横手市

目的別歳出の分析欄

総務費は、特別定額給付金給付事業や十文字地域多目的総合施設整備事業の皆減が要因となり、前年度から１０８，０７１円の大幅な減額となっており、類似団体平均を下回っている。民生費は、子育て世帯への臨時特別給付金給付事業の増や住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金給付事業の皆増があったため、住民一人当たり１９８，２２４円となっており、前年度から１８，４７３円の増となっている。農林水産業費は、住民一人あたり６４，５５２円となっており、類似団体平均と比して高くなっているのは、農業経営安定化対策事業（債務負担）の増（令和２大雪災害に対応して預託金（金融機関に無利子で預託し、農家へ低利子で融資してもらうための原資）を増やしたことなどによる）、産地パワーアップ事業（主にＪＡ多機能型倉庫建設への補助）の増、農業者等復旧支援事業（令和２大雪災害復旧支援事業）の皆増などがあったためである。土木費は、道路メンテナンス補助事業（橋りょう維持）の減はあったものの、事業の本格化による市街地再開発対策費（横手駅東口第二地区）の大幅増があり、前年度より１７，１５８円の増、類似団体平均より３５，７５４円上回っている。教育費は、ＧＩＧＡスクール構想によるネットワーク環境及びタブレット端末整備が一段落したことに伴う小中学校ＩＣＴ環境整備事業の大幅減、十文字地域小学校統合事業の皆減により、前年度から３５，８９７円の減となり、類似団体平均に近い金額となっている。当市の目的別歳出決算の特徴として、老朽化した施設の維持管理経費や更新費用、豪雪地帯であるという地域特性により除雪費のほか、主要産業である農林水産業者への雪害による被害への対応などの経費があるが、今後、横手市財産経営推進計画に沿った公共施設の適切な管理推進や既存事業の継続的な見直しにより、経費の抑制に努めるものとする。

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民１人当たり約６７５，０００円となっている。前年度構成比で大きな割合を占めていた補助費等は、特別定額給付金給付事業の終了等により、住民１人当たり６３，４９６円と前年度から９２，２８６円の大幅な減少となっている。令和３年度決算で一番大きな割合を占めるのは扶助費であり、住民１人当たり１２１，６８５円で類似団体平均とほぼ同額となっている。扶助費は前年度から１７，８６８円増加しているが、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金や子育て世帯への臨時特別給付金などの各給付事業によるものであり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による一時的な増加の面が強い。次に大きな割合を占めているのは人件費であり、住民１人当たり１１０，２９２円で、類似団体平均との比較では２４，５９２円上回っており高い水準となっている。これは、消防業務を単独で運営しているほか、会計年度任用職員の任用、福祉施設の直営施設があることなどが要因である。引き続き第３次横手市定員適正化計画に基づき、毎年の新規採用職員数の抑制等により人件費の削減に努める。普通建設事業費は、住民１人当たり９３，３２５円で、前年度から２８，３６０円減少しているものの、類似団体と比較して依然高い水準となっている。公用施設の整備事業、小学校統合事業等の大型事業の終了により前々年度から減少傾向にあるが、今後は駅前市街地再開発事業や体育館・市民会館の建て替え等、大規模な建設事業が控えており、また、昨今の資材高騰の影響もあり普通建設事業費は膨らむと想定している。物件費は前年度に大きく減少となったが、今年度は住民１人当たり８１，５８４円と前年度から大きく増加となっている。これは新型コロナウイルスワクチン接種の集団接種をはじめ、新型コロナウイルス感染症拡大対応に係る費用等の増大によるものである。維持補修費は、２年連続の豪雪により除排雪経費が大幅に増額となったことが主な要因で、前年度比では微減だが例年と比較すると高い水準となっている。また、類似団体との比較でも１９，８６０円上回っている。災害復旧事業費は、大きな災害がなかったことから、低い水準となっている。積立金は、財政調整基金の積立が前年度から増となったものの、前年度に新型コロナウイルス感染症拡大に対応し実施した中小企業経営安定基金への積立が終了したことにより、前年度比較で２，４１８円の減少となっている。

施設情報の分析欄

・学校施設以外の有形固定資産減価償却率が類似団体平均と比較して高くなっている。・橋りょう・トンネルについては、橋りょう数が多く、その大半が昭和４０年代後半に整備され、老朽化が進んでいることから、比率は７２．４％と類似団体平均よりも７．４ポイント高くなっている。今後も横手市橋梁長寿命化修繕計画に基づき、老朽化対策に取り組んでいく。・認定こども園・幼稚園・保育所については、比率が７９．６％で前年度と比較して１９．６ポイント高くなっているが、これは十文字保育所が民営化となり、減価償却率の高い保育所が残ったことによる。教育・保育施設整備計画および横手市公立保育所民営化計画に基づき、安全に配慮した老朽化対策を講じながら全公立保育所の民営化に取り組む。・公営住宅については、昭和３３年から５０年代前半に供給された木造住宅の老朽化の進行などにより、比率が８２．３．％と類似団体平均より１３．８ポイント高くなっているため、横手市市営住宅長寿命化計画に基づき、長寿命化を進めていく。・児童館については比率が８７．５％で類似団体平均より３０．１ポイント高くなっている。今後も地元地域への譲渡等により施設数の適正化を進めていくと同時に、市有の児童館については適切に維持管理を実施していく。

施設情報の分析欄

・類似団体平均と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、消防施設、体育館・プールである。・消防施設はここ数年で分署統合を進めているが、対前年度で１．１ポイント増加し類似団体平均と比較すると未だ高い比率となっている。消防団の消防器具置場やポンプ車の車庫などの数が多く、その大半が耐用年数を超えて使用されていることがその要因である。今後も、消防団の統合を進め、施設の配置を見直すなど施設数の適正化に努める。・体育館・プールは比率が８１．９％で、類似団体平均より１９ポイント高くなっている。横手市財産経営推進計画において、ほとんどが維持、長寿命化という位置づけになっているため、今後も比率は上昇していく見込みであり、施設配置のバランスを考慮した統廃合を検討する必要がある。