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令和元年度に比べ固定資産税は増額となった一方で、復興関連事業の進捗によって市民税は減少となったため、財政力指数は横ばいとなっている。復興事業の進捗と人口減少により市税は減少傾向で推移することが予想されるため、事務事業の見直しによる歳出経費削減を実施していくとともに、市税徴収業務等の歳入確保に努め、財政基盤の強化を図る。
歳入では法人事業税の皆増や普通交付税の増などにより経常一般財源が増加し、歳出では地方債償還の進行による公債費の減や新型コロナウイルス感染症の影響で実施できなかった事業があったことなどから各種事業費が減少したことで、前年度比2.9ポイント減となった。経常一般財源については、今後減少傾向が想定される一方で、施設維持管理費等の経常支出は増加傾向にあることから、既存事業の見直し・統合・廃止を進め、歳出抑制策に取り組んでいく。
類似団体と比較して高くなっている主な要因は、東本大震災からの復旧・復興事業(主に除染関連)に係る物件費となっている。復興関連事業の進捗に伴って減少傾向であったが、令和2年度は会計年度任用職員制度の施行や新型コロナウイルス感染症の影響により増加している。また、復興関連事業としてため池除染等については今度も継続が見込まれることから、類似団体と比較すると高水準で推移するものと思われる。
震災関連業務に対応するため任期付き職員を採用しており、年齢層の高い職員も多くいることから、類似団体に比べ低い水準となっている。令和2年度は任期付職員の採用・退職をはじめとする職員構成の変動等から、全体で0.6ポイント増加の97.6となった。引き続き給与の適正化に努めていく。
東日本大震災及びそれに伴う原子力発電所事故対応のため、正職員の前倒し採用と任期付職員の採用を行っていことから、類似団体の平均を上回っている。令和7年度までの第2期復興・創生期間においては、復興及び再生に向けた取り組みを着実に実施するため、職員数の拡充を図る計画となっているが、令和8年度以降は職員数の削減を進めていく。
実質公債費比率は、交付税措置のある地方債のみを発行するなどの起債抑制策により毎年度減少傾向にあったが、令和元年度は償還額の増加や企業会計の地方債償還への繰出財源が増加したことで、9.3%となった。令和2年度についても横ばいとなっている。施設老朽化の進行に伴って新たな建設債の発行や災害の復旧に伴う起債の発行も予想されることから、類似団体平均水準まで低下されることを目標に計画的な管理に努める。
復旧・復興関連基金の残高が大きいため、将来負担比率は生じていない。しかし、復旧・復興事業の財源として活用することにより基金残高が減少し、今後、将来負担比率が発生する見込みである。今後も地方債の発行を抑制し、将来世代への負担が増加しないよう財政健全化を図っていく。
会計年度任用職員制度が令和2年度から施行されたことに伴い、会計年度任用職員に係る職員給等が増加したことで、前年度比2.9ポイント増の25.6%となった。概ね類似団体平均程度で推移しているが、復旧・復興事業の進捗を見定めながら、経常経費の適正水準を保てるよう努めていく。
ため池の対策工により支出は増加しているが、経常一般財源が増加したことにより、前年度比1.7ポイント減の16.3%となった。今後は事務事業や、施設統廃合等を進めることで物件費の抑制に努めていく。
ひとり親世帯臨時特別給付金等により支出は増加しているが、経常一般財源が増加したことにより、前年度比1.1ポイント減の8.1%となった。社会保障関連事業については、生活保護扶助費などで年々増加傾向にあり、医療費の一部免除終了など、今後の増額要因も想定されることから、動向を注視しながら、歳出抑制策を図り、適正な水準の維持を図る。
経常一般財源の増加により、前年度比1.1ポイント減の12.5%となった。震災以降、経常的な収入、支出共に不安定な状態が継続しており、今後の動向も見込みづらい状況にあるが、各種経費の見直しを行い、さらなる支出規模の抑制に努める。
新型コロナウイルス感染症に関連する特別定額給付金により支出は増加しているが、経常一般財源が増加したことにより、前年度比0.1ポイント減の13.9%となった。類似団体と比較して高い水準にあるため、各種補助事業の見直しや、公営企業の経営改善に向けた取組を注視しつつ、経費縮減に努めていく。
償還の進展に伴い、前年度比0.9ポイント減の17.0%となった。ただし、類似団体と比較すると1.6ポイント上回っているため、今後も交付税措置の有利な地方債の活用など新規発行の適正管理に努め、公債費の負担軽減を図る。
歳入では法人事業税交付金や普通交付税等の増により経常一般財源が増加し、歳出では新型コロナウイルス感染症の影響で実施できなかった事業があったことから、対前年度比2.0ポイント減の76.4%となった。今後は経常収入の減少と経常経費の増額が予想されるため、費用対効果を見極め、支出規模の抑制と自主財源の確保に努める。
(増減理由)新型コロナウイルス感染症対策による財政調整基金の取り崩しや復旧・復興関連事業の進捗による基金の取り崩しを行ったことで、基金全体として約1.9億円の減となったもの。(今後の方針)地方財政法に基づく財政調整基金や減債基金、公共施設の維持補修等将来負担が重荷となる年度に備えるための基金については、必要な積み立てを行い、ある程度の残高を確保しながら活用を行っていく。その他の特定目的基金や復興財源として交付された国庫補助金を積み立てた基金については、その目的を達成するために活用を行っていく。
(増減理由)新型コロナウイルス感染症の被害が甚大であったことから、その対策事業での活用を行ったことによるもの。(今後の方針)一次的な収支均衡や災害などへの備えのために必要な積み立てを行い、残高を標準財政規模の20%程度確保するように努めていく。
(増減理由)被災施設に係る償還及び繰上償還のための取り崩しによるもの。(今後の方針)将来負担への備えのため、一定の残高を確保しながら活用を行っていく。
(基金の使途)・東日本大震災復旧・復興基金、帰還環境整備交付金基金:東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故からの復旧・復興に向けた事業の推進・みらいへつなぐ復興基金:市復興総合計画後期基本計画に掲げる、教育・子育て、健康づくり等の中長期に取り組む復興関連事業の推進・市有建物等維持補修基金:市が保有する建物等の維持補修への活用・庁舎建設基金:新庁舎建設への活用(増減理由)複数年にわたる復興事業の財源として交付された国庫補助金を原資とする復興交付金基金や帰還環境整備交付金基金をはじめとした復興関連事業への活用が進んでいるため。(今後の方針)復旧・復興関連基金:市の復興総合計画後期基本計画の成果達成に向け、計画的に必要な事業への活用を行っていく。市有手建物等維持補修基金:施設老朽化の進行に伴い、今後必要額の増加が見込まれるため、一定の残高を確保しながら活用を進めていく。
交付税措置のある地方債の積極的な活用と、繰上償還の実施により、将来負担の低減に努めている。類似団体平均よりも低い水準となっている要因は、復旧復興事業について、複数年度に渡る事業の財源を先行して受け入れていることから、業務活動収支が一時的に高水準となっているためである。
財務書類整備中
将来負担比率は、一般会計が負担する将来の負担額を充当可能な基金額などの充当可能財源が上回るため生じなかった。しかし、これら充当可能財源は、復旧・復興関係基金の影響が大きいもので、今後の復旧・復興事業の財源となるものであることから、今後も市債の残高や新規発行の適正管理に努め、将来負担比率の軽減を図る必要がある。実質公債費比率は類似団体平均と比較して高く状況が続いており、令和2年度においては令和元年度と同じ9.3ポイントとなった。引き続き交付税措置の有利な地方債の発行など適正管理に努め、公債費の負担軽減を図っていく。
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