事業・施設概要
| 都道府県 | 岩手県 | 経営主体 | 田野畑村 |
|---|---|---|---|
| 事業名 | 下水道事業 | 業種名 | 漁業集落排水 |
| 会計適用区分 | 法適用 | 類似団体区分 | H1 |
| 行政区域内人口 | 2,876人 | 現在処理区域内人口 | 627人 |
| 現在水洗便所設置済人口 | 520人 | 現在処理区域面積 | 38ha |
| 晴天時現在処理能力 | 553m³/日 | 下水管布設延長 | 10km |
注:施設・業務量は当該年度値。e-Stat原表との値照合が完了した項目を優先した。
経営の健全性・効率性について
本村の漁集事業は、令和6年度が公営企業会計適用初年度であり、従来の官庁会計から、収益・費用、資産・負債を企業会計として整理し直した出発点である。その上で、経常収支比率113.66%は単年度の収支が黒字であることを示すが、これは一般会計からの繰入を前提とした結果である。下水道事業、とりわけ漁集事業は、人口規模や処理区域の特性から、使用料収入のみで経常費用を賄うことは構造的に困難であり、一般会計からの繰入は不可欠な財源である。実際に、経費回収率75.96%は、汚水処理に要する経費の一定部分を一般会計繰入で補填している構造を明確に示している。また、流動比率52.20%は短期的な資金余力に課題があることを示しており、企業債残高対事業規模比率984.19%と併せ、一般会計繰入を含めた資金繰りと将来負担を一体で管理する必要がある。これまで本村では、使用料収入のみでは賄いきれない経常収支の赤字補填を目的として一般会計からの繰入により下支えしてきた。公営企業会計では総括原価方式による費用回収が原則であるが、本村は地形条件や集落の分散、人口規模の小ささから、総括原価をそのまま使用料に反映した場合、住民負担が過度となる構造にある。漁集事業は公衆衛生確保や水質保全といった公共的役割を担う事業であり、地域特性を踏まえた料金改定の議論をしていく必要がある。
老朽化の状況について
本村の漁集事業は、公営企業会計を適用した初年度の決算であり、老朽化指標は今後の比較の出発点となる。初年度は資産区分や耐用年数の整理結果が反映されるため、同じ基準で把握を続け、推移で判断していく。①有形固定資産減価償却率は6.67%である。使い込み具合の目安として受け止め、毎年度ぶれない把握につなげる。②「管渠老朽化率」は、耐用年数を超えた管渠がないため0.00(対象なしのためゼロ)。③「管渠改善率」は、維持修繕が中心で当該年度に管渠更新工事を行っていないため0.00となっている。今後は、点検・修繕履歴で優先順位を整理し、機能維持を重視しつつ、施設利用率35.99%も踏まえ、需要規模に見合う更新(ダウンサイジングや個別処理を含む)を検討していく。
全体総括
本村の漁集事業は、公営企業会計適用初年度として、収支構造や資産状況、更新負担を可視化した段階にある。一般会計からの繰入を前提とする事業であることを明確にした上で、改定作業中の経営戦略により、資金・人材・更新投資を一体的に管理する枠組みを構築する必要がある。人口減少、更新需要の増大、人材確保の難しさ、物価高・賃金上昇を前提に、事務の共同化で執行体制を補完し、料金改定の要否も含めた負担の考え方を整理する。これらについては、議会審議と住民説明を通じて合意形成を図りながら進めていく。
経営状況
収支構造
総額9,532.7万円
総額8,489.1万円