事業・施設概要
| 都道府県 | 岩手県 | 経営主体 | 田野畑村 |
|---|---|---|---|
| 事業名 | 下水道事業 | 業種名 | 特定環境保全公共下水道 |
| 会計適用区分 | 法適用 | 類似団体区分 | D2 |
| 行政区域内人口 | 2,876人 | 現在処理区域内人口 | 400人 |
| 現在水洗便所設置済人口 | 334人 | 現在処理区域面積 | 32ha |
| 晴天時現在処理能力 | 500m³/日 | 下水管布設延長 | 7km |
注:施設・業務量は当該年度値。e-Stat原表との値照合が完了した項目を優先した。
経営の健全性・効率性について
本村の特環事業は、令和6年度が公営企業会計適用初年度であり、官庁会計から企業会計へ移行した出発点である。経常収支比率107.27%は単年度の収支が均衡していることを示すが、下水道事業の性格上、一般会計からの繰入を前提とした結果である。経費回収率は60.07%で、汚水処理に要する経費の約6割を使用料で回収し、残る約4割は一般会計からの繰入で補填している構造を示している。これは、普及率13.91%、処理区域内人口400人という小規模な処理区域条件による固定費負担の重さが影響している。流動比率は57.33%と、全国平均53.28%をやや上回るものの、短期的な資金余力が十分に厚い水準とは言えず、一般会計繰入を含めた資金繰り管理が前提となる。企業債残高対事業規模比率3,154.16%は類似団体平均を大きく上回っており、更新投資や維持管理費を含めた中長期的な財政負担を、一般会計繰入と併せて管理することが不可欠である。これまで本村では、使用料収入のみでは賄いきれない経常収支の赤字補填を目的として一般会計からの繰入により下支えしてきた。公営企業会計では総括原価方式による費用回収が原則であるが、本村は地形条件や集落の分散、人口規模の小ささから、総括原価をそのまま使用料に反映した場合、住民負担が過度となる構造にある。下水道は公衆衛生確保や水質保全といった公共的役割を担う事業であり、地域特性を踏まえた料金改定の議論をしていく必要がある。
老朽化の状況について
本村の特環事業は、公営企業会計を適用した初年度の決算であり、老朽化指標は今後の比較の出発点となる。初年度は資産区分や耐用年数の整理結果が反映されるため、同じ基準で把握を続け、推移で判断していく。①有形固定資産減価償却率は5.24%である。使い込み具合の目安として受け止め、毎年度ぶれない把握につなげる。②「管渠老朽化率」は、耐用年数を超えた管渠がないため0.00(対象なしのためゼロ)。③「管渠改善率」は、現状は維持修繕が中心で、当該年度に管渠の更新・更生等(改善延長として整理される工事)を行っていないため0.00となっている。今後は、点検・修繕履歴で優先順位を整理し、災害時の機能維持を重視した耐震化を進めつつ、施設利用率14.20%も踏まえ、需要に見合う更新(ダウンサイジングや個別処理を含む)を検討する。
全体総括
本村の特環事業は、公営企業会計適用初年度として、収支構造、資産状況、将来負担を可視化した段階にある。経常収支は均衡しているものの、使用料のみで事業を賄うことは構造的に困難であり、一般会計からの繰入を前提とした事業であることを明確にした上で、改定作業中の経営戦略に位置付ける必要がある。人口減少による需要縮小、更新需要の増大、人材確保の難しさ、物価高・賃金上昇による費用増が同時に進む中、事務の共同化は簡水・漁集と共通する当面の重点課題であり、検針・収納、台帳管理、設計積算、入札契約、工事監督支援等について、広域的な連携により執行体制を補完する。一般会計繰入を前提とする以上、その水準や考え方は料金改定の要否と併せて住民に示し、耐震化を含む更新投資や低利用を踏まえた事業規模の見直しにつながる経営基盤を確保する。
経営状況
収支構造
総額4,772.0万円
総額4,454.1万円