収益等の状況について
①収益的収支比率については、平成30年度に繰越金を除いた単年度の収支が赤字となり、一時的に100%未満の数値となっているが、令和元年度には100%以上の数値に回復している。平成30年度に一時的に100%未満の数値となった要因は、計画的に進めている設備の更新・修繕等の中で、利用者の安全確保の観点から特に優先すべきものとして、高額な費用を要する修繕等を実施したためである。④売上高GOP比率及び⑤EBITDAについても、同様の理由から、平成30年度は一時的にマイナス指標となっているが、令和元年度からはプラス指標に回復している。②他会計補助金比率及び③駐車場台数一台あたりの他会計補助金額については、0%を維持しており、一般会計からの繰入に依存せず、独立採算性の原則に基づいた事業運営を行っている。
資産等の状況について
資産等の状況としては、建設に伴う貸付金及び起債の償還が、平成17年度をもって終了しているものの、供用開始から30年以上が経過し、施設の老朽化が進んでおり、設備更新を計画的に進めている。
利用の状況について
当該施設は、周辺商業施設の駐車場としての利用が定着していることから、利用台数は、令和元年度までは増加傾向にあった。令和3年度について、新型コロナウイルス感染症拡大前の利用台数には戻っていないものの、回復傾向にある。また、類似施設平均値との比較においても、適正な稼働率を維持しているといえる。
全体総括
建設に伴う貸付金及び起債の償還が、平成17年度をもって終了し、以後、一般会計からの繰入に依存せず、独立採算性の原則に基づいた事業運営を行っている。また、供用開始から30年以上が経過し、設備更新を進めているが、料金収入で賄えない事業費については、繰越金を一部充当しており、繰越金を含めた実質収支は、安定的に黒字を計上している。しかしながら、今後は、新型コロナウイルス感染拡大等の影響により、料金収入の見込みが不透明な中で、老朽化した設備の更新を進めることが必要となり、経営環境は厳しさを増すと予想される。今後も安定的な事業運営を行っていくため、令和3年3月に策定した松戸市駐車場事業経営計画を基に、収支状況の検証や更なる経営改善に向けた取組を検討することで、中長期的視点に立った経営を行う。