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年々過疎化が進行する中、65歳以上人口の比率は高まる一方で、平成29年度における高齢化比率は47.7%と生産人口の減少が著しい。これは、茶業や林業を中心とした基盤産業の伸び悩みと、商工業の停滞に繋がっている。人口減少と産業の停滞は町税収入の減少に影響し、また人口を基礎数値とする各種交付金にも影響を及ぼしており、全国平均や県平均より大きく低くなっている。主要財源の一つである国有資産等所在市町村交付金(平成25:528百万円、平成26:514百万円、平成27:501百万円、平成28:489百万円、平成29:477百万円)を受けていることから、財政力指数は類似団体の平均とほぼ同じ状況となっている。ただ、その交付金の額も年々減少しており、その他に好転材料となる事項もないことから、今後は財政力指数の低下が懸念される。
退職者に係る職員の補充の抑制及び地方債借入れの抑制等により、義務的経費の削減に努めてきたが、平成26~27に実施した大規模事業(高度情報基盤整備事業)により地方債償還額が増加したこともあり、依然として義務的経費の占める割合が大きくなっている。経常的一般財源である地方税(国有資産等所在市町村交付金を含む)の歳入合計に対する割合は約2割となっており、高齢化や人口減少、景気動向をみると、今後大きな伸びは見込めない。また、地方交付税の割合も約4割と非常に高くなっているが、普通交付税が平成28より合併算定替交付縮減となっており、より一般財源確保が困難な状況となっている。平成28と平成29は、平成26~27実施した大規模事業に係る借入れ地方債の元金償還開始や、普通交付税の合併算定替交付縮減などにより、平成27までと比較し、経常収支比率は大きく上昇している。
平成17年9月に、元々人口規模の非常に小さな2町が合併した町で、合併後も人口1万人を下回る小さな町であることから、合併後は退職者に係る職員の補充抑制の計画などを図ってきたが、それでも町の規模と比較して職員数が多いことがあげられる。また、小学校4校、中学校2校、文化施設や複合屋内体育施設といった施設の管理運営費も多額となっている。以前より、施設運営の見直しなどの検討を行っているが、大きな改善には至っていない。人件費・物件費の飛躍的な削減に至らないなか、人口は減少する一方であるため、年々人口1人当たり人件費・物件費等決算額は上昇している。平成29年度は、ICT教育推進業務開始や施設整備に係る委託費の増などにより物件費が増加したことから、特に上昇額が大きくなっている。
人事院勧告などを踏まえ適正な給与改定を実施していることから、類似団体平均の数値とほぼ同じか、若干下回る状況となっている。今後も、適正な水準の設定に努めていく。なお、平成29の数値は前年度の数値を引用している。
退職者に係る職員の補充の抑制などにより職員数削減を実施してきたが、観光施設や教育文化施設などの町有施設数が多いことや、平成17年に元々人口規模が非常に小さな2町の合併により誕生した町であることから、合併後10年以上経過はしているが、依然として類似団体の平均を大きく上回る状況となっている。近年職員数は横ばい傾向にあり、人口減少により、人口千人当たり職員数は、年々増加している。
将来負担比率と同じく、平成17年度の合併前に借り入れていた地方債の償還がすすんでいることに加え、合併後は起債件数や借入額を抑えていることや交付税措置のある地方債を優先的に選択していることもあり、実質公債費比率は減少している。ただし、平成26、27年度に実施した大規模事業(高度情報基盤整備事業)に伴い借り入れた地方債により、平成28年度の対前年度減少率は、平成27年度以前より小さくなっており、平成29年度においては前年度と同率となっている。
平成17年度の合併前に2町単位で起債していた地方債の償還がすすんでいることや、合併後は起債件数や借入額を抑えており、借入対象の地方債も交付税措置の高いものを優先的に選択していることなどにより、近年の将来負担比率はマイナス数値となっている。ただ、今後、経常一般財源の減少により、充当可能財源である基金の減少の可能性も見込まれ、将来負担比率の悪化が懸念される。
平成17年度の合併以降の数年間は退職者に係る職員の補充を抑制し、その後も職員適正化計画に基づき、職員数の削減など行政改革を推進してきたが、観光施設や教育文化施設などの町有施設数が多く、類似団体と比較して人口千人当たり職員数も多いことから、人件費に関しても類似団体の平均を上回る結果となっている。
急峻な地形に小規模集落が点在する地形的条件から、公有施設も点在しており、それらの観光施設や文教施設といった施設管理に多くの経費を要するため、類似団体平均を上回る結果となっている。施設の管理運営経費を最小限に抑制するよう、行政改革委員会の提言などを参考に物件費の削減に努めているところであるが、大きな改善には繋がっていない状況といえる。平成29年度は、ICT教育推進業務開始や川根高校寮管理経費の増などにより、特に上昇額が大きくなっている。
支給対象者の状況により増減がみられるものの、近年は類似団体平均の1%以内とほぼ近い数値で推移してきたが、平成29年度は、支給対象者減に伴う障がい者自立支援給付費や児童手当などの減により、扶助費支出総額が減少していることから、類似団体平均を1.5%下回る状況となっている。
類似団体平均を下回る状況となっているが、介護保険事業会計における給付費の増に伴う町繰出金の増や、後期高齢者医療給付費負担金の増などにより経常経費における繰出金は上昇傾向にある。簡易水道事業会計においては、公債費の償還がすすんでいることにより、公債財源繰出金も減少したことから、前年度からは減少している。今後も、繰出対象の特別会計においても財政健全化に努め、一般会計からの適正な繰出しとなるよう運営に努めていく。
平成27年度までは類似団体平均値にほぼ近い数値となっていたが、常備消防事務や川根地区広域施設組合への負担金が多額となっているため、平成28年度からは類似団体平均値を上回る状況となっている。これについては人口規模が非常に小さいのに対し、急峻な地形に小規模集落が点在することなどから経費が多額となっていることがあげられる。関係団体などへの補助金については、交付が的確であるかどうか常に審査等を実施し適切な交付に努めている。
平成17年度の合併前に2町単位で借り入れた地方債の償還が順次終了し、合併後は1町規模の身の丈にあった起債に努めてきたため、平成28年度までは類似団体平均にほぼ近い数値となっていた。平成28年度からは、平成26~27年度実施事業に係る借り入れ地方債の元金償還が開始されたことから上昇傾向となっており、平成29年度は類似団体平均を2.3%上回る状況となっている。
扶助費やその他の経費など一部で類似団体平均を下回るものもあるが、人件費や物件費においては類似団体平均を大きく上回る状況となっている。経常経費の削減に努めているが、今後、より経常一般財源の確保が困難となることが見込まれ、更に大きな対策が必要な状況となっている。
(増減理由)平成29年度に財政調整基金において、普通交付税合併算定替交付削減や地方税等の減収などによる一般財源不足を補うため、一部取り崩しを実施したことにより、大きく減額している。減債基金については、該当事業の元利償還金への充当のため取り崩したことによる減。その他目的基金については、運用利子積み立てによる増。(今後の方針)これから、地方税や普通交付税などの一般財源の減収が見込まれ、事業執行の財源として基金の必要性が高まってくることが想定されるため、今後も事業精査等による歳出削減を進め、歳入規模に見合った予算編成としていくことにより、基金の確保に努めていく。
(増減理由)平成28年度から普通交付税合併算定替交付が削減期間に入ったことや地方税等の減収により、一般財源に不足を生じることとなってきていることから、平成29年度において一部を取り崩したため、残高が減少している。(今後の方針)事業精査等による歳出削減を進め、歳入規模に見合った予算編成としていくことにより、基金取り崩し額を抑制していく。
(増減理由)特定の事業分として積み立てた原資があるため、当該事業の償還分については、各年度の収支状況により取り崩しを行っている。(今後の方針)当該事業の償還が完了以降後は取り崩しを取り止める予定。
(基金の使途)主な基金の使途地域振興基金:町民の連帯の強化及び地域振興に要する経費並びに高度情報基盤整備事業により整備した施設の運用及び更新に要する経費へ充当社会福祉基金:地域福祉事業及び福祉施設の充実等に充当まちづくり基金:人材育成・交流事業・施設整備等のまちづくりの経費に充当林業振興基金:地域林業の振興に寄与するための施設の整備拡充及び従事者の育成等に活用し、林業振興の推進を図るための経費に充当水と森の環境保全基金:地球温暖化防止、生態系の保存、景観など自然環境保全に取り組むための経費に充当(増減理由)近年は各基金とも大きな取り崩しは無し。基金運用での利子積み立てによる増あり。(今後の方針)今後は地方税や普通交付税といった一般財源の減収が見込まれることから、計画的な取り崩しにより財源確保に努めていく。
本町は、中山間地に位置する過疎地域であり、人口減少・少子高齢化が進んでいる。小規模集落が点在する地理的条件から行政効率が悪く、役場は本庁と総合支所の2箇所、公立学校は小中あわせて6校となっている。また、主要産業の一つが観光業であり、町有の観光施設も多く有している。多くの町有資産で老朽化が進んでいる状況であるのに対し、改修等は進んでおらず、類似団体平均をやや下回る状況であるが、今後は施設の在り方を含め、計画的な改修・更新を進めていく必要がある。
平成17年の町合併以降は起債額を抑制し、将来負担額への充当可能財源が確保されていることもあり、将来負担比率は0.0以下(マイナス)の状態が続いている。一方で、小規模集落が点在する地理的条件から行政効率が悪く、役場は本庁と総合支所の2箇所、公立学校は小中あわせて6校、町有観光施設も多数有しており、その中の多くの施設で老朽化が進んでいる状況である。これに対し、改修等は進んでおらず、有形固定資産減価償却率は類似団体平均をやや下回る状況であるが、今後は施設の在り方を含め、計画的な改修・更新を進めていく必要がある。
平成17年の町合併以降は起債額を抑制し、将来負担額への充当可能財源が確保されていることもあり、将来負担比率は0.0以下(マイナス)の状態が続いている。また、実質公債費比率は、合併前に2町単位で借入れていた地方債の償還が順調に進んでいることから年々減少している状態となっている。なお、H29はH27借入の合併特例債元金償還が開始となり、公債費の支出が増加したことから、単年度の実質公債費比率は上昇したが、公表数値は過去3ヶ年数値の平均のため、H29の実質公債費比率は前年度と同率となっている。
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