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令和2年度に比べ、太陽光発電の新規設置等により固定資産税は増額となった一方、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が抑制され、市民税は減少となり、財政力指数は0.67となった。復興事業の進捗と人口減少により市税は減少傾向で推移することが予想されるため、事務事業の見直しによる歳出経費削減を実施していくとともに、市税徴収業務等の歳入確保に努め、財政基盤の強化を図る。
歳入では新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補てん特別交付金の皆増や普通交付税、法人事業税交付金の増などにより経常一般財源が増加したことや、歳出では地方債の償還の進行による公債費の減などにより、前年度比2.4ポイント減となった。経常一般財源については、今後減少傾向が想定される一方で、施設の維持管理費等の経常支出は増加傾向にあることから、既存事業の見直し・統合・廃止を進め、歳出抑制策に取り組んでいく。
類似団体と比較して高くなっている主な要因は、東本大震災からの復旧・復興事業(主に除染関連)に係る物件費となっている。令和3年度は令和2年度と比較すると復興関連事業の進捗に伴って減少しているが、復興関連事業としてため池除染等については今度も継続が見込まれることから、類似団体と比較すると高水準で推移するものと思われる。
震災関連業務に対応するため任期付職員を採用しており、年齢層の高い職員も多くいることから、類似団体に比べ低い水準となっている。令和3年度も前年度同様の97.6ポイントとなり、これまで同様の状況が継続している。引き続き給与の適正化に努めていく。
東日本大震災及びそれに伴う原子力発電所事故対応のため、正職員の前倒し採用と任期付職員の採用を行っていことから、類似団体の平均を上回っている。令和7年度までの第2期復興・創生期間においては、復興及び再生に向けた取り組みを着実に実施するため、職員数の拡充を図る計画となっている。定員適正化計画に基づき、令和8年度以降は類似団体平均水準に向けて職員数の削減を進めていく。
実質公債費比率は、交付税措置のない地方債の発行を抑制したことなどにより減少傾向にあったが、令和元年度及び2年度は償還額の増加や企業会計の地方債償還への繰出財源が増加したことで、増加している。令和3年度については繰上償還を行ったことで減少している。今後は施設老朽化の進行に伴って新たな建設債の発行や災害の復旧に伴う起債の発行も予想されることから、類似団体平均水準まで低下されることを目標に計画的な管理に努める。
復旧・復興関連基金の残高が大きいため、将来負担比率は生じていない。しかし、復旧・復興事業の財源として活用することにより基金残高が減少し、今後、将来負担比率が発生する見込みである。今後も地方債の発行を抑制し、将来世代への負担が増加しないよう財政健全化を図っていく。
特別職の退職に伴う退職金の増や新型コロナウイルス感染症及び福島県沖地震の対応に伴う時間外勤務手当の増等により人件費は増加しているが、普通交付税の増加等により経常一般財源が増加したことで、前年度比1.0ポイント減少の24.6%となった。概ね類似団体平均程度で推移しているが、復旧・復興事業の進捗を見定めながら、経常経費の適正水準を保てるよう努めていく。
新型コロナウイルス感染症に伴う感染症予防事業により支出が増加したことによって、前年度比0.4ポイント増の16.7%となった。類似団体と比較して高い水準にあるため、各種補助事業の見直しや、公営企業の経営改善に向けた取組を注視しつつ、経費縮減に努めていく。
新型コロナウイルス感染症に伴う子育て世帯への臨時特別給付金及び住民税非課税世帯等臨時特別給付金の増により扶助費は増加しているが、経常一般財源が増加したことにより、前年度比0.6ポイント減の7.5%となった。社会保障関連事業については、生活保護扶助費などで年々増加傾向であり、今後増額していくことが想定されることから、動向を注視しながら、歳出抑制策を図り、適正な水準の維持を図る。
財政調整基金積立金の増などにより、前年度比0.1ポイント増の12.6%となった。震災以降、経常的な収入、支出共に不安定な状態が継続しており、今後の動向も見込みづらい状況にあるが、各種経費の見直しを行い、さらなる支出規模の抑制に努める。
令和3年度は令和2年度に行った新型コロナウイルス感染症に関連する特別定額給付金が終了したことにより、前年度比0.7ポイント減の13.2%となった。類似団体と比較して高い水準にあるため、各種補助事業の見直しや公営企業の経営改善に向けた取組を注視しつつ、経費縮減に努めていく。
任意の繰上償還により、前年度比0.6ポイント減の16.4%となった。ただし、類似団体と比較すると1.1ポイント上回っているため、今後も交付税措置の有利な地方債の活用など新規発行の適正管理に努め、公債費の負担軽減を図る。
歳入では普通交付税や法人事業税交付金の増などにより経常一般財源が増加したことにより、対前年度比1.8ポイント減の74.6%となった。今後は経常収入の減少と経常経費の増額が予想されるため、費用対効果を見極め、支出規模の抑制と自主財源の確保に努める。
(増減理由)復興事業の進捗に伴い、復興関連基金の活用が進んでいることから、基金全体として約27.6億円の減となったもの。(今後の方針)地方財政法に基づく財政調整基金や減債基金、公共施設の維持補修等将来負担が重荷となる年度に備えるための基金については、必要な積み立てを行い、ある程度の残高を確保しながら活用を行っていく。その他の特定目的基金や復興財源として交付された国庫補助金を積み立てた基金については、その目的を達成するために活用を行っていく。
(増減理由)歳入の上振れなどで前年度決算剰余金が大きく増加したことに伴い、積立額が取崩額を上回ったもの。(今後の方針)一次的な収支均衡や災害などへの備えのために必要な積み立てを行い、残高を標準財政規模の20%程度確保するように努めていく。
(増減理由)被災施設に係る償還及び繰上償還のための取り崩しによるもの。(今後の方針)将来負担への備えのため、一定の残高を確保しながら活用を行っていく。
(基金の使途)・東日本大震災復旧・復興基金、帰還環境整備交付金基金:東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故からの復旧・復興に向けた事業の推進・みらいへつなぐ復興基金:市復興総合計画後期基本計画に掲げる、教育・子育て、健康づくり等の中長期に取り組む復興関連事業の推進・市有建物等維持補修基金:市が保有する建物等の維持補修への活用・庁舎建設基金:新庁舎建設への活用(増減理由)複数年にわたる復興事業の財源として交付された国庫補助金を原資とする復興交付金基金や帰還環境整備交付金基金をはじめとした復興関連事業への活用が進んでいるため。(今後の方針)復旧・復興関連基金:市の復興総合計画後期基本計画の成果達成に向け、計画的に必要な事業への活用を行っていく。市有建物等維持補修基金:施設老朽化の進行に伴い、今後必要額の増加が見込まれるため、一定の残高を確保しながら活用を進めていく。
交付税措置の有利な地方債の活用と、繰上償還の実施により、将来負担の低減に努めている。類似団体平均よりも低い水準となっている要因は、復旧復興事業について、複数年度に渡る事業の財源を先行して受け入れていることから、業務活動収支が一時的に高水準となっているためである。
財務書類整備中
将来負担比率は、一般会計が負担する将来の負担額を充当可能な基金額などの充当可能財源が上回るため生じなかった。しかし、これら充当可能財源は、復旧・復興関係基金の影響が大きいもので、今後の復旧・復興事業の財源となるものであることから、今後も市債の残高や新規発行の適正管理に努め、将来負担比率の軽減を図る必要がある。実質公債費比率は類似団体平均と比較して高い状況が続いているものの、令和3年度においては0.2ポイント減少した。これは、元利償還金の額は増加したものの、公営企業への繰出金が減少したことによるものである。引き続き交付税措置の有利な地方債の発行など適正管理に努め、公債費の負担軽減を図っていく。
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