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財政力指数は、類似団体平均を大きく下回る0.34となっている。これは、もともと財政基盤の脆弱な財政力指数0.1~0.5までの市町村が合併したことに起因するもので、合併後においても人口減少や市税収入の減などにより、指数の改善が図られていない状況にある。今後は、全事務事業について、費用対効果と市民サービス適正化を照らし合わせた総点検による歳出構造の抜本的な見直しを図るとともに、分担金・負担金の見直しや市有財産の売却など自主財源の一層の確保に努める。
比率は前年度から2.9ポイント上昇し、類似団体平均を1.8ポイント上回った。経常分子となる経常経費充当一般財源等では、介護保険給付費や後期高齢者医療に係る療養給付費の負担金増による繰出金が増となったが、定員適正化による人件費減や公債費など経常経費の減が大きく、151,562千円減となった。一方、比率分母となる経常一般財源等においては市税の増があったものの、地方消費税交付金・地方交付税・臨時財政対策債が約12億円減少したため、前年度より1,133,540千円減となったことが比率悪化の要因である。今後は普通交付税の合併算定替の段階的縮減により、分母が年々縮小するため、公共施設の管理手法の見直しなど一層の経費削減を図り、比率の改善に努める。
大仙市第2次定員適正化計画に基づく職員数の抑制により人件費は減少している。一方、物件費では花火産業構想に基づく施策事業や防災ラジオの開発及び貸与等の実施、また維持補修費においては除雪経費の増により、全体では前年度より4,934円増額となり、類似団体平均値との差が拡大した。今後は、再任用職員数の増加が見込まれるため、既存の嘱託及び臨時職員数の削減を図り、職員数の抑制を図るほか、大仙市公共施設等総合管理計画の指針に沿った公共施設の譲渡や統廃合などを進め、経費の縮減を図る。
ラスパイレス指数は、類似団体69団体のうち14番目の低水準にある。これは国や類似団体と比較し、経験年数ごとの平均給与月額が低いことが要因であり、今後も人事院勧告等の制度改正を踏まえ、一層の給与の適正化に努める。
平成20年度以降、市直営の保育所や介護施設の法人化を進めると同時に、大仙市第2次定員適正化計画に基づき、当面の目標として人口千人当たりの職員数が10人未満となるよう組織改革及び行財政改革を進めてきた結果、人口千人当たりの職員数は平成26年度には10人を下回った。その後も定員適正化に努めたことから、前年度から0.33人減少したものの、類似団体平均を上回っており、類似団体平均値とはまだ開きがある。今後も、類似団体の指数に近づくよう、民間委託や指定管理者制度の推進や再任用職員(短時間勤務)・臨時的任用職員の活用により、組織のスリム化に努める。
これまで公債費負担適正化計画に基づく市債発行額の抑制や繰上償還の実施等により、実質公債費比率は着実に改善し14.0%となったが、未だ県内市町村平均や全国類似団体平均を大きく上回っている。市債の任意繰上償還を引き続き行うとともに、今後も普通建設事業の実施内容や年度の見直しを図るなど、各年度の市債発行額を抑制し、比率改善に努める。
市債残高、退職手当負担見込額、公営企業債繰入見込額、大仙美郷クリーンセンター建設に係る地方債償還の一部終了に伴う一部事務組合への負担額の減のほか、財政調整基金の積み増しによる充当可能財源等の増により、比率算定分子は減少した。これにより将来負担比率は前年度から8.0ポイント改善されたものの、依然類似団体平均を大きく上回っており、財政の硬直化が懸念されている。今後は普通交付税の合併算定替の段階的縮減により年々比率改善幅が縮小することから、市債発行額の抑制に引き続き努める。また、財政運営において繰上償還を積極的に行うほか、基金の積み増しを図るなど財政の健全化に努める。
平成25年度以降、給与のプラス改定のほか、雇用と年金の接続に係る再任用制度の実施に伴う職員増が要因となり、平成28年度においても比率が前年度から0.4ポイント上昇した。今後も再任用職員の増加が見込まれるため、定員管理の適正化に努め、人件費の抑制に努める。
放課後児童クラブの管理運営費やスクールバス運行経費の増により、前年度より0.4ポイント上昇したが、類似団体平均値を下回っている。今後は再任用職員が増加することから、嘱託及び臨時職員を縮小し適正配置を進めるほか、各地区に点在する公共施設の利用形態を勘案しながら、管理手法等を総合的に見直した上で、物件費の抑制を図る。
扶助費に係る経常収支比率については、放課後等デイサービスの新規実施による障害福祉サービス事業の拡充や制度改正に伴う児童扶養手当交付額の増などにより分子が増加したこと、また、地方交付税や臨時財政対策債の減少などによる分母の縮小により、前年度より0.5ポイント上昇した。今後は、人口減少に伴い児童手当や障害福祉サービス等の受給者も減少が見込まれるが、普通会計の決算規模も年々縮小することから、国の新たな扶助制度が構築されない限りは同水準で推移すると見込まれる。扶助費全体の約3割を占める生活保護費について、被保護者の就労支援の強化に努め、比率改善を図る。
維持補修費については、公共施設の老朽化に伴い微増となり、また繰出金については、簡易水道事業繰出金のほか、後期高齢者医療費等負担金や介護保険事業負担金の増により、前年度より1.2ポイント上昇した。下水道事業繰出金は平成29年度をピークに公債費が縮減するが、一方で簡易水道事業への繰出金が増となる。また、簡易水道及び下水道事業の企業会計移行により、減価償却費分の繰出金が増となることから、料金改定等により自主財源の確保を図り、繰出金の抑制に努める。
補助費等については、前年度とほぼ同水準にあるが、当市は、消防・斎場・介護・清掃等の広域運営費について、一部事務組合へ負担しているため、補助費等が他団体より大きくなる傾向にある。一部事務組合への負担金や保育所施設型給付費が経常経費の大部分を占めているが、農業及び商工業振興や地域活性化に係る各種市単独補助金が財政を逼迫する要因にもなっているため、今後は市単独補助金の目的・必要性・効果等を勘案し一層の縮減を図る。
公債費に係る経常収支比率については、分子となる経常経費充当一般財源等が前年度より114,343千円減となったが、分母となる経常一般財源が減少したため、比率は前年度より0.3ポイント上昇した。類似団体平均値との差は平成23年度以降年々縮小している。第2次大仙市総合計画の実施計画の見直し等による市債発行額の抑制や任意繰上償還を行っているが、今後も市債償還額の大幅な減少は見込めないため、低利な地方債への借換を積極的に行うとともに、市債発行額の抑制を図り、着実に公債費の縮減に努める。
人件費・物件費・維持補修費・補助費等に係る経常経費は前年度より縮減したが、障害福祉サービス事業など扶助費や簡易水道事業等への繰出金が増加したため、分子が前年度比37,219千円の減にとどまった。また、経常経費一般財源等の減少により分母が大きく縮減されたことにより、前年度より2.6ポイント上昇し、類似団体平均値を1.3ポイント上回った。当市では、市単独補助金や公共施設の統廃合等による見直しが、経常経費削減の喫緊の課題であり、補助金見直しや大仙市公共施設等総合管理計画に沿い、これら経費の抜本的な見直しに努める。
・当市では、平成20年度決算における実質公債費比率が18%を超え、地方財政法第5条の4の規定による地方債許可団体に移行したため、平成21年度に公債費負担適正化計画を策定し、計画期間の市債発行総額(臨時財政対策債を除く。)を元金償還総額の8割以内に抑制するとともに、枯渇状態にあった財政調整基金の積み増し等を行い、将来負担比率及び実質公債費比率は着実に改善している。・今後は、普通交付税の合併算定替の段階的縮減により標準財政規模の縮小が予測されることから、引き続き事業内容の見直しによる市債発行額の抑制や市債繰上償還の実施等により、財政の健全化に努めていく。
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