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大型事業所及び関連事業所の集中により類似団体を上回る税収があるため、財政力指数は類似団体平均を大きく上回っている。しかしながら、人口減少等の影響による収入減、高齢化に伴う社会福祉関係費や老朽化した公共施設等の整備費の増加等は今後も続くことが予想されるため、限られた財源を効率的かつ効果的に配分することにより、健全財政を確保し、将来を見据えた事業の着実な推進を図る。
地方特例交付金、地方譲与税、法人市民税等の影響により経常一般財源が前年度と比較して増加したが、人件費や生活保護にかかる扶助費の増等により、経常的経費充当一般財源がそれ以上に増加したため、経常収支比率は前年度比で1.5ポイントの上昇となった。今後、公共施設の統廃合、適正配置を中心に経営改革を進め、経常経費の削減に努める。
市域の広さやそれに伴う公共施設の多さが高止まりしている主な要因で、類似団体の平均を上回っている。昇給抑制や給与削減措置を行い、事業の見直し等に努めているものの、ふるさと応援寄附金に関連する経費や小中学校の統合によるスクールバス運行業務委託費等物件費の増により、前年度に続き増加することとなった。今後も引き続き、給与削減措置の継続や公共施設の統廃合による維持管理コストの縮減、事務事業の効率化等により、一層の経費削減に努める。
給与制度や人事制度の見直し、職員の若年化に伴う国との乖離を調整する給与削減措置により、ラスパイレス指数は概ね適正となっている。今後も、適正な給与水準の維持に努める。職員の年齢構成の平準化を図っているところだが、他の市町村と比較し経験年数が少ない管理職が多くいることから、当面の対応策として特別職、一般職の職務の級に応じた給与減額措置を実施している。
職員数は、組織の見直しや育休代替職員の採用等により増加していることに加えて、人口減少が影響し、類似団体平均よりも2.84人上回る水準となっている。市の面積が広大であるため、類似団体と比較して保育園、公民館、消防署分署等出先機関を多く配置しなければならないことから、依然として類似団体平均を上回る結果となった。今後も定員適正化計画に基づき、総職員数の抑制を図り、適正な定員管理に努める。
元利償還金の大幅減等により分子が0.2億円の減となり、かつ、消費税交付金等の増により分母となる標準財政規模が増となったため、前年度比0.5ポイントの減となった。今年度も類似団体平均を下回る水準となっているが、今後は大規模な公共施設の整備事業を控えており、起債額及び元利償還金の増加が見込まれるため、引き続き緊急度や住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、後年度への負担や財政措置等を見極めながら、適切な水準を維持するよう努める。
近年の公共施設や社会インフラの大規模な整備により地方債の現在高が5.8億円増加したことに加え、令和元年房総半島台風等による災害復旧等へ対応するため財政調整基金を取り崩した影響で充当可能基金が8.4億円減少したことにより、前年度から6.1ポイントの増となり、類似団体平均を上回る水準となった。今後も引き続き、世代間の負担の公平化及び財政支出の平準化の観点から、適切な水準を維持するよう努める。
前年度比0.7ポイントの増となり、依然として類似団体平均を大きく上回っているが、その要因として市の面積が広大であるため、保育園、公民館、消防署分署などの施設配置に伴い人件費をより多く必要とする構造がある。令和元年度の人件費決算額は、昇給抑制や給与削減措置の継続をしているものの給与改定等により3.3%の増となった。今後も定員適正化計画に基づく総職員数の抑制や行政改革を通じて人件費の適正化に努める。
小中学校の統合に伴うスクールバス運行業務委託費等の増により、前年度比0.4ポイントの増となった。類似団体平均に比べ高い水準となっている要因は、広大な市域をカバーするため、公共施設等の維持管理経費を多く必要とする構造にある。引き続きファシリティマネジメントに基づく公共施設の統廃合による維持管理コストの縮減等により運用の効率化を図ることに加え、公共施設の使用料の適正化を推進し、充当一般財源の縮減を図る。
生活保護費の増が主な要因で、前年度比0.6ポイントの増となった。今後も、社会福祉費が上昇傾向にあるため、財源の確保や独自補助制度の見直しを進めていくことで、財政の圧迫に歯止めをかけるよう努める。
繰出金について、特別会計等への赤字補填的な部分は特に精査しているが、主に介護保険及び後期高齢者医療特別会計への繰出金が増加したため、前年度比0.3ポイントの増となった。類似団体平均を下回る水準となっているが、今後も、各特別会計における財政収支の適正化を図り、普通会計の負担額縮減に努める。
前年度から0.2ポイント増加するも、依然として類似団体平均を下回る水準となっている。引き続き適正な交付に努めるため、補助金等の交付に当たっては、今後も明確な基準のもと、予算、決算、事業内容等の確認を行い、恒常的に見直し、適正化を図る。
大型整備事業に係る借入金の償還終了及び過去の起債抑制により公債費は大幅に減少し、前年度比0.7ポイントの減となった。引き続き類似団体平均を下回る水準となっているが、今後は大規模な公共施設の整備事業を控えており、元利償還金の増加が見込まれるため、より一層世代間負担の公平化及び公債費負担の平準化の観点から、適正な水準を維持するよう努める。
経常的経費充当一般財源の増加により前年度から2.2ポイント増加し、依然として類似団体平均を上回る状態が続いている。類似団体との比較では、人件費及び物件費の数値が高く、経常収支比率を押し上げる要因となっているため、引き続き積極的な行財政改革によるコストの削減に努める。
(増減理由)前年度から引き続き「スポーツ振興基金」へ3,015万2千円、「公共施設整備基金」へ1,049万7千円を計画的に積み立てた一方、令和元年房総半島台風等による災害復旧等へ対応するため「財政調整基金」を9億9,196万2千円、「災害救助基金」を1,021万3千円取り崩したこと等により、基金全体としては9億5,126万6千円の減となった。(今後の方針)大型事業所操業に伴い人口が急増した昭和40年代の短期間に整備された公共施設の多くは老朽化が進行し、大規模改修や建替えの時期を迎えており、財源の確保が必要となっている。それら公共施設の更新整備に係る費用について、長期的な視点で、どれだけ資産価値が目減りするのか、いつ更新整備をすればコストを低く抑えられるのかを精査し、計画的に積み立てるよう努める。
(増減理由)令和元年房総半島台風等による災害復旧等へ対応するための取崩しによる減(今後の方針)大型事業所及び関連事業所による税収の割合が大きく、景気の動向に影響を受けやすいため、標準財政規模の15~20%程度の約40億円となるよう努めることとしている。
(増減理由)一般会計予算で計上した10万円の積立てによる増(今後の方針)地方債償還額の平準化に努め、引き続き同程度の積立てを継続することとしている。
(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設の計画的かつ効率的な整備・スポーツ振興基金:市民のスポーツ振興を図るための社会体育施設の整備・市民文化振興基金:市民文化の振興を図るための経費(増減理由)・公共施設整備基金:老朽化が進む本庁舎や公共施設の整備に備え、1,049万7千円を積み立てたことによる増・スポーツ振興基金:スポーツ施設の整備に備え、3,015万2千円を積み立てたことによる増・市民文化振興基金:君津市民文化ホールのスタインウェイグランドピアノを修繕するため407万円を取り崩したことによる減(今後の方針)・公共施設整備基金:公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき、計画的に積み立て、必要に応じて活用する。・スポーツ振興基金:スポーツ施設の整備に備え、引き続き年間約3,000万円を積み立てていく。・市民文化振興基金:市民文化の振興を図るため計画的に活用していく。
本市では昭和40年代以降に人口が急増し、同じ時期に多くの公共施設等を整備したため、有形固定資産減価償却率が高い水準にある。現時点では、有形固定資産減価償却率が類似団体平均より高い水準で推移しているが、引き続き平成28年度に策定した君津市公共施設等総合管理計画及び令和2年度に策定した君津市個別施設計画に基づき、予防保全型の維持管理に努めるとともに、公共施設等のあり方を検討していく。
債務償還比率は類似団体平均を下回っているが、今後、公共施設等の統廃合・更新等を実施していくためには、地方債の発行を伴うことも想定されることから、事務事業の見直し等を継続して検討していく。
近年、低下傾向にあった将来負担比率は、令和元年度に発生した台風被害への対応のため財政調整基金の取り崩し等により増加し、類似団体内平均値を上回ることとなった。また、有形固定資産減価償却率についても、昭和40年代以降の人口急増に伴い多くの公共施設等を整備したため、高い水準にある。引き続き将来負担比率の適正水準を維持しつつ、平成28年度に策定した君津市公共施設等総合管理計画及び令和2年度に策定した君津市個別施設計画に基づき、予防保全型の維持管理に努めるとともに、公共施設等の再編を検討していく。
将来負担比率は、地方債残高の増加や令和元年度に発生した台風被害への対応による財政調整基金の取り崩し等により増加し、類似団体平均を上回っている。実質公債費比率については、類似団体平均と比較して低い水準にある。引き続き世代間の負担の公平化と財政支出の平準化の観点から、適切な水準を維持するよう努める。
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