経営の健全性・効率性について
①②経常収支比率は105.79%と前年度より改善している。収益における集落排水施設使用料の増、費用における支払利息の減が主な理由と考えられる。今後も引き続き水洗化率の向上を図り、収益の確保に努めていく必要がある。③浄化センターの統廃合に伴い、国庫補助金等や企業債による収入が大幅に増加したことから、流動比率は類似団体と比較して非常に高くなっている。④企業債残高は今後の処理場の統廃合事業により、今までの減少幅が縮小する見込みである。企業債残高対事業規模比率について「0」となっているのは、現状、適正な使用料設定としていることから、今後の償還については総務省が示す「分流式下水道に係る経費」の繰出基準に全額該当するものと判断し、残高の全額を一般会計からの繰入により償還するものとしたことによるものである。⑤⑥経費回収率、汚水処理原価は、いずれも類似団体との比較では劣る状況である。今後も収入確保や経費削減のための対策を検討し、継続して実施していく必要がある。⑦施設利用率は48.91%と類似団体よりも下回っている。人口減少、水洗化率の伸び悩みによるものであり、施設の統廃合を進めるとともに、水洗化率の向上に努めなければならない。⑧水洗化率は毎年度微増しているが、80.75%と類似団体と比較して低い状態である。使用料収入の増加を図るためにも、今後も水洗化を促進する必要がある。
老朽化の状況について
①地方公営企業法の全部を適用(平成30年度適用)してから間もないこともあり、有形固定資産減価償却率は13.76%と低い値である。新たな区域の施設整備は行わず、今後も加速する老朽化に対応するため、計画的な施設の更新、統廃合を進めていく。
全体総括
農業集落排水事業は平成30年度から法適用となった。事業開始当初に建設された施設については、処理場の設備の更新時期を迎えているが、施設利用率が低水準であることや、維持管理費を圧縮するため、処理区の統廃合事業を進めていくこととしている。人口減少や節水環境の影響により、使用料収入の減少は避けられないが、水洗化促進による収益の確保に努め、効率的な施設管理手法を検討、実施していくことで経常経費の更なる縮減を図っていく。