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大型事業所及び関連事業所の集中により類似団体を上回る税収があるため、財政力指数は類似団体平均を大きく上回っている。しかしながら、人口減少等の影響による収入減、老朽化した公共施設等の整備費や高齢化に伴う社会福祉関係費の増加などが今後も続くことが予想されるため、限られた財源を効率的かつ効果的に配分することにより、健全財政を確保し、将来を見据えた事業の着実な推進を図る。
新型コロナウイルス感染症感染拡大等に伴い個人市民税が減少した一方で、地方交付税や各種交付金の増加により経常一般財源は増加したものの、DXの推進や新型コロナウイルス感染症対策等、社会情勢の変化に対応するための増員等による人件費の増加や、学校再編に伴うスクールバスの運行開始等による物件費の増加などによりそれ以上に経常経費充当一般財源が増加したため、経常収支比率は前年度比0.7ポイントの増となった。引き続き、ファシリティマネジメントの推進や時代の変化に応じた大胆な事務事業の見直しなど徹底した経営改革を実施し、経常経費の削減に努める。
市域の広さやそれに伴う公共施設の多さが主な要因で、人件費及び物件費ともに類似団体の平均を上回っている。特に人件費については、昇給抑制や給与削減措置の継続をしているものの、DXの推進や新型コロナウイルス感染症対策等、社会情勢の変化に対応するための増員などにより前年度に続き増加することとなった。今後も引き続き、定員適正化計画に基づく総職員数の抑制、民営化やアウトソーシングなどの行政改革を通じて人件費の適正化を図り、大胆な事務事業の見直しなど徹底した経営改革を実施し、より一層の経費削減に努める。
給与制度や人事制度の見直し、職員の若年化に伴う国との乖離を調整する給与削減措置により、ラスパイレス指数は概ね適正となっている。今後も、適正な給与水準の維持に努める。職員の年齢構成の平準化を図っているところだが、他の市町村と比較し経験年数が少ない管理職が多くいることから、当面の対応策として特別職、一般職の職務の級に応じた給与減額措置を実施している。
職員数は、組織の見直しや育休代替職員の採用等により増加していることに加えて、人口減少が影響し、類似団体平均よりも3.11人上回る水準となっている。市の面積が広大であるため、類似団体と比較して保育園、公民館、消防署分署等出先機関を多く配置しなければならないことから、依然として類似団体平均を上回る結果となった。今後も定員適正化計画に基づき、総職員数の抑制を図り、適正な定員管理に努める。
3か年平均では、過去に借り入れた臨時財政対策債等の償還が完了したことにより前年度比0.2ポイントの減となり、引き続き類似団体平均を下回っている。しかし、単年度では、標準財政規模が市税(法人税割)の減少等により減少したことなどから比率は増加している。今後も大規模な公共施設の整備事業を控えており、起債額及び元利償還金の増加が見込まれるため、引き続き緊急度や住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、後年度への負担や財政措置等を見極めながら、適切な水準を維持するよう努める。
公共施設や社会インフラの大規模な整備により地方債の現在高が20.7億円増加したことに加え、標準財政規模が市税(法人税割)の減少等により減少したため、前年度から1.9ポイントの増となり、類似団体平均を上回る水準となった。今後も公共施設等の大規模な整備により地方債現在高の増加が見込まれるが、ファシリティマネジメントを推進し、世代間の負担の公平化及び財政支出の平準化の観点から、適切な水準を維持するよう努める。
人件費は類似団体平均と比べて高い水準になっており、その要因として、市の面積が広大であるため、保育園、公民館、消防署分署などの施設配置が多いことに伴い人件費をより多く必要とする構造がある。また、令和3年度の人件費決算額は、昇給抑制や給与削減措置の継続をしているものの、DXの推進や新型コロナウイルス感染症対策等、社会情勢の変化に対応するための増員などにより2.9%の増となった。今後も定員適正化計画に基づく総職員数の抑制、民営化やアウトソーシングなどの行政改革を通じて人件費の適正化に努める。
学校再編に伴うスクールバスの運行開始による委託料の増加等により、前年度比0.6ポイントの増となった。類似団体平均に比べ高い水準となっており、主な要因は、広大な市域をカバーするため、公共施設等の維持管理経費を多く必要とする構造にある。引き続きファシリティマネジメントに基づく公共施設の統廃合による維持管理コストの縮減等により運用の効率化を図ることに加え、公共施設の使用料の適正化を推進し、充当一般財源の縮減を図る。
障害福祉サービス費支給事業費や生活保護費等が増加したため、前年度比0.4ポイントの増となった。扶助費は上昇傾向にあるため、財源の確保や独自補助制度の見直しを進めていくことで、財政の圧迫に歯止めをかけるよう努める。
投資及び出資金について、君津富津広域下水道組合への経常的な支出が減少したことなどにより、前年度比0.1ポイントの減となった。類似団体平均を上回る水準となっているのは、繰出金が増加傾向にあることが要因であるため、今後も各特別会計における財政収支の適正化を図り、普通会計の負担額縮減に努める。
君津富津広域下水道組合への負担金を抑制するなどにより、前年度比0.3ポイントの減となっている。引き続き適正な交付に努めるため、補助金等の交付に当たっては、今後も明確な基準のもと、予算、決算、事業内容等の確認を行い、恒常的に見直し、適正化を図る。
過去の起債抑制により公債費は減少し、前年度比0.2ポイントの減となった。引き続き類似団体平均を下回る水準となっているが、すでに大規模な公共施設の整備事業により地方債現在高が増加傾向にあり、今後は元利償還金の増加が見込まれるため、より一層世代間負担の公平化及び公債費負担の平準化の観点から、適正な水準を維持するよう努める。
経常的経費充当一般財源の増加により前年度から0.9ポイント増加し、依然として類似団体平均を上回る状態が続いている。類似団体との比較では、人件費及び物件費の数値が高く、経常収支比率を押し上げる要因となっているため、引き続き積極的な行財政改革によるコストの削減に努める。
(増減理由)令和3年度末の基金残高は、68億2,555万5千円となっており、前年度から5億5,688万2千円の増加となっている。これは、財政調整基金で8億9,462万8千円増加したことが主な要因である。(今後の方針)大型事業所操業に伴い人口が急増した昭和40年代の短期間に整備された公共施設の多くは老朽化が進行し、大規模改修や建替えの時期を迎えており、財源の確保が必要となっている。それら公共施設の更新整備に係る費用について、長期的な視点で、どれだけ資産価値が目減りするのか、いつ更新整備をすればコストを低く抑えられるのかを精査し、計画的に積み立てるよう努める。
(増減理由)当初予算における財源不足分10億3,000万円をはじめとする10億7,825万1千円を取り崩した一方で、不要な支出の抑制及び行財政改革の推進による前年度決算剰余金を中心に19億7,287万9千円を積み立てたことにより、8億9,462万8千円の増となった。(今後の方針)大型事業所及び関連事業所による税収の割合が大きく、景気の動向に影響を受けやすいため、標準財政規模の20%程度の約40億円となるよう努めることとしている。
(増減理由)当初予算で計上した10万円を積立てたことにより増となった。(今後の方針)地方債償還額の平準化に努め、引き続き同程度の積立てを継続することとしている。
(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設の計画的かつ効率的な整備・スポーツ振興基金:市民のスポーツ振興を図るための社会体育施設の整備・市民文化振興基金:市民文化の振興を図るための経費(増減理由)・国際交流基金:歳出予算で執行可能であり、運用益による事業実施は効果が小さいため、残高の3億円全額を取り崩し、廃止したことによる減。・花と緑のまちづくり基金:歳出予算で執行可能であり、運用益による事業実施は効果が小さいため、残高の5,410万円全額を取り崩し、廃止したことによる減。・スポーツ振興基金:スポーツ施設の整備に備え、3,014万3千円を積み立てたことによる増。(今後の方針)・公共施設整備基金:公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき、計画的に積み立て、必要に応じて活用する。・スポーツ振興基金:スポーツ施設の整備に備え、引き続き年間約3,000万円を積み立てていく。・市民文化振興基金:市民文化の振興を図るため計画的に活用していく。
本市では昭和40年代以降に人口が急増し、同じ時期に多くの公共施設等を整備したため、有形固定資産減価償却率が高い水準にある。現時点では、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値より高い水準で推移しているが、引き続き君津市公共施設等総合管理計画、君津市公共施設再配置方針及び君津市個別施設計画に基づき、予防保全型の維持管理に努めるとともに、施設の複合化や統合を積極的に進めていく。
債務償還比率は類似団体内平均値を下回っているが、今後、公共施設等の統廃合や更新等の推進に伴い、地方債の発行額が増加することが想定されるため、事務事業の見直し等を継続して進めていく。
将来負担比率は、地方債残高の増加により、令和2年に比べ悪化し、類似団体内平均値を上回った。有形固定資産減価償却率については、昭和40年代以降の人口急増に伴い多くの公共施設等を整備したため、引き続き高い水準にある。主な要因は、広大な市の面積に伴う多数の道路の有形固定資産減価償却率が84.5%と高いことが挙げられる。引き続き将来負担比率の適正水準を維持しつつ、君津市公共施設等総合管理計画、君津市公共施設再配置方針及び君津市個別施設計画に基づき、予防保全型の維持管理に努めるとともに、施設の複合化や統合を積極的に進めていく。
将来負担比率は地方債残高の増加により、令和2年に比べ悪化し、類似団体内平均値を上回った。実質公債費比率は、類似団体内平均値と比較して引き続き低い水準にある。今後は、公共施設等の統廃合や更新等の推進に伴い、地方債の発行額が増加し、それに伴い地方債の償還額も増加することが想定され、将来負担比率及び実質公債比率ともに上昇することが見込まれるため、これまで以上に公債費の適正化に取り組む必要がある。
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