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年々過疎化が進むにつれ、65歳以上の人口比率は高まっており、令和3.1.1現在の高齢化率は49.2%と生産人口の減少が著しい。生産人口の減少は、茶業や林業を中心とした基盤産業の伸び悩みや商工業の停滞に繋がり、結果、町税収入の減少に歯止めがかからない状況である。加えて、当町にとって大きな財源となっている国有資産等所在市町村交付金も年々減少している影響も大きい。令和2の財政力指数は、前年度と同様に類似団体平均を若干下回る結果となっている。
人口減少に伴う税収の減少、普通交付税における合併算定替交付額の縮減、平成26~27に実施した大規模事業(高度情報基盤整備事業)に伴い借入した地方債による地方債償還額の増加により、平成30まで経常収支比率が年々上昇していた。令和1からは合併当時に借入した合併特例債の償還が終了したため、下降傾向となっている。令和2においてもコロナ禍による事業の中止や規模縮小が多く、経常的経費の支出が減少したことから、前年度から3.9%の減少となったが、依然として類似団体平均の数値を上回る状況となっている。
正職員・臨時職員の採用については抑制を図ってはいるものの、町の規模に対し職員数が多い状態が続いている。また、観光施設や教育関係施等の管理運営費も多額となっており、類似団体平均を大きく上回る状況となっている。以前より、施設運営の見直し等について検討を行っているが、大きな改善に至っておらず、人口は減少する一方であるため、年々人口1人当たりの人件費・物件費等の決算額は上昇しており、平成29からICT教育推進業務開始等により特に数値が上昇している。
人事院勧告などを踏まえ適正な給与改定を実施していることから、類似団体平均の数値とほぼ同じか、若干下回る状況となっている。今後も、適正な水準の設定に努めていく。
正職員・臨時職員の採用の抑制等により職員数削減を実施してきたが、観光施設や教育関係施設など管理すべき町有施設が多く、それに応じた職員数が必要なため、依然として類似団体平均を大きく上回る状況となっている。近年職員数は横ばい傾向にあり、人口減少により、人口千人当たりの職員数は年々増加している。
将来負担比率と同じく、平成17の合併以降は起債件数及び借入額を抑えており、新規借入は交付税措置の高い地方債を優先的に選択していることなどもあり、実質公債費比率は減少しており、類似団体平均より低い比率となっている。令和2においては、平成20に借入した一般廃棄物処理事業債などの償還が終了したことで、令和1から大きく減少した。
平成17の合併前に2町単位で起債していた地方債の償還が進んでいることや、合併後は起債件数や借入額を抑えていることに加え、新規借入の地方債も交付税措置の高いものを優先的に選択しているため、近年の将来負担比率はマイナス数値となっている。ただ、今後、経常一般財源の減少により、充当可能財源である基金が減少する可能性もあり、将来負担比率の悪化が懸念される。
職員適正化計画に基づき、職員数の削減など行政改革を推進してきたが、依然、観光施設や教育関係施設など町有施設が多く、直営施設の管理運営に必要な人件費も多額で、類似団体平均を上回る状況となっている。令和2は会計年度任用職員制度が開始されたことも人件費上昇の一因となっている。
広大かつ急峻な地形に小規模集落が点在する地理的条件から、町有施設も点在しており、複数のある観光施設や教育関係施設の施設管理に多くの経費を要するため、類似団体平均を大きく上回る状況となっている。平成29にICT教育推進業務が開始され、平成30は川根地区広域施設組合解散に伴う単独実施となった管理費の増などの要因により上昇が続いていたが、令和1以降はコロナ禍による事業の中止や規模縮小が多く、減少傾向となっている。
支給対象者の状況により増減が見られるものの、平成28までは類似団体平均の1%以内とほぼ近い数値で推移してきた。平成29、平成30は支給対象者の減少に伴う障がい者自立支援給付費や老人保護措置費などの減少により、扶助費支出総額が減少したことから、類似団体平均を1.5%以上下回る状況であった。令和1以降は、加えて児童数の減少に伴う保育園・幼稚園への給付費の減少もあり、類似団体平均を2.0%程度下回る結果になっている。
類似団体平均を下回る状況となっているが、その他の経費の中では繰出金の占める割合が高く、介護保険事業会計における給付費に係る繰出金や後期高齢者医療給付費負担金に係る繰出金が毎年多額となっている。簡易水道事業会計においては、地方債の償還が進んでいることにより、地方債償還のための一般会計からの繰出金も年々減少している。
常備消防事務や川根地区広域施設組合への負担金が多額となっていたことから、平成28及び平成29については類似団体平均を上回っていたが、川根地区広域施設組合が平成29末をもって解散したことにより、平成30からは補助金等支出が減少し、類似団体平均を下回る状況が続いている。
平成28~30は平成26、27に実施した大規模事業に伴い借入した地方債の元金の償還が始まったため、類似団体平均を上回る状況となっていたが、令和1以降は合併当時に借入した合併特例債や平成20に借入した一般廃棄物処理事業債など高額の償還が終了したことで類似団体平均を下回っている。
扶助費やその他の経費などの一部で類似団体平均を下回るものもあるが、人件費や物件費においては類似団体平均を大きく上回る状況となっている。コロナ禍による事業の中止や規模縮小により経常経費が減少しているが、今後、一般財源の確保が困難となることが見込まれ、根本的な対策の検討が必要な状況になっている。
(増減理由)令和2年度末の基金残高は約29億6千万円と前年度から約7千万円の増加となっている。令和1までは普通交付税合併算定替交付縮減や地方税等の減収などによる一般財源不足を補うため、取崩しを実施してきたことにより、年々残高が減少していた。令和2においては、普通交付税の交付額の増加やコロナ禍による事業の中止、縮小により取崩しがなく、残高が増加した。(今後の方針)今後も、地方税や普通交付税などの一般財源の更なる減収が見込まれ、事業執行の財源として基金の必要性が高まっていくことが想定されるため、今後も事業精査等による歳出削減を進め、歳入規模に見合った予算編成としていくことにより、基金の残高確保に努めていく。
(増減理由)令和2年度末の基金残高は8億7,900万円と前年度から200万円の増加となっている。平成30、令和1においては普通交付税合併算定替交付縮減や地方税等の減収などによる一般財源不足を補うため、一部取り崩しを実施したが、令和2においては普通交付税の交付額が見込みより多く、取崩しを実施せずに済んだため、利息の分増額となった。(今後の方針)事業再精査等による歳出削減を進め、歳入規模に見合った予算編成としていくことにより、基金取り崩し額を抑制していく。
(増減理由)令和2年度末の基金残高は7,500万円と前年度と同額となっている。特定の事業分として積み立てた原資があるため、当該事業の償還分として令和1までは取り崩しを実施したことにより減少した。令和2においては償還が終了したため、取崩しが行われていない。(今後の方針)必要に応じて取崩しを行うが、基本的には当該事業の償還が完了したため取崩しは行わない。
(基金の使途)主な基金の使途地域振興基金:町民の連帯の強化及び地域振興に要する経費並びに高度情報基盤整備事業により整備した施設の運用及び更新に要する経費への充当社会福祉基金:地域福祉事業及び福祉施設の充実等に充当まちづくり基金:人材育成・交流事業・施設整備等のまちづくりの経費に充当林業振興基金:地域林業の振興に寄与するための施設の整備拡充及び従事者の育成等の経費に充当水と森の環境保全基金:地球温暖化防止、生態系の保存、景観など自然環境保全に取り組むための経費に充当(増減理由)令和1までは財源不足から各事業への充当を行った基金もあり減少しているが、令和2においてはコロナ禍による事業の中止や規模縮小により取崩しがなく、利息の分、増額となった。(今後の方針)今後は地方税や普通交付税といった一般財源の減収が見込まれることから、計画的な取り崩しにより財源確保に努めていく。
本町は、中山間地に位置する過疎地域であり、小規模集落が点在する地理的条件から行政効率が悪く、役場庁舎は本庁と総合支所の2箇所、公立学校は小中あわせて6校、町有の観光施設も多く有している。多くの町有資産で老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率も上昇傾向であるため、今後は施設の在り方を含め、計画的な改修・更新を進めていく必要がある。差し当って、公立学校の2校への統合を進めており、今後多少の上昇の抑制は見込まれる。
コロナ禍により事業が軒並み縮小、中止となったこともあり、財政調整基金の取り崩しがなかったため、実質債務は減少した。地方債の償還が進んでいる為、債務償還比率は低下しているが、まだ類似団体平均を上回る数値となっている。
平成17年の町合併以降、起債額を抑制し、将来負担額への充当可能財源が確保されていることもあり、将来負担比率は算定されていない。一方で、小規模集落が点在する地理的条件から行政効率が悪く、役場は本庁と総合支所の2箇所、公立学校は小中あわせて6校、町有観光施設も多数有しており、その中の多くの施設で老朽化が進んでいる状況である。これに対し、財政上の理由から大規模な改修等は進んでおらず、有形固定資産減価償却率はこれまで類似団体平均を下回っていたが、ついにR2で類似団体平均を上回る状況となった。今後は各施設の必要性、運営方法の再精査を行い、必要な施設において計画的に改修・更新を進めていく予定である。
平成17年の町合併以降、起債額を抑制し、将来負担額への充当可能財源が確保されていることもあり、将来負担比率は算定されていない。また、実質公債費比率は、合併前に2町単位で借入れていた地方債の償還が順調に進んでおり、近年大規模な事業も実施していないことから年々低下している。なお、R2においては合併前に2町規模で起債していた地方債の一部(一般廃棄物処理事業債等)の償還が終了したため、実質公債費比率が大きく低下した。
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