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財政力指数は、基準財政需要額と基準財政収入額どちらも増加傾向にあることで、近年は横ばいとなっていた。しかし、令和3年度と令和4年度は、臨時経済対策費の追加により分母である基準財政需要額が増加した。その結果、財政力指数は低くなった。引き続き、企業誘致等により税収の増加を図り、財政基盤の強化に努める。
経常収支比率は、前年度に比べ5.4ポイント増加し、類似団体平均を3.7ポイント上回っている。令和4年度は、コロナ禍の影響減に伴う給与所得者、営業等所得者の納税義務者数及び課税額の増加により、分母の経常一般財源が大きく増加したが、臨時財政対策債の発行可能額の減等により分子の減少した。その結果、経常収支比率が低下した。今後はより一層、自主財源の確保及び経常経費の削減に努める。
令和4年4月1日時点の人口1万人あたり職員数は類似団体平均を上回っており、効率的な行政運営を行うことにより、当該決算額は類似団体の中では健全な値となっている。また、行政改革への取組や職員定数適正化の推進とともに、消防業務やごみ処理業務等を一部事務組合で行っていることも、類似団体平均と比べ健全な要因の一つである。今後も行政改革大綱に基づき、事務事業の整理、民間委託の推進や指定管理制度の運用、組織のスリム化等を進めていく。
令和4年調査の数値(98.7)は、経験年数階層の変動等により、令和3年調査の数値(99.0)に比べて0.3ポイント低下した。令和6年度より高齢層職員の昇給停止、扶養手当の見直し、令和7年度より住居手当の見直しを行う予定であるため、今後も給与の適正化に努める。
令和元年度から令和2年度にかけての値の増加は、民生部門及び衛生部門の業務量増加によるものである。また、令和2年度から令和4年度にかけての値の増加は、衛生部門、民生部門及び土木部門の業務量増加によるものである。このような中で、市民サービスの質を維持向上させることを意識し、定員管理を行ってきた。一方で、類似団体平均を下回っているのは、消防業務やごみ処理業務等を一部事務組合で行っているためである。今後も、職員の心身の健康を保つという観点も踏まえ、引き続き計画的な職員採用を実施し、適正な定員管理に努める。
実質公債費比率は、平成30年度以降、横ばいが続いている。主な要因として、地方債の元利償還金は減少したものの、合併特例債等の借入に係る基準財政需要額も減少したことなどがあげられる。今後公共施設の大規模改修工事が控えているため、公債費については増加が見込まれる。そのため、引き続き有利な地方債の活用や地方債の計画的な借入、実施事業の見直しや国庫補助金等の特定財源の確保に努めていく必要がある。
将来負担比率は、将来負担額より充当可能財源等が多いことで、平成29年度以降は「-」となっている。主な要因として、減債基金や施設整備等基金などの積み立てにより、充当可能基金残高が増加傾向にあることがあげられる。今後公共施設の大規模改修工事が控えているため、将来負担額については増加が見込まれる。そのため、引き続き有利な地方債の活用や基金の計画的な積立と活用に努めていく必要がある。
令和3年度と比べて1.3ポイント増加した。主な要因は、退職手当組合特別負担金が前年度よりも+47,617千円となったためである。なお、類似団体を下回っている要因は、消防業務やごみ処理業務等を一部事務組合で行っていることが挙げられる。今後も行政改革への取組を通じて人件費の適正化に努める。
令和3年度に比べ2.0ポイント増加した。主な要因は、光熱水費や個別予防接種業務委託料の増加により物件費充当経常一般財源等が増加したためである。なお、類似団体平均を上回っているのは、消防業務やごみ処理業務等を一部事務組合で行っているためである。
令和3年度と比べて0.2ポイント増加した。分子である扶助費充当経常一般財源は前年度よりも増加している。主な要因は、認定こども園給付事業負担金が+417,905千円となったためである。類似団体を上回っており、年々増加傾向にあるため、資格審査の適正化や、単独事業の見直しを進めていく必要がある。
令和3年度に比べ1.2ポイント増加した。主な要因は、キャッシュレス決済キャンペーン還元費用の増加により、補助費等充当経常一般財源等が増加したためである。なお、類似団体平均を下回っているのは、消防業務やごみ処理業務等を一部事務組合で行っており、負担金を支出しているためである。
令和3年度に比べて0.2ポイント増加した。主な要因は、分母である公債費充当経常一般財源等の微減に対して、分子の減額幅が大きいことによるものである。地方債元金及び長期借入金利子が前年度よりも減少し、地方債残高についても減少傾向にある。今後は公共施設の大規模改修事業に伴う元利償還金の増が見込まれている。地方債を財源とする事業全体を精査し、可能な限り地方債の抑制に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は、令和3年度に比べ5.2ポイント増加した。主な要因は、経常収支比率の算定上の分母となる地方交付税等の減少が、分子となる歳出の減少を上回ったことによる。
(増減理由)基金全体で見ると、令和4年度は8億5,900万円取り崩した一方で、決算剰余金や基金運用収入を18億9,400万円積み立てたことにより、基金残高は前年度よりも増加した。(今後の方針)中期財政収支見通しでは、補助費等や繰出金などの経常的経費は増加傾向にあり、また、今後は公共施設の計画的な大規模改修等による臨時的経費の増加も見込まれていることで、各基金を取り崩さざるを得ない収支が見込まれている。歳入では大きな伸びが見込めないことや、歳出では社会保障関連経費の増加が避けられない状況下においても持続可能な行政運営を行っていくために、戦略的に基金を活用する一方で、将来負担に備え基金への積立ても行う。
(増減理由)令和4年度は決算剰余金等を3億5,000万円積み立て、取り崩しをしなかったため、基金残高は増加した。(今後の方針)年度間の財源調整を図り、財政の効率的な執行と健全な運営に資するため、標準財政規模の25%程度の基金残高を確保・維持していくことを目標として積み立ててきた。令和5年度以降についても、緊急的な災害等の影響による市税や地方消費税交付金等の経常一般財源の減少に対応する財源を確保するとともに、物価高騰に係る新たな行政需要に対応するため基金を活用する。
(増減理由)減債基金は、合併特例債を活用して実施した大規模建設事業等に係る交付税措置されない元利償還金の財源とするために積立を行ってきた。令和4年度は基金運用収入300万円を積み立てた一方で、前述の償還のために2億100万円を取り崩したことで、基金残高は減少した。(今後の方針)合併特例債を活用して実施した公共施設の整備に係る元利償還金の償還等に備えることに加え、今後予定されている学校施設の大規模改修等の起債に係る元利償還金の償還等に備えるため積み立てる。
(基金の使途)・施設整備等基金:公共用又は公用に供する施設の整備及び解体に係る事業の推進。・地域振興基金:新市の一体感の醸成に資する事業や旧市町村単位の地域振興の推進。・駅周辺都市基盤整備基金:本庄市総合振興計画基本構想に基づく、本庄駅周辺の都市基盤整備の推進。・地域福祉基金:在宅福祉の推進など、地域における保健福祉活動の振興。・ふるさと創生基金:多様な歴史、伝統、文化、産業等を活かし、ひとづくりやまちづくりに資する事業の推進。(増減理由)・施設整備等基金:令和4年度は、公共施設の整備に充当するため3億9,700万円を取り崩した一方で、決算剰余金や基金運用収入を10億100万円積み立てたため、基金残高は増加した。・駅周辺都市基盤整備基金:令和4年度は、今後の整備に備え4億8,000万円を積み立てたため、基金残高は増加した。・ふるさと創生基金:令和4年度は、まちの魅力創造事業等へ充当するため1,700万円を取り崩した一方で、積立原資であるふるさと納税寄附金により3,200万円を積み立てたため、基金残高は増加した。(今後の方針)・施設整備等基金:「本庄市公共施設維持保全計画」に基づき、今後30年間の公共施設の改修及び更新等に係る経費について、毎年度約5~6億円の取り崩しが見込まれていることから、将来負担の軽減を図るため計画的に積み立てる。・駅周辺都市基盤整備基金:事業着手となると多額の事業費が必要となるため、事業の進捗に合わせ積み立てる。
総合支所、保健センター、中学校等の建て替え工事や図書館等の大規模改修工事の完了等により、類似団体や全国平均、埼玉県平均を下回っている。今後は大規模改修工事を行った施設の減価償却が進むとともに、他の公共施設も築年数が経過し改修時期を迎える。公共施設維持保全計画等をもとに、公共施設の適切な改修等を進めていく。
債務償還比率は、地方債残高の減少や基金の積み立て等により、類似団体や全国平均、埼玉県平均を下回っている。今後も経常的な業務活動から債務の償還原資の確保ができるよう努めていく。
将来負担比率については、充当可能基金額等の充当財源が将来負担額より多くなり、指標が算定されない水準となっている。よって、有形固定資産減価償却率との推移を比較したグラフは表示されていない。有形固定資産減価償却率については、大規模改修工事等により類似団体の平均より低い水準となっている。今後については、築年数が経過した公共施設の改修工事等に伴い、地方債残高の増加や基金残高の減少が見込まれるため、計画的な財政運営により指標上昇の抑制を図る。
将来負担比率については、充当可能基金額等の充当財源が将来負担額より多くなり、指標が算定されない水準となっている。よって、実質公債費率との推移を比較したグラフは表示されていない。実質公債費比率は、平成30年度に一部事務組合、下水道事業へ負担している経費(公債費に準ずる経費)の減少や公債費に係る交付税算入額の増加等の影響で指標が改善されてから、近年横ばいとなっている。類似団体と比較して低い水準にあるが、実質公債費比率の改善に向けて、地方交付税措置のある有利な地方債の活用や地方債の計画的な借入に努めていく必要がある。
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