経営の健全性・効率性について
経常収支比率及び累積欠損金比率に関しては、直近5か年の推移を見ると改善傾向にあるように見えるが、一般会計の基準外繰入の増加によるものである。そのため、加入促進に努め、使用料収入を増加させるとともに、経費削減をし基準外繰入を減少させることが必要である。流動比率に関しては、過年度に建設改良費の財源に充てるために発行した企業債が償還のピークを迎えつつあることから、右肩下がりとなっている。管路布設工事は令和6年度までの予定であり、工事終了後は加入者増加による使用料収入の増加が見込まれるため、引き続き注視していく。経費回収率及び汚水処理原価に関して、令和3年度に大幅に低下・上昇しているのは汚水処理費の算定を見直したことによるものだが、算定方法の如何にかかわらず、経費削減に努める必要がある。併せて、経費回収率については適正な使用料収入の確保、汚水処理原価については接続率の向上による有収水量の増加が必要なため、一層の経営改善を図る必要がある。施設利用率及び水洗化率の向上は、一部の地域において水洗化率が8割を超えているが、多くの地域では依然として低い状況のため、水洗化率の向上が必要である。現在進めている管渠の布設整備事業は令和6年度まで予定されており、直ちに水洗化率が大幅に上昇することは見込めない状況であるが、その後は上昇となる見込みである。また、施設の利用率では、処理汚水量が計画より少ないため、平成22年から供用開始した施設が稼働しておらず、利用率低下の一因となっている。これは、供用開始直後の地区において接続率が低いことに起因しているため、今後は未加入世帯への積極的な加入推進に努め、新規加入者を確保していく。
老朽化の状況について
農業集落排水の処理施設5箇所のうち、最も古い処理施設が平成3年から供用開始している。また、管渠等は平成元年頃から布設されている。いずれも耐用年数を迎えていないため、管渠の改善等の必要性は今現在では発生していない状況である。しかし、今後、管渠の老朽化が始まる頃までには、改築等の財源を確保するため「経営の健全性・効率性」で分析した課題に早急に取り組み、経営を改善させ、基金の積立ができるように改善を図る。また、将来的に公共下水道への接続を検討しているためそれも踏まえて改善を図る。
全体総括
今後の課題として、更なる経費削減を進めながら、加入促進・使用料確保に向けた経営の改善を図り、累積欠損金比率の減少や施設利用率の増加に努める。また、将来的には公共下水道との接続も視野に入れながら、早急な管渠の布設や老朽化に伴う処理施設の維持更新を盛り込んだ長期計画等を作成し、無駄なコストを発生させない経営を進める必要がある。さらに、公共下水道への接続を目指して、維持管理の一元化を図りながら、組織の連携した取り組みが必要である。また、長期的な基本計画である経営戦略の改定を実施し、経営の健全化を図るための取組を進めていく。