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財政力指数については、ほぼ横ばいで推移してきており、令和4年度では類似団体平均値は0.01ポイント増加したものの、市としては変化がなかった。交付税算入率の高い起債を厳選して借り入れ、事業を実施していることから、分母が大きくなることはあるものの、総じて自主財源が少ないことが、指数が上がらない要因であるため、今後も税収確保に向け、企業誘致や地域産業の振興はもとより、多様な働き方ができる環境整備に注力していく。
経常収支比率については、前年度と比較すると3.5ポイント上昇している。これは、分母部分にあたる臨時財政対策債の減少及び分子部分にあたる補助費等に充当された一般財源の増加などによるものである。一方で、毎年度財源の状況が許す限り実施してきている繰上償還や、新規事業の企画立案に当たり、特定財源の確保を徹底してきたことにより、類似団体平均値と比較して、毎年度10ポイント程度良い状況が続いている。今後も多様化・複雑化する市民ニーズに応えていくため、財政の弾力性確保に向けた取組を推進していく。
人口一人当たりの人件費、物件費については、143,317円となっており、類似団体平均値を下回っているものの前年度に比べ微増となっている。これは人件費における会計年度任用職員の共済費の増や、公共施設の維持管理に係る物件費の増などによるものである。今後も人事配置の適正化に努めるとともに、佐久市公共施設マネジメント基本方針に則り、公共施設配置の統廃合を含めた適正配置、指定管理者制度の適切な運用や民間譲渡などを進め、行政コストの低減に努めていく。
類似団体内平均値及び全国市平均よりは上回っているものの、国家公務員の給与水準からは下回っている。ここ数年、ラスパイレス指数は上昇傾向が続いていたが、主な要因は長野県に準じた給料表の水準や職員構成の変動によるものである。今後も、長野県人事委員会勧告に基づく給与改定を行うことで、県内の民間給与との均衡を図りつつ、適切な給与水準の維持に努める。
人口1,000人当たりの職員数は、類似団体内平均値及び県平均値を下回っている。今後は、定年延長制度も踏まえつつ、必要に応じて組織機構の見直しや民間活力の活用等により、効率化を図りながら、適正な定員管理を行い、市民福祉の向上に努める。
実質公債費比率については、類似団体平均値と比較して7.3ポイント下回っているものの、前年度と比較すると0.5ポイント増加している。これは、令和元年東日本台風に係る災害復旧事業債等の元金償還開始に伴う元利償還金の増加などによるものである。今後も、市民ニーズを的確に把握し、規模・必要性を精査した上で適切な事業を選択するとともに、市債の活用にあたっては、交付税措置率の有利な起債の厳選に努める。
将来負担比率については、地方債残高などから構成される将来負担額に対し、充当可能基金額や普通交付税に係る基準財政需要額算入見込公債費などの充当可能財源が上回ったことにより、前年度に引き続き“数値なし”となった。今後も、現役世代と将来世代の負担バランスを考慮し、交付税算入率の高い有利な起債の活用、繰上償還、基金積立などを効果的に実行するとともに、バランスシートなどの公会計制度による財務手法も活用し、負担調整を図っていく。
人件費に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して3.4ポイント下回っているものの、前年度と比較すると0.3ポイント増加している。これは主に、勤勉手当や会計年度任用職員の共済費などの増などによるものである。今後も、民間活力の活用を含め、実態に即した職員数の適正化を図るとともに、時間外勤務手当の縮減等による人件費の抑制に努めていく。
物件費に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して2ポイント下回っているものの、前年度と比較すると0.2ポイント増加している。これは、主に固定資産税評価替に伴う土地鑑定料の増などによるものである。今後は行政のDX推進により需用費等の経費削減等に努める。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して1.9ポイント下回っているものの、前年度と比較すると0.1ポイント増加している。これは、分子部分にあたる扶助費の充当一般財源は減少しているものの、分母部分にあたる臨時財政対策債の減少がそれ以上に大きいため、結果的に経常収支比率としては増加しているものである。本市では、既に高齢化率が30%を超えており、さらにはこども未来戦略等に基づく子育て支援にも注力する必要があることから、今後も扶助費の増加が見込まれるため、保健事業や介護予防事業の充実等により、可能な限り扶助費の抑制に努めていく。
その他に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して0.6ポイント上回っており、前年度との比較では変動なく同数値となった。その他の主なものは、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計、後期高齢者特別会計への繰出金である。今後は、高齢者の増加に伴う影響を考慮し、医療費及び介護給付費の適正化に努める。
補助費等に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して0.8ポイント下回っているものの、前年度と比較すると1.8ポイント増加している。これは、主に浅間総合病院特別会計負担金や一部事務組合等への分担金の増などによるものである。今後も公営企業や一部事務組合等に対して経営改善を促すとともに、補助金等については交付事業の内容・効果を分析し、適宜見直しを行い適正な執行に努める。
公債費に係る経常収支比率は類似団体平均値と比較して2.2ポイント下回っているものの、前年度と比較すると1.1ポイント増加している。これは主に、令和元年東日本台風に係る災害復旧事業債等の元金償還開始に伴う元金の増加によるものである。公債費については、ここ数年間、小・中学校や保育所などの老朽化への対応や個別施設計画に基づく更新などが続くことから、事業を精査し、市債の新規発行の抑制や計画的な繰上償還の実施等により、起債残高の抑制に努める。
公債費以外に係る経常収支率は類似団体平均値と比較して7.5ポイント下回っているものの、前年度と比較すると2.4ポイント増加している。今後は、少子高齢化などを背景とした扶助費等社会保障費、老朽施設の維持管理経費など、経常経費の増加が見込まれることから、事務事業の見直しなど、行財政改革に一層取り組むことにより、経費の適正化に努める。
(増減理由)令和4年度末の基金残高は、普通会計で約342億1,200万円となっており、前年度から約11億4,000万円の増加となっている。これは、令和元年東日本台風災害や新型コロナウイルス感染症対策に対する支出が一段落したことで、目減りしていた減債基金を元に戻すため約5億200万円を積み立てたこと、また、公共施設等の老朽化を見越して保育所施設整備基金、公共施設等適正管理推進基金でそれぞれ約3億円の計画的な積立を行うことができたことが主な要因である。(今後の方針)新たな感染症や大規模災害など不測の事態への対応に加え、公共施設の老朽化対策など、今後の財政需要の増大にも適切に対応していけるように一定額を確保していくことを予定している。
(増減理由)令和4年度末の基金残高は、約73億5,300万円となっており、約2億1,400万円の増額となっている。これは、年度末に生じる財政調整を行った結果により、令和元年東日本台風及び新型コロナウイスによる影響に伴い減額していた基金残高を回復することを目指し、約2億円を積み立てたことによる増額である。(今後の方針)当初予算編成において、一定額の取り崩しが不可欠となっており、その額も年々増加させざるを得ない状況が続いているが、今後の財政需要に備えられるよう、財源調整をしながら可能な限り減少幅を少なくするよう努めていく。
(増減理由)令和4年度末の基金残高は、約53億4,300万円となっており、約5億200万円の増額となっている。これは、年度末に生じる財源調整を行った結果により5億円を積み立てたことによる増額であるが、財政調整基金と同様に、令和元年東日本台風及び新型コロナウイルスの影響による減額に対応した積立である。(今後の方針)令和5年度から令和元年東日本台風災害による起債の償還が本格的に始まっており、当初予算編成において、一定額の取崩が不可欠となっているが、財源調整をしながら単年度の公債費と同規模程度の額を維持していく予定である。
(基金の使途)・小・中学校施設整備基金:市立小・中学校施設整備に要する経費の財源に充てる。・地域振興基金:合併後の地域振興施策の推進に要する経費の財源に充てる。・文化振興基金:文化振興施策の推進に要する経費の財源に充てる。(増減理由)・保育所施設整備基金:中込地区新保育所建設事業などへ充当するため、約3億円を積み立てたことによる増額・公共施設等適正管理推進基金:公共施設等の集約化・複合化、老朽化対策などの推進のため、約3億円を積み立てたことによる増額(今後の方針)・小・中学校施設整備基金:浅間中学校増築事業費などへ充当するため取崩を予定
当市では、平成28年度に策定し、令和3年度に改訂を行った公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を23%削減するという目標を掲げ、本計画に基づく個別施設計画により、施設の更新、改修や維持管理の効率化を含めた適正化を計画的に進めている。有形固定資産減価償却率においては、上昇傾向にあるため引き続き個別施設計画に基づく施設の適正化を進めていく必要がある。
令和3年度は、令和元年東日本台風災害に係る災害普及事業債の発行に伴う基準財政需要額算入見込額の増加などにより充当可能財源が増加し、債務償還比率は令和2年度から減少した。今後も、計画的な繰上償還や交付税措置の高い「有利な起債」を選択し、年度間調整、世代間調整などを図っていく。
将来負担比率は数値なしの状況が続き、有形固定資産減価償却率とともに類似団体平均を下回っている。有形固定資産減価償却率については、年々比率が高くなっていることから、施設が全体的に老朽化しつつあり、近い将来維持更新のための投資が必要となる可能性がある。このことから公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を伴う更新及び長寿命化を進めるなどの適正管理に努める。
将来負担比率は数値なしの状況が続き、実質公債費比率とともに類似団体平均を下回っている。実質公債費比率については、昨年度に比べ比率が高くなっているが、これは、交付税算入率が高い「有利な起債」の償還ピークが過ぎ、算入される数値が減少していることが要因である。今後数年間、小・中学校や保育所などの老朽化への対応や個別施設計画に基づく施設更新などが続くことから、市債の適正な発行や計画的な繰上償還の実施、基金の積立等により、引き続き健全財政に努める。
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