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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
平成27年度の財政力指数(3か年平均)は0.68、単年度でも0.68となり、昨年度と同率となった。市税や地方消費税交付金等の増により基準財政収入額が増加した一方で、地域振興費等の増により基準財政需要額も増加した結果によるもの。類似団体平均より低い数値となっているのは、主に個人住民税が低迷していることにより、地方税が類似団体より低いことが要因となっている。このため、企業誘致や転入促進策による定住人口増を図る取組を進めることにより税収の確保を図るとともに、歳出においても、事業の「選択と集中」の観点から歳出の重点化を図り、効率的な財政運営に努める必要がある。
平成27年度の経常収支比率は92.1%で、平成26年度から0.8ポイント低下した。分母となる歳入経常一般財源は、地方税が30百万円の減となったものの、地方消費税交付金が484百円の増となったことなどにより、平成26年度と比較して514百万円の増加となった。一方、分子となる歳出の経常充当一般財源は、公債費が156百万円の減となったものの、人件費(退職金を含む)が62百万円、物件費が99百万円、繰出金が84百万円の増となったことなどにより、平成26年度と比較して135百万円の増加となった。4か年連続で数値は改善しているものの、依然として類似団体平均を上回る状況であるため、事務事業の見直しや公共施設の統廃合などによる経常経費の圧縮に努める必要がある。
人件費については、人事院勧告や定期昇給による職員給の増があったものの、退職手当の減により63百万円の減少となった。また、物件費については、社会保障・税番号制度導入に係るシステム改修やごみ処理施設運転管理委託料等の増により、平成26年度と比較して136百万円の増となった。人件費は減少傾向にあるが、直営の公立保育所(5園)や、市民館・文化会館、ごみ処理・し尿処理業務などが、施設維持に係る物件費、維持補修費を押し上げる要因となっている。事務事業の見直しに取り組むとともに、公共施設の統廃合や管理運営の委託等を進め、更なるコスト削減に努める必要がある。
給与については、平成18年4月1日から独自給与カットを行ってきたが、平成26年4月1日をもってカットを廃止したため、以降ラスパイレス指数が100を超えている(平成23、24年度は国家公務員の給与改定特例法による時限的措置あり)。平成26年度との比較では、0.4ポイント低下してるが、これは経験年数階層の変動により、該当区分の給料月額が前年に比べ減額となったためなどである。しかしながら、依然として全国市平均を上回る水準となっており、硬直した財政状況を鑑み、見直し等により適正な給与となるように努める。
職員数(公営企業会計部門職員を含む)は、平成28年4月1日現在738人であり、合併直後の平成17年4月1日時点の1,092人から354人の減少となっている。人口千人当たり職員数は、類似団体との比較において0.43ポイント下回っているが、公共施設が多いことに加え、依然として直営による業務が多い。引き続き、定員適正化計画に基づき、事務事業の効率化や、組織・機構の見直し、外部委託の活用など、スクラップ・アンド・ビルドの徹底を図り、常に定員規模の適正化を図っていく必要がある。
実質公債費比率は、昨年度から1.2ポイント低下し11.6%となった。数値は年々改善の傾向にあるものの、類似団体や県内他市との比較においては、依然として高い水準となっている。今後も地方債元利償還金の減少は続く見込みであるが、地方債発行については、交付税算入率を勘案するとともに、一般会計だけでなく、特別会計においても地方債発行の抑制に努め、公債費負担の適正化を図る。
将来負担比率は、昨年度から5.9ポイント低下し、60.3%となった。地方債残高の減少や財政調整基金の積立てによる充当可能基金の増加が主な要因である。数値は、類似団体や県内他市との比較において、依然として高い水準にあるが、これは、基金残高が低いことや下水道事業、病院事業等に対する一般会計からの繰出金が多額となっていることなどが要因となっている。今後も山陽小野田市立山口東京理科大学薬学部建設事業を始めとした合併特例債等を活用した大型建設事業が多数本格化することから、将来負担比率は上昇することが予想される。
平成27年度の人件費に係る経常収支比率は、平成26年度と同率で20.4%となり、類似団体との比較において平均を2.3ポイント下回った。平成26年度との比較では、人件費決算額は減少したものの、特定財源の減少により、充当した経常一般財源は62百万円の増額となった。現状では、公立保育園やごみ処理施設等が直営で行われており、今後は、施設の統廃合を進めるとともに、事務事業の見直し等の取組により、引き続き人件費の抑制に努める。
平成27年度の物件費に係る経常収支比率は、平成26年度から0.4ポイント増加し、13.0%となった。類似団体との比較においては、平均を2.4ポイント下回った。平成26年度との比較では、社会保障・税番号制度導入によるシステム改修やごみ処理施設運転管理委託料等の増により、充当した経常一般財源は99百万円の増額となった。コスト削減等による経費の抑制効果は現れているものの、公共施設の維持管理に多額の経費がかかっており、公共施設の再編が急務となっている。
平成27年度の扶助費に係る経常収支比率は、平成26年度から0.1ポイント増加し、10.9%となった。類似団体との比較においては平均を1.0%上回った。平成26年度との比較では、扶助費決算額は減少したものの、臨時的経費の減少により、充当した経常一般財源は41百万円の減増となった。社会保障制度の充実に伴い扶助費は増加傾向にあるため、特に就労支援や医療費適正化による生活保護費の抑制や単独扶助費の見直し等により経費の削減に努める。
平成27年度のその他(維持補修費・繰出金・投資及び出資・貸付金)に係る経常収支比率は、平成26年度から0.2ポイント増加し、18.5%となった。類似団体との比較においては平均を4.7ポイント上回った。平成26年度との比較では、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計等への繰出金の増などにより、充当した経常一般財源は84百万円増加した。新病院建設による特殊要因はあるものの、類似団体と比較して高い医療費負担や、下水道整備に伴う繰出金が多額となっていることが数値を引き上げている主な要因である。
平成27年度の補助費等に係る経常収支比率は、平成26年度から0.2ポイント低下し、10.8%となった。類似団体との比較においては平均を0.1ポイント下回った。平成26年度との比較では、病院事業繰出金の増やプレミアム商品券発行事業補助金の増などにより補助費等決算額で335百万円増加し、充当した経常一般財源においても7百万円の増加となった。企業会計への繰出金については、その基準を明確にするとともに、各種の補助金・負担金等についてもその事業効果等を検証することにより、補助費等の削減に努める。
平成27年度の公債費に係る経常収支比率は、平成26年度から1.3ポイント低下し、18.5%となった。類似団体との比較において平均値を2.5ポイント上回った。過去の普通建設事業債等の償還額の減少により、公債費の減少傾向は続いており、平成26年度との比較では、充当した経常一般財源は156百万円の減額となった。今後、合併特例債を活用した大型建設事業に伴う元利償還の増加が見込まれるため、高い水準が続く見込みであるが、プライマリーバランスを意識した効果的な事業の実施に努める。
平成27年度の公債費以外の経常収支比率は、平成26年度から0.5ポイント増加し、73.6%となった。類似団体平均や山口県平均と比較して若干高い状況にある。主な要因としては、扶助費や物件費、繰出金に係る経常収支比率が高いことが挙げられる。類似団体と比較して高い医療費負担や公共施設が多いことが要因であるが、引き続き、施設の統廃合を含めた事務事業の見直しなどにより、効率的な行財政運営を行うことで、経常経費の削減に努める。
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