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平成24年度までは財政力指数の低下傾向が続いていたが、平成27年度は平成26年度と比較して0.01ポイントの増となり、3年連続で増加した。前年度比増の主な要因としては、立地企業の業績が好調を維持していることにより法人市民税法人税割の増加が顕著なことがある。また、雇用の増に伴い個人市民税所得割も増加している。
経常収支比率は、前年度と比較して1.0ポイントの増となり、平成24年度以降増加傾向が続いている。前年度比増の要因は、障がい者介護給付費などの扶助費が前年度より大幅に増加したことがある。福祉関係経費は今後も増加が見込まれるほか、過去の大型公共施設建設に伴う地方債の償還が平成30年度まで続くことにより公債費も高止まりするため、経常収支比率も高い水準で推移することが予想される。
人件費は前年度比で149,049千円の増、物件費は前年度比で15,449千円の増となり、合計で164,498千円の増となった。その結果、人口1人当たりの人件費・物件費等決算額は1,375円の増となった。前年度比増となった主な要因は、人件費において国民体育大会開催準備に伴う職員数の増や増額の給与改定に伴い職員給与費が増加したことなどによるものである。
当市では、岩手県の取扱いに準拠して平成28年4月より給与制度の総合的見直しを実施したところである。ラスパイレス指数については、職員構成の変動等により98.6と前年度に比して0.2ポイント下回った。今後も地域の民間給与の状況を踏まえながら住民サービスを低下させることなく、給与の適正化に努めていく。
対前年比、0.01ポイントの減で概ね維持である。類似団体比較、全国平均及び岩手県平均のいずれと比較しても下回っている。主な理由としては、平成28年度岩手国体の開催に向けた体制強化(任期付職員の採用)が挙げられる。平成28年度の国体終了後は、当該任期付職員は退職予定であり、再び、職員数は減少する見込みである。なお、今後も適正な人員配置に努める。
実質公債費比率は平成25年度をピークに減少に転じ、平成27年度は前年度比0.5ポイントの減となった。数値が高止まりしている主な要因は、北上市文化交流センターさくらホールの建設に伴い平成15年度までに発行した旧地域総合整備事業債等の償還が、発行条件によりここ数年多額となっていることである。それらの起債償還は平成30年度まで続くことから、引き続き市債の発行抑制に努めることとしている。
第三セクター等改革推進債の発行及び償還により旧土地開発公社の債務が減少してきたこと、新発債の発行を抑制してきたことにより、将来負担比率は減少を続けてきたが、平成27年度は前年度比1.7ポイントの増となった。これは、年度を跨いだ一時的な資金繰りのため基金からの繰替運用をしたことによるものである。類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を大きく上回っているため、引き続き市債の発行抑制や、公営企業の事業計画の見直しによる企業債の発行抑制等により、将来負担比率の抑制に努めることとしている。
人件費に係る経常収支比率は、対前年度比0.1ポイントの増となったものの、類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を下回っている。前年度比増の主な要因は、国民体育大会開催準備に伴う職員数の増や増額の給与改定により職員給与費が増加したことによるものである。
物件費に係る経常収支比率は、対前年度比で変化はないものの、類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を上回っている。各平均値を上回っている要因としては、施設維持管理の民間委託等を進めていることにより、他団体と比較して委託料が多額であることが考えられる。
扶助費に係る経常収支比率は、対前年度比0.8ポイント増となったものの、依然として類似団体、全国平均及び岩手県平均を下回っている。前年度比増の主な要因は、主に障がい者介護給付費及び生活保護費の増加などによるものである。
その他に係る経常収支比率は、対前年度比0.3ポイントの増となり、岩手県平均及び全国平均を上回ったものの、類似団体平均を下回っている。前年度比増の主な要因は、介護保険などの特別会計への繰出金が年々増加していることによるものである。国民健康保険事業及び介護保険事業などに対する基準内の繰出金は、保険給付費の増加に伴い今後も増加が見込まれるところである。
補助費等に係る経常収支比率は、対前年度比0.2ポイントの増となり、岩手県平均以下であるものの、類似団体平均及び全国平均を上回っている。前年度比増の主な要因は、ふるさと寄附金の受入れの増加に伴い、返礼品を贈呈するための報償費が前年度に比べて312%増となったことなどによるものである。
公債費に係る経常収支比率は、対前年度比0.4ポイント減となった。前年度比減の主な要因は、経常一般財源である地方消費税交付金等が増加したことである。北上市文化交流センターさくらホールの建設に伴い発行した旧地域総合整備事業債等の多額の償還が平成30年度まで続くことにより、当分の間類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を上回る見込みであるため、引き続き市債の発行抑制に努めることとしている。
公債費以外に係る経常収支比率は、対前年度比1.4ポイントの増となったが、依然として類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を下回っている。人件費の節減や扶助費の抑制などにより各平均値を下回る状態を維持しているが、国民健康保険や介護保険に係る保険給付費の増加が見込まれるため、引き続き経費の削減を図り、財政の弾力性を高めるよう努める。
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