朝日町：特定環境保全公共下水道

経営の健全性・効率性について

下水道の整備計画は平成３４年度までとしており、工事の進捗が半ばであることから、下水道普及率は３割程度となっています。現段階では専ら新規管渠整備を推進している段階でありますが、使用料収入の増加の伸びが鈍化している状況から収益的比率が低減傾向にあると考えられます。一方、経費回収率にあっては、汚水処理原価の抑制努力により、一定の水準を保っています。水洗化率が類似団体と比較し低い状況にはありますが、これは、下水道整備計画の公表により、下水道が整備されるまでの間、水洗化工事を控えているものと思われ、管渠整備の進捗に対応して向上すると考えられます。今後の管渠整備は平野部から山間部へ、住宅密集部から閑散部へと移ること、さらに、人口減少、高齢化の影響により、下水道使用料収入は、整備費用に比例した増加になると考えにくいのですが、今後の管渠整備費の抑制に留意するとともに、速やかな下水道接続を推奨し、使用料収入の推移を慎重に注視していく必要があります。

老朽化の状況について

管渠については、平成１０年度に敷設工事を開始以来、現在も区域を拡大している状況にあり、一方、処理施設についても、平成１４年度から稼働を開始していることから、経過年数が老朽化を懸念する段階には至っていないと判断しています。しかしながら、処理施設においては、経年や使用量の増加に伴う部分的な損耗や劣化に対応した手当を注視していく必要があります。

全体総括

下水道整備計画半ばの状況にあるなかで、汚水処理原価を極力抑制し、経費回収率をほぼ１００％としているところです。しかしながら、整備に対応した使用料金収入の増加が鈍化しており、企業債償還の増嵩とあわせ、単年度収支の赤字が続いています。管渠の老朽化について当面は配慮をする必要はないと考えていますが、今後の管渠整備に対応した使用料収入の推移を注視しながら、収支比率の改善を図る必要があります。