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長引く景気低迷による個人・法人関係税の減収などから0.26と類似団体平均を下回っている。若年層の人口流出が続き納税義務者が減少しているほか、税収が低い水準で推移している。また、法人に係る税収の大幅な増収は見込めず、固定資産税の減価償却費が年々減少している状況にある。引き続き、雇用創出に向けた取り組みを実施していくとともに、滞納処分の強化による税収増に努めていく。
令和2年度までは普通交付税、地方譲与税等の経常一般財源の減少により90%を超える水準となっている。財政調整基金は令和2年度は150百万円、令和3年度30百万円を取り崩している。令和3年度からは普通交付税の増加により、経常収支比率は前年度までと比較して減少している。今後も、繰上償還の実施や元金償還額以上の借入を行わないこと等を基本に、公債費の抑制を図りながら、義務的経費の削減に努めていく。
平成16年度から財政再建に取り組み、職員数の削減や給与・手当等の独自削減を行ってきたことにより、類似団体と比較して職員数、人件費のいずれも少なくなっているが、令和元年度以降は会計年度任用職員制度導入に伴い人件費が増加している。物件費においても令和4年度は施設の設計委託等の新規事業の増加により増加している。今後も、職員の適正な定員管理を行うとともに、事務の見直しや効率化を図り、物件費等経常経費の抑制を図っていく。
職員給の独自削減(3~5%)、各種手当の凍結や見直しなどを平成16年度から実施してきたが、平成28年度において管理職手当や期末勤勉手当の役職加算の一部復元、平成29年度には5年ぶりに給料の削減率が改善された。ラスパイレス指数は類似団体平均を上回っているものの、全国平均と比較するとほぼ変わらない水準となっており、引き続き給与の適正化について検討を進めていく。
平成13年度から17年度まで退職者不補充を続けてきたことや、定員管理計画に基づき新規採用者を最低限に抑制していることから、類似団体平均を下回っている。今後も引き続き適正な定員管理に努めていく。
過去の大型事業に伴う起債により公債費が高水準であり、上水道への高料金対策繰出金や下水道会計への繰出金のほとんどが公債費に充当されていることが実質公債費比率が高い要因となっている。借換や繰上償還の実施により公債費負担の平準化や抑制が図られたことにより、比率は一定程度まで減少している。しかし、類似団体と比較しても実質公債費比率は高水準にあり、今後、公共施設等の長寿命化改修などの普通建設事業の増加により比率が増加することも想定されることから、引き続き起債の抑制等により比率の低減化を図っていく。
大規模建設事業が続き、普通会計における地方債残高は9年度末から100億円を超えていたが、16年度から起債の抑制に努めた結果、将来負担比率は徐々に減少している。令和4年度は江差小学校校舎耐震改修費などの償還が完了したことから公債費が更に減少している。しかし、類似団体と比較しても将来負担比率は高水準にあり、引き続き起債の抑制などに取り組み、比率の低減化を図っていく。
平成13年度から17年度までの退職者不補充や新規採用の抑制等により職員数が類似団体平均を下回っている。職員給については、独自削減(3~5%)、各種手当の凍結や見直しなどを平成16年度から実施してきたが平成28年度から管理職手当や期末勤勉手当の役職加算の一部復元、平成29年度には5年ぶりに給料の削減率が改善された。ラスパイレス指数は類似団体平均を上回る水準であるものの、人口1人当たりの人件費の決算額は類似団体を下回っている。今後も適切な定員管理に努め、人件費の抑制を図っていく。
平成28年度以降、類似団体平均を超えている状況にあったが、令和元年度からは類似団体平均と同水準に減少している。これは、平成30年度から町立養護老人ホームが民間移管されたことに伴い、令和元年度で関連する物件費が皆減となったことによる。また、令和2年度以降は会計年度任用職員制度導入に伴う賃金等の減少によりさらに物件費が減少となった。今後も引き続き事務事業の見直し・効率化を図り、物件費をはじめとする経常経費の抑制に努めていく。
障害者福祉サービスに係る給付費の増加により、類似団体と比較しても経常収支比率が高くなっている。年々、障害者対策等の扶助費は増加し続けており、上昇傾向に歯止めがかからない状況になっている。
平成28年度までは下水道事業の休止等により繰出額の抑制を図っていたことから類似団体平均を下回っていたが、平成29年度以降は上回っている。これは、平成29年度から公共下水道の新設工事が公営住宅建設に併せて行われたこと等により上昇しているほか、医療・介護に係る給付費の増加に伴い、これらの特別会計への繰出も増加傾向にあるためである。今後も、各特別会計における自主財源の確保に努め、普通会計からの繰出の抑制に努めていく。
消防業務やごみ処理・し尿処理・火葬場の運営、給食センター運営等の業務を一部事務組合において行っていることから、一部事務組合への負担金が大きくなっている。平成25年度からは上水道事業への高料金対策の繰出が増額となっており、経常収支比率の増加要因となっている。
平成16年度に独自策定した財政再建プログラムと平成18年度に策定した公債費負担適正化計画に基づき起債の抑制に努め、さらに実質公債費比率が25%を超えたことから平成21年度に財政健全化計画を策定し、町債の繰上償還など公債費負担の抑制に向けた取り組みを着実に進めてきた。令和3年度からは類似団体平均を下回ったが、今後も引き続き起債の抑制に努めるとともに、計画的な町債の繰上償還を実施し、公債費負担の抑制に努めていく。
平成29年度以降、賃金等の増加や各種システム導入に伴うランニングコストの増加などにより物件費が増加し、類似団体を上回っている。令和3年度は普通交付税の交付額の増加により、経常一般財源が増加したことから比率は減少したものの、類似団体よりも高い比率となっている。今後も引き続き事務事業の見直し・効率化を図り、物件費をはじめとする経常経費の抑制に努めていく。
(増減理由)財政調整基金は、歳出抑制等により令和4年度の残高は23億8千万円の残高となっているが、令和2年度に150百万円、令和3年度に30百万円を取り崩していることから、財政調整基金の残高は横ばいとなっている。基金全体では、ふるさと応援基金等の増により、前年度比77百万円増となっている。基金を一般会計に繰り入れなければ財政運営が成り立たない状況が続いており、今後も取り崩しは続いていくことが見込まれる。(今後の方針)今後は、老朽化施設の長寿命化やコミュニティプラザ江差(仮称)の建設等の大型事業が行われる予定となっており、財政状況がますます厳しくなると見込んでいる。財源確保のため、起債の借入や基金の取り崩しなどを行いながら、財政運営を行っていかなければならないため、今後も適切な基金運用を行っていく。
(増減理由)令和元年度は財源不足を補うため250百万円、令和2年度は150百万円を取り崩していることから残高は横ばいとなっている。(今後の方針)財政調整基金の残高は、今後も減少していくものと見込んでいる。今後の大型事業等の実施により歳計剰余金の積立も大きく見込めないことから、取り崩しは加速していくものと見込んでいる。今後も適切な基金運用を行いながら、その他歳入確保に努めていく。
(増減理由)令和3年度において、普通交付税の追加交付により臨時財政対策債を償還するために38百万円積立を行い、残高が増加している。(今後の方針)財政状況が厳しいことから今後の積立は予定していない。
(基金の使途)・旧江差線鉄道施設等整理基金:旧江差線(木古内・江差間)の鉄道施設等の整理及び跡地の環境整備の促進を図る。・歴史を生かすまちづくり基金:「歴史を生かすまちづくり」事業を推進する。・江差町かもめ島交流拠点づくり基金:かもめ島の自然、景勝、歴史、文化など地域固有資源の保存活用を図るとともに、かもめ島周辺の交流拠点づくりを促進する。(増減理由)・ふるさと応援基金:寄付額が増加したことから、積立額と取崩額との差額で34百万円増加している。・旧江差線鉄道施設等整理基金:旧JR江差線跡地に関連する事業のうち、旧JR江差線跡地用地確定測量等に充当したことにより残高が3百万円減となっている。・歴史を生かすまちづくり基金:歴まち地区の施設管理に充当し、1百万円減となっている。・江差町かもめ島交流拠点づくり基金:基金残高の増減はなし。・森林環境譲与税基金:森林環境譲与税の交付額の増加に伴い、積立額が増加したことから残高が3百万円増となっている。(今後の方針)・ふるさと応援基金:新しい返礼品の開発を続けながら、納税額の増加に向け各種取組を進めていく。・森林環境譲与税基金:基金の使途目的に沿った事業を実施しながら、計画的な積み立ておよび取り崩しを行う。
有形固定資産の減価償却率は類似団体より高くなっている。各種の公共事業の推進により、公債費負担が財政を圧迫したことに伴い、平成14年度以降、財政健全化の取り組みが進められ、公共施設やインフラ資産についても新築(新設)、改築(改良)等が先送りになってきたことが要因の一つとなっている。
債務償還比率は類似団体平均を上回っているものの、北海道平均や全国平均を下回っている。償還終了に伴って地方債残高は減少しており、将来負担額も減少傾向にある。しかし、類似団体と比較して地方債残高が多いことから、引き続き可能な限り繰上償還を実施しながら、充当可能財源の確保に努め、将来負担額の減少に取り組んでいく。
有形固定資産の減価償却率、将来負担比率のいずれも類似団体よりも高くなっている。各種の公共事業の推進により、公債費負担が高くなっていることで、公共施設やインフラ資産の更新が進んでいない状況となっている。
実質公債費比率は平成29年度は江差中学校改築に係る起債の償還の開始、平成30年度は標準財政規模の減少により数値が増加している。令和元年度からは、標準財政規模の増加や元利償還金の減少により数値が減少している。将来負担比率は、地方債残高の減少等により減少傾向となっている。しかし、いずれの比率も類似団体・全道・全国と比較し、比率は高くなっている。
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