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平成19年度以降、本市の基準財政需要額は年々大きくなっており、平成27年度は前年度から増加し12,213,145千円となった。基準財政収入額についても、税収等の伸びにより、前年度から増加し7,968,057千円となったものの、基準財政需要額の増加が基準財政収入額の増加を上回ったことにより、単年度の財政力指数(0.652)は、前年度の数値(0.655)を下回った。3年平均における財政力指数は、前年度と同数値となり、0.65前後を推移している。類似団体内平均値が0.1ポイント減少したことを鑑みると、相対的には改善しているともいえ、引き続き財政基盤の強化に努める。
歳出の経常経費に係る一般財源所要額において、物件費や補助費等、繰出金等が増となったことにより、前年度から増加となったものの、歳入に係る経常一般財源に臨時財政対策債を加えた額も増加しており、歳出に係る経常一般財源の伸びを上回ったことから、経常収支比率は0.5ポイント好転した。しかし、類似団体内平均値についても、本市を上回る2.2ポイントの改善がされたことで本市との差は広がっており、類似団体内順位も最下位に近い。引き続き歳入の確保に取り組むと共に、行財政改革の推進により、経常経費の抑制に努める必要がある。
国勢調査実施に伴う調査員報酬の皆増や、平成27年人事院勧告に準じた改定実施に伴い職員給等が増えたこと等により、人件費の決算額が増となった。また、物件費においても、学校給食数の増加に対応するための備品購入や給食調理・配送業務の直営から委託への切替えがあったこと等により、前年度から増加しており、人口1人当たりの人件費・物件費等決算額は前年度から2,454円増となる108,650円となった。なお、類似団体内平均値と比較すると、本市は清掃及び消防業務を一部事務組合で行っていること等により、同平均値より36,395円下回っている。
本市におけるラスパイレス指数は、昨年度から0.9ポイント低下した。類似団体内平均値よりわずかに上回っているものの、人口規模等に見合った給与水準といえる。人件費の財源の大半が一般財源であり、財政硬直化の原因となることから、今後もより一層の総人件費抑制に努める。
清掃及び消防業務を一部事務組合において行っていることも類似団体内平均値を下回った要因ではあるが、合併効果を発揮するための採用抑制策が最大の要因であると考える。引き続き市民サービス向上に直結した業務や新たな施策へ対応するため、適正な職員数の確保を図りつつ、事務事業や組織の徹底的な見直しや再任用制度の活用を行い、更なる定員適正化に取り組む。
平成25年度に立替施行により実施した城山台小学校建設事業及び木津中学校改築事業について、その立替金償還金に対する国庫支出金及び地方債を特定財源として計上したことや、算出上の分母となる標準財政規模が増加したことにより、実質公債費比率は前年度から0.4ポイント改善した。その結果、類似団体内平均値との差は縮まったものの、類似団体内平均値を上回る水準を推移していること、また今後も引き続きクリーンセンター建設等の大規模事業の実施に係る起債を予定していることから、事業内容及び起債計画の精査により、公債費負担の抑制に努める必要がある。
臨時財政対策債等の起債により地方債現在高が増加したものの、退職手当支給予定額が減少したことや、木津南中学校建設費立替金に対する国庫支出金を充当可能特例歳入として新たに計上したほか、算出上の分母となる標準財政規模が大きく増加したことにより、将来負担比率は、前年度から10.4ポイント改善した。その結果、類似団体内平均値との差を3.5ポイント縮めることができたものの、依然平均値を上回っており、引き続き充当可能財源の確保に努めるなど、将来負担の抑制と平準化を図る必要がある。
人事院勧告に準じた改定を実施したことにより職員給等が引き上げられたものの、地方消費税交付金等の増により経常一般財源が増額となったため、前年度数値から0.3ポイント改善された。本指数は、類似団体内平均値を下回る水準で推移しているものの、これは清掃及び消防等に係る業務を一部事務組合により行っていること等によるものであり、一部事務組合に対する負担金のうち人件費充当分を人件費に振り替えると、類似団体内平均値よりも高い数値となることに注意が必要である。
給食数の増加に対応するため、備品購入費が増となったほか、学校給食の調理・配送業務を直営から外部委託に切り替えたこと等により、物件費に係る経常収支比率は前年度から0.3ポイント悪化した。一方、類似団体内平均値は0.9ポイント改善していることから、平均値との差は、更に拡大しており、今後は、合併前から引き継いだ施設のあり方を見直すなど、更なる物件費の抑制が求められる。
本市は人口が増加しており、また人口に占める子どもの割合が高く、児童措置費をはじめとする子育て関連の扶助費が高いほか、障害者福祉費等の扶助費も年々増加傾向にある。このため、類似団体内平均値より扶助費に係る経常収支比率が高くなっている。今後も市独自施策の充実と制度の廃止・見直しの双方の視点から検討を行い、義務的経費である扶助費が財政を圧迫することのないよう、抑制に努める。
繰出金及び維持補修費の増加により前年度から0.5ポイント悪化したものの、類似団体内平均値が、これを上回り1.0ポイント悪化したことから、平均値との差は拡大した。今後は、施設整備の進捗に伴う維持補修費や、人口増加及び高齢化の進展に伴う国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険各特別会計への基準内繰出金の増加が予想される。
清掃及び消防等に係る業務を一部事務組合により行っており、これに対する負担金の支出のため、類似団体内平均値を上回る水準で移行している。類似団体内平均値が1.0ポイント改善したことにより、本市との差が拡大しており、補助費等の抑制を図るため、引き続き各種補助金の見直しを進める。
関西文化学術研究都市の建設に伴う公共施設整備に係る債務負担行為償還費用が、経常収支比率算定上の公債費には計上されず、また一部事務組合の施設整備に係る公債費負担分が補助費等に区分されていることから、類似団体内平均値より低くなっている。過去に借り入れた臨時財政対策債等の元金償還開始により公債費に係る経常収支比率は前年度より増加しており、また前述の準公債費も計上した場合、類似団体内平均値より高い値となるため、公債費負担の適正な水準維持に注意する必要がある。
類似団体内平均値を上回る数値で推移している。これは、物件費、扶助費及び補助費等において類似団体内平均値を上回る数値を推移していることが要因である。一部事務組合による業務遂行の割合が高いことや、ごみ処理を市外委託せざるを得ない現状など、その構造や現況に起因する要素が大きいものの、施設整備及びその管理運営のあり方を検討し、事務事業の効率化を追求することにより、市の財政負担適正化を図る。
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