経営の健全性・効率性について
経営の健全性・効率性について、前年度に比べて人件費削減等により支出削減を図ったが、人口減少に伴う給水収益等の減少により4年連続の赤字決算となった。ただし、今年度は赤字幅が減少したため、①経常収支比率、⑤料金回収率は改善した。⑧有収率は、漏水調査や管路老朽化診断の実施に伴い、4.57ポイント改善しており、今後も有収率の向上に努めていく。②③④⑥⑦の指標については、水準以上を保っている。赤字決算となったが、欠損金はなく、十分耐え得るだけの現金等もあるため、経営についても問題なく行える。しかし、②累積欠損金比率については、今年度は0%であるが、今後も人口減や節水型機器の普及により給水収益が減少する一方、浄水場等水道施設の維持管理業務委託、老朽化による漏水件数に対する修繕費増、施設更新による減価償却費の増等経費増加により厳しい経営となると見込まれる。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は50%を超えており、施設の更新を計画的に実施していく必要がある。②③管路については、年々経年化が進んでおり、早急に更新する必要がある。前年度、当該年度では更新率が類似団体の平均以上となっており、引き続き経年管の更新工事を推進していく。また、経年管の更新工事の実施に伴い、有収率の向上を図ることができた。今後も漏水調査や管路の老朽化診断を実施し、更新を進めていく。
全体総括
水道事業の経営は、給水収益の減少等により、4年連続の赤字決算となり、厳しい状況が続いている。しかし、収益の増加が見込めない中、より一層の経費節減を進める必要がある。また、有収率は改善したが、類似団体と比べると未だ低い水準にあり、さらなる改善を図る必要がある。施設・設備の老朽化も顕著であり、今後施設の更新が大きな課題であるが、更新においては、収支のバランスと効率性の観点から更新箇所の選定を行うなど、より健全で効率的な経営に努める。