経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、料金改定により125.63%と前年を9.39%上回ったものの、使用料収入を超える繰入金により収支の均衡を図っている。③流動比率は、料金改定により20.2%と前年に比べ9.04%改善されたが、安定性に欠ける。④企業債残高対事業規模費率については、企業債の発行は多額となっており、一方で料金設定が低くなっているため比率が高くなっている。令和2年度の料金改定により、減少傾向が見込まれる。⑤経費回収率は99.65%と全国平均より高い水準であるが、繰入金により収支の均衡を図っていることから、健全な経営に努めていく。⑥汚水処理原価は全国平均より高くなっており、今後もコスト軽減に努めていく。⑧水洗化率は、全国平均を上回っており、住宅需要により微増傾向となっている。
老朽化の状況について
昭和61年度から整備を開始し、30年以上経過する管路があるが、大規模な改築、更新を実施するほどの劣化の確認には至っていない。①有形固定資産減価償却率、③管渠改善率は、共に類似団体を下回り、悪化の傾向がみられる。次期下水道事業計画変更(R4-R5)において、公共下水道への接続により、段階的に処理場を廃止し、ライフサイクルコストの低減を検討する。
全体総括
料金収入のみでは、企業債の償還ができないことから、料金収入より多額の一般会計繰入金により、収支均衡を図っている。「金ケ崎町下水道事業中期経営計画」に基づき、令和2年4月に料金改定を実施したところ、指標の改善傾向がみられる。今後も同計画に基づき、管理費用や改築更新に係る費用増、将来的な人口減少による使用料の減少を考慮し長期的な管理計画、経営及び料金改定等を行なっていく必要がある。