昇となった。今後も事務事業の見直しに取り組むなど、健全な財政運営に努めていく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
目的別歳出の分析欄
総務費は、グループ内平均に近い水準で推移している。令和4年度は、普通交付税の後年度精算に備えた交付税精算基金等への基金積立が減少したことなどにより減少している。民生費は、グループ内平均を下回って推移している。高齢化に伴う社会保障関係費の増に加え、令和4年度は、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金に係る返納金の増などにより増加している。商工費は、グループ内平均を下回って推移している。令和4年度は、新型コロナウイルス感染症への対応に伴う事業者への協力金(感染症拡大防止協力金)の減などにより減少している。公債費は、過去に発行した臨時財政対策債の償還により増加傾向にあるものの、県債発行の適正化に取り組んでおり、グループ内平均と比べて低い水準で推移している。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり270,586円となっている。人件費は、平成29年度の県費負担教職員の給与負担事務の政令市への移譲から大幅に減少し、グループ内団体と比較して低い水準で推移している。令和4年度は、警察職員の人件費の増により増加している。物件費は、グループ内団体と比較して低い水準で推移している。令和4年度は、感染症拡大防止協力金の支給に係る事務費の減等により減少している。補助費等は、グループ内団体と比較して低い水準で推移している。令和2年度以降は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策により大幅増となっているものの、令和4年度は、感染症拡大防止協力金事業費の減等により減少している。普通建設事業費は、道路建設などを県内に抱える3つの政令市が担っていることから、グループ内平均と比べて低い水準で推移している。令和4年度は、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金活用事業(感染症患者入院医療機関等設備整備費補助等)の減等により減少している。公債費は、過去に発行した臨時財政対策債の償還により増加傾向にあるが、県債発行の適正化に取り組んでおり、グループ内平均と比べて低い水準で推移している。積立金は、令和2年度以降グループ内平均を上回る水準で推移している。令和4年度は、普通交付税の後年度精算に備えた交付税精算基金や臨時財政対策債償還基金費に係る基金積立の減等により減少している。
実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)
分析欄令和4年度の実質収支額は、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の不用額(国への返納未済額)による特殊要因で、大幅な黒字となっているものの、この特殊要因を除いた実質収支は例年(令和2年度を除く)と同程度の規模となる。令和4年度の実質単年度収支では、令和4年度の財源対策として、財政調整金を取崩しているため(547億円)、マイナスとなっている。令和4年度末の財政調整基金の残高は、令和4年度の財源対策で活用したことに加え、3年度に交付された普通交付税の後年度精算分を4年度に新設した交付税精算基金へ移管したこと等により減少している。そのため、財政調整基金の4年度末残高は、本県の目標残高の目安である標準財政規模の5%に満たないため、今後も計画的な積立に努めていく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)
分析欄一般会計及び特別会計の実質収支は黒字である。また、公営事業会計においても、全ての会計で資金不足が生じていないため、連結実質赤字比率は該当がない。今後も引き続き、慎重な財政運営に努めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄令和4年度は、県債の償還がピークを迎えたことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響等により地方税の徴収猶予に伴い生じる一時的な減収に対応するために発行した猶予特例債の元利償還金が生じたことで、実質公債費比率の分子は増加している。今後、中長期的には県債残高や公債費は、減少していくことが見込まれるものの、老朽化した県有施設の更新や長寿命化、災害に強い施設整備等を進めていく必要があるため、引き続き、県債管理に係る良好な状態を維持しつつ、県債の適切な管理を行うことで健全な財政運営に努めていく。
分析欄:減債基金減債基金積立相当額の積立ルールが30年償還で毎年度の積立額を発行額の30分の1として設定しているのに対して、本県では10年債及び20年債の新規発行及び借替債発行において3年の据え置き期間を設定していたため、減債基金残高と減債基金積立相当額に乖離が生じている。なお、本県では、令和3年度より減債基金積立の据え置き期間を3年から1年に変更したことにより、この乖離は今後も縮小していく見込みである。
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将来負担比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄これまで県債残高が拡大してきた要因の1つである、過去に大量発行した県債の償還を進めたことで、一般会計等に係る地方債の現在高が減少している。加えて、普通交付税の後年度精算に備えた交付税精算基金への積立や、安心してこどもを生み、育てることができる社会を実現するための子ども・子育て基金を新たに創設したこと等により、充当可能基金が増加している。以上の要因により、将来負担比率の分子は減少している。充当可能基金は、後年度の基金活用により減少する可能性もあることから、今後も県債の適切な管理を行うことで健全な財政運営に努めていく。
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基金残高に係る経年分析(2022年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)・2年度末残高は、財政調整基金の増(+492億円)、減債基金の減(-269億円)等により、基金全体で元年度末残高より342億円増加。・3年度末残高は、財政調整基金の増(+809億円)、減債基金の増(+642億円)等により、基金全体で2年度末残高より1,625億円増加。・4年度末残高は、減債基金の減(-121億円)等により、基金全体で3年度末残高より121億円減少。(今後の方針)・財政調整基金については、不測の事態で生じる財政需要へも対応できるよう一定規模の積立は必要であるため、将来への備えとして残高の確保に努めていく。また、特定目的基金については、各基金の目的に従って適正な管理・運用を行っていく。
財政調整基金
財政調整基金
・3年度の財源対策として積み立てたこと等による増(+492億円)。(2年度)※2年度末残高は1,108億円あるが、3年度の財源対策活用分691億円(3年度当初予算時点で取崩しを予定)を除いた実質残高は417億円。・3年度に交付された普通交付税の後年度精算に備えた積立(751億円)等による増(+809億円)。(3年度)※3年度末残高は1,917億円あるが、交付税精算分750億円(4~6年度に取崩しを予定)、4年度の財源対策活用分547億円(4年度当初予算時点で取崩しを予定)を除いた実質残高は620億円。・4年度の財源対策としての取崩(-547億円)や交付税精算分の特定目的基金への移行(-750億円)等による減(-1,255億円)。(4年度)(今後の方針)・本県では、過去に2,000億円規模の税収減を経験していることから、こうした不測の事態に備えて、県単独で行っている福祉、医療など、県民生活に直結する事業に影響を及ぼさないよう、標準財政規模の5%(5年度:約698億円)を目安とした積立に努めていく。
減債基金
減債基金
(増減理由)・償還財源に充当するための取崩しによる減(-269億円)。(2年度)・3年度に追加交付された普通交付税(臨時財政対策債償還基金費)の一部の積立(392億円)及び県債償還額の平準化に備えた積立(250億円)による増(+642億円)。(3年度)・臨時財政対策債償還基金費(97億円)や県債償還額の平準化に備えた積立(24億円)の取崩し等による減(-121億円)。(4年度)(今後の方針)・3年度に行った普通交付税(臨時財政対策債償還基金費)の一部積立(392億円)及び県債償還額の平準化に備えた積立(250億円)は、4年度に121億円取崩し(内訳:臨時財政対策債償還基金費97億円、県債償還額の平準化24億円)。残余は5~6年度に取崩しを予定。・将来の償還に備え、必要に応じて積み立てていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・交付税精算基金:法人事業税等の収入実績に0.75を乗じた額が当該税目の基準財政収入額より多いことにより生じる普通交付税の過大交付額の後年度精算への補填・公共用施設等基金:公共用施設等の老朽化対策等のための財源の安定的な確保・地域医療介護総合確保基金:医療及び介護の総合的な確保のための医療機関・公的介護施設の整備、居宅等における医療の提供、医療従事者・介護従事者の確保・気候変動対策基金:気候変動に関する対策の推進・かながわボランタリー活動推進基金21:公益を目的とする事業に自主的に取り組むボランタリー団体等の活動の推進(増減理由)・交付税精算基金:基金の新設(財政調整基金から移行)及び4年度交付税の後年度精算分の積立による増(+846億円)・公共用施設等基金:県有施設の老朽化対策に向けた積立による増(+227億円)・気候変動対策基金:脱炭素社会の実現に向けた積立による増(+135億円)(今後の方針)各基金の目的に従い適正な管理・運営を行っていく。・交付税精算基金:交付税精算(交付翌年度から3年間に分けて精算)にあわせて取崩しを予定。・公共用施設等基金:3年度に積立した120億円は、5~10年度に取崩しを予定。4年度に積立した227億円は、5~11年度に取崩しを予定。・地域医療介護総合確保基金:本県が作成した計画に基づき、医療機関・公的介護施設の整備など当該基金を活用し事業を推進。・気候変動対策基金:4年度積立した135億円は、5~8年度に取崩しを予定。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率は、平成29年度以降微増しており、類似団体よりも高い水準となっている。これは、昭和40~50年代にかけて行った集中的な施設整備の結果、建設後30年以上経過した県有施設が6割以上を占めているためである。本県では、人口動向や財源確保、維持更新費等を見通したうえで平成29年3月に「神奈川県公共施設等総合管理計画」を策定し、令和4年3月に改定を行った。同計画において、庁舎等施設や道路施設等の個別施設類型ごとに、維持更新費の縮減を図るための具体的な取組みを盛り込んだ個別施設計画を策定することで、長期的な視点を持った効率的な維持管理と利活用・更新に取り組んでいる。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は、県債の発行抑制の取組により将来負担額が減少している結果、類似団体平均値よりも低い水準となっている。なお、令和3年度は、臨時財政対策債の発行可能額が増加したことに伴い、分母は増となったものの、財政調整基金等の増で充当可能財源が増加したことで分子が減少したため、昨年度と比較すると大幅に下降している。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
県債の発行抑制や将来負担額に充当可能な基金の増により、将来負担比率は減少傾向にあり、類似団体平均値よりも低い水準となっている。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高く、令和2年度と比較すると微増している。これは、本県では、既存施設を有効に活用するため、施設の長寿命化対策を進め、財政負担を抑えているためである。今後も「神奈川県公共施設等総合管理計画」に基づき、長期的な視点を持った維持・更新に取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率及び将来負担比率は、類似団体の平均と比べ低い水準となっている。本県ではこれまで県債の発行抑制に取り組んできており、その効果から実質公債費比率は近年は低い水準で推移している。また、県債の発行抑制に加え、充当可能な基金の増等から将来負担比率についても減少傾向となっている。なお、令和3年度は令和3年12月に地方交付税の追加交付が行われたことで、分母の標準財政規模が増となっているため、将来負担比率、実質公債費比率ともに比率は低くなっている。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
当該表において、本県で特に有形固定資産減価償却率が高くなっている類型は、道路、学校施設、公営住宅、図書館である。道路施設については、平成28年3月に「神奈川県道路施設長寿命化計画」を策定、令和4年3月に改定し、予防保全型の維持管理を基本としたメンテナンスサイクルによる長寿命化を図り、老朽化に起因する事故を未然に防いで利用者の安全・安心を確保するとともに、中長期的な維持管理・更新に係るトータルコストの縮減及び平準化を目指している。学校施設については、県立高校の約40%、県立特別支援学校の約25%が建設後40年以上経過しており、施設全体の老朽化が進んでいること等を踏まえ、平成28年度~令和9年度を期間とする「県立学校施設再整備計画」を策定し、老朽化対策による快適な教育環境の整備と施設の長寿命化に取り組んでいるところである。公営住宅については、建設後概ね50年が経過する住宅の建替えを推進してきたが、令和10年度までに、建替えが必要な住宅が約2万8千戸、全体の約62%に急増すること等を踏まえ、令和元年度~10年度を期間とする「神奈川県県営住宅健康団地推進計画」を策定し、法定耐用年限である建設後70年までに建て替えることとしている。図書館については、県立図書館は昭和29年の開館後、大規模な改修を行っていなかったため、施設・設備の老朽化が進んでいたこと等を踏まえ、平成28年に「県立図書館の再整備に向けた基本的な考え方」を取りまとめ、県民サービスの低下を招かないよう、開館しながらの工事実施を基本とした再整備(整備期間7年程度を予定)を行っている。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
当該表において、本県の有形固定資産減価償却率が高くなっている類型は保健所である。これは既存施設の長寿命化対策を進め、有効に活用することで、財政負担を抑えているためである。体育館・プール及び陸上競技場・野球場・球技場については、近年、老朽化が進んだスポーツ施設の改修工事を進めており、県立スポーツセンターの大規模改修等の環境再整備に取り組んだ結果、令和2年度に有形固定資産減価償却率が大きく減少した。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
【一般会計等】・前年度と比較して、資産が100億円増加し、負債は570億円増加した。・負債のうち県債が731億円増加しているが、その主な原因は、臨時財政対策債の発行が増加したためである。【全体】・前年度と比較して、資産が115億円減少し、負債は462億円増加した。資産は一般会計等と異なり前年度から減少しているが、これは令和2年度では新型コロナウイルス感染症に伴う診療控えにより一時的に増加した国民健康保険事業会計の現金預金が、令和3年度に診療控えが徐々に解消したことに伴い減少したことによる。・また、一般会計等と比較して、資産は水道施設のインフラ資産や公営事業の現金預金等を含むため6,853億円多く、負債も水道事業の企業債や未払金等を含むため3,586億円多い。【連結】・前年度と比較して、資産は259億円減少し、負債は304億円増加した。・また、一般会計等と比較して、資産は連結対象団体が保有する事業資産やインフラ資産等を含むため1兆1,388億円多く、負債も企業債等を含むため6,597億円多い。
2.行政コストの状況
【一般会計等】・前年度と比較して、純経常行政コストが5,068億円増加している。経常費用のうち物件費等が4,324億円増加しているが、その要因は新型コロナウイルス感染症への対応に伴う業務費用(事業者への協力金等)が増加したためである。【全体】・前年度末と比較して、純経常行政コストは5,486億円増加している。・また、一般会計等と比較して7,054億円多い。・これは、一般会計等に比べ、経常収益が水道事業の使用料・手数料等の計上により578億円多いが、一方、経常費用も国民健康保険事業会計の補助金及び負担金等を計上していることから7,632億円多いためである。【連結】・前年度と比較して、純経常行政コストは5,376億円増加している。・また、一般会計等と比較して6,999億円多い。・これは、一般会計等に比べ、経常収益が「全体」の増要因に加え、連結対象団体の業務収益等を計上しているため2,170億円多いが、一方で経常費用も連結対象団体の人件費や物件費等を計上していることから9,168億円多いためである。
3.純資産変動の状況
【一般会計等】・前年度と比較して、純資産残高は469億円減少した。・これは、純行政コスト24,220億円に対して、財源(税収や国庫補助金等対価性のない収入)が2兆3,740億円となっており、行政コストが財源を上回ったため等である。【全体】・前年度と比較して、純資産残高は577億円減少した。・また、一般会計等と比較して、本年度差額は120億円マイナスの600億円減となった。・これは、純行政コストが国民健康保険事業会計の補助金等が移転費用に含まれること等から3兆1,272億円となった一方で、同会計の補助金や税収等が含まれることから財源が3兆673億円となっており、行政コストが財源を上回ったため等である。【連結】・前年度と比較して、純資産残高は563億円減少した。・また、一般会計等と比較して、本年度差額は103億円マイナスの582億円減となった。・これは、純行政コストが連結対象団体の人件費や事業収益等が含まれるため3兆1,303億円となったが、一方で連結対象団体の税収等が含まれることから財源が3兆720億円となっており、行政コストが財源を上回ったため等である。
4.資金収支の状況
【一般会計等】・税収などの収入で通常の業務活動に係る支出が賄われており、業務活動収支はプラスとなっている。また、インフラの整備などを進めたため、投資活動収支はマイナス、臨時財政対策債等の発行により県債収入を増やしたため、財務活動収支はプラスとなっている。以上から、税収等(業務活動収支のプラス)により、公共資産の整備を進めていると言える。【全体】・全体では、一般会計等と同様、業務活動収支がプラス、投資活動収支はマイナス、財務活動収支はプラスとなっていることから、業務活動収支のプラスにより、公共施設の整備などの投資活動を進めていると言える。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
・住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は、類似団体平均値を下回っている。・歳入額対資産比率は、前年度と比較すると減少しているが、これは税収入等が増加したことにより、業務収入が前年度より増加したためである。有形固定資産減価償却率は、前年度と比較すると微増しており、類似団体よりも高い水準となっている。これは、昭和40年代から50年代にかけて行った集中的な施設整備の結果、建設後30年以上経過した県有施設が6割以上を占めているためである。
2.資産と負債の比率
・純資産比率は、類似団体平均値を下回っている。これは、資産形成に直接的に結びつかない臨時財政対策債が多く計上されていることにより、負債の規模が大きくなり、その結果、純資産が小さくなっていることによる。・将来世代負担比率は、類似団体平均値と同水準となっている。
3.行政コストの状況
・純行政コストは、新型コロナウイルス感染症への対応に伴う物件費等の増加に伴い、前年度よりも大きく増加したものの、住民一人当たり行政コストについては、類似団体平均値を下回っている。
4.負債の状況
・負債額は、臨時財政対策債の残高の増加により、固定負債が増加したため、前年度より増加した。また、住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を下回っている。・基礎的財政収支は、業務支出が大幅に増加したことにより、業務活動収支が前年度より大幅に悪化したため、前年度より大幅に減少しており、類似団体平均を下回っている。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、新型コロナウイルス感染症への対応に伴う物件費等の増加に伴い、経常費用が増加したため、前年度より減少したものの、類似団体平均値と同水準となっている。
類似団体【B】
宮城県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
神奈川県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
岡山県
広島県
福岡県